第二十話=『不穏な影』
あけましておめでとうございます
頑張っていきます
感想・評価ありがとうございました。
訂正
冒険→ファンタジー
移籍しました!!
短めです!すいません!!
騎士国家の名残がある都市≪クラレント≫は、ユーレリーゼの四大陸の内の一つであるサトレイリア北大陸の最北端にあった。
遥か昔、北大陸の中でも騎士国家で栄えていた大都市の一つだ。
かの騎士王は、『聖剣の一振りで敵対するすべてを薙ぎ払った』という逸話も有名だ。
そんな騎士王の末裔は、今はクラレントの領主として過ごしている。
国という形が様々理由により保てなくなり幾星霜の月日が流れようとも、自らの先祖が守り抜いたこの都市を同じく守り抜くために領主として尽力をする姿勢。
最北端に位置しながら周辺集落との交流も深く、和気あいあいとした喧騒が城下町を常に包み込んでいる。
また、ヴェルトナ騎士学園を卒業したうちの数人は、レーギウェン西大陸の大貴族、果ては王族のスカウトもある程のトップクラスの騎士を輩出している。
この事が『少し前までの』クラレントの知名度だった。
しかし、ここ最近、新たに一つ加わったことがある。
『クラレント城下町の北端にある迷宮≪レファンシアの呪海迷宮≫から取れる宝物がすごい』
ということだ。
この事により別大陸のトレジャーハンター達がクラレントに集まってくるのだが......
今日この街に入る5人組のパーティーは異色を放っていた。
クラレント城下町の門前にたどり着いたその者達は立派な城門を見上げながら言う。
「それにしても、ここがクラレントですか?寒いところですね」
「そりゃあ、そうでしょ?だって端ですよ!端!」
「そんなことより、『転移の魔女』ぼったくりすぎますよ!!」
「私の持ち金じゃぁ、一晩できませんよぉ......」
「でも、南大陸からここまで飛ばして貰ったんだから、時ヶ織東大陸を縦断するより安いと思うのだけど......」
それぞれ口に出しては、始めて見るクラレントの城郭にホッとしている5人。
おそらく、無事についたことにホッとしたのだろう。
彼女らは全員が、サラサラの流星のように美しい銀髪に、宝石のような蒼い眼をしていた。
「それでは......」
リーダーだろう人物が豊かに育った胸を隠すようにフードを頭から被ると、
「「「「.......バサッ」」」」
それにならってフードを被り、綺麗な銀色の輝きも覆い隠し、それぞれクラレント城下町の方へと軽業師のような身軽さで、時に壁、時に屋根を伝い、この三日月が射す夜の街へと消えていった。
最後に、スラッとした上に不釣り合いな胸を持つリーダーがみんなを見届けてから消えていく。
「レファンシア様ついに見つけましたよ......」
その呟きは城下町から流れる陽気な音楽にかき消されていった......