表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/31

作文


 穴があったら入りたいって言うか、記憶から抹消してしまいたいと言うか……、とりあえず両手で顔を覆うことにした。

「面白い文章だよね。癖がないけれど、それが癖って言うか、目立ちたくないんでしょ?」

 顔を覆っても聞こえてくるものは聞こえてくる。最悪だ。続けてもっと最悪なことは、それが正解だってこと。全て、ね。

「何を書いていいか分からないからとりあえず無難な風にしておく。まさか……」

 最後の方はぼそぼそと独り言のようで聞き取れなかった。「何か言った?」と聞いてみるけれど、「何でもない」で終わり。終わらせたいのならそれでも良いけれどさ。

「授業参観で作文の発表があるの」

「へえ、それで下書きか。偉いな」

 そこで話を切る。私はふう、と息をつき、ソラは勉強机近くの椅子に座り、俯いて何かを考えているよう。

 開いたカーテンから入る昼の陽を反射するような、艶のある銀色の髪が視界に入って、私も考え事をしてしまう。銀色って光で何色にも染まるじゃない、羨ましいよ。私の髪と瞳はこんなに汚い水色なのに。

 空のような空色には、もう、染まらないのに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ