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空間拒絶師  作者: もみもみじ
1/3

プロローグ  キョゼツ

「イーニッド。あいつは」

『言ワナクテモ、分カリマスヨネ。憑キ物デス。ドウシマス?』

 少し背が高めで灰色の制服を着た少年は、携帯電話でそんな話をしていた。

 冷静な口調で話をしているが、彼の目の前には、人間と似ている存在が立っていた。

 そう、ケータイの相手が言った、憑き物という存在だ。

『イヤホンニ変エテクダサイネ。戦イガ始マリマスヨ?』

 不器用な日本語を操るロリ声は、なんともまぁ物騒な一言を放つ。

 少年はため息をつきながら、ケータイにイヤホンをつける。

「変な説教はなしな」

『ドウカナ~?』

「帰ったら殴るぞ」

『ソノ時ハ、協力シナイモ~ン』

 少年はそれを聞き、悪態をつく。

『サァ、来ルヨ~』

 見えるわけないのに、なぜかそれと共に人間ではない存在が動く。

 ありえない行動、いや、この時代ではさほどおかしくない能力を使用する。

 手から放たれた水が、少年を襲う。

「なめんなよ!」

 少年は低く腰を落とし、ソノ攻撃を綺麗にかわす。

 イヤホンから、ロリ声が聞こえてくる。

『相手ハ蟹型ダネ~。マダ同調率ハ十パーセントダケド』

「チッ……。何分かかる?」

『強イテ五分ダヨ~』

 能天気なロリ声は、どこからか得た情報を流す。

 少年はあいも変わらず、攻撃を避けていく。

 敵はその行動に合わせ、能力を放つ。

「チッ…!!」

 かわしている所に攻撃が放たれた瞬間、少年は悪態をつきながらかわさずに構える。

「空間創生術、大盾!!」

 そう言った瞬間、彼の目の前に大きな西洋風の盾が現れ、攻撃を遮断した。

 しかし、攻撃を遮断したあとは跡形もなく消えた。

「チッ……、ただでさえ能力の使用はさけてるのに、何故こう運命は使うように持って行くんだ?」

『サァネ~』

 ロリ声は能天気に答える。

 少年は再び避けに専念するが、相手はパターンを覚えたか、攻撃のバリエーションが増える。

「おい!! 何分だ?!」

『アト、二十秒だよ~』

 そんな会話とはいえない会話をしつつ、少年は相手の攻撃を避ける。

 敵はそんな少年を笑うかのように攻撃を速くしていく。

『五十パーセント突破!! チャンスダヨ~』

「そうか……。じゃあ!!」

 少年は避けるのをやめ、構えもとらずに立つ。

 不審に思ったのか、敵も行動を止めた。

 そして、その存在は人間の姿ではなくなり、蟹に近い形に変形した。

 それを見た少年は、不気味なほどに冷淡な言葉を放つ。


「こっからが……本番だぞ?!!」


 そう言い終えた瞬間、少年は一気に敵の懐に踏み込む。

 ワンテンポ遅れた敵は、少年の拳で殴られ吹っ飛ばされた。

 が、少年は次の攻撃を止めた。

「ダメージが…ねぇな」

 およそ人間ではなくなった姿を殴りつけた少年だが、相手は痛みすらない感じで立ち上がる。例えるならゾンビだ。

『蟹ノ甲羅ハ硬イヨ~。ソンナノモ分カラナイノ?』

 ロリ声はそうつぶやくが、少年は何も言わずに敵を睨む。

 そして、

「こいつ……、殺っていいか?」

 そうロリ声に冷たく放つ。ロリ声はそれにOKを出した。

 蟹に近い人間が立ち上がり構える。だが、少年はお構い無しに目を閉じ、意識を集中させる。

 その顔には、うっすらと笑いがあった。

「空間、拒絶!!!!」

 そう言った瞬間、彼の周りの音はなくなった。

 逆に、殺気が敵を囲む。

 声を出せない敵は、無言で突っ走ってきた。人間ならわかる、恐怖の感情での行動だった。

「拒絶刀……」

 彼はそんな敵を見ながら、手に刀を持った。

 その刀は全く持って綺麗な刃があり、柄は黒に埋め尽くされている。

 少年は、こうつぶやいた。

「これは全てを拒絶する刀……。空気や水、光も闇すら拒絶する刀だ。だが、この世にも拒絶できないものがあってよ……。だから俺は、これでてめぇを斬る!!!」

 敵はそんなの関係無しに少年にタックルを当てようとする。が、少年はそれを嘲笑うかのように一刀両断した。

 そして、小さくこうつぶやく。

「つっても、理解できる脳ではないよな、怪物」

 どちらにも該当しそうな一言を、その少年は放った。

今回の小説はどうでしたか?

あれ? いつもの前&後書きは?

という疑問がくるでしょうが、それに関しては次回からはじめます。

プロローグだしね。

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