今後
「まずは国王陛下に報告だ。そのあとにハワードの処分。そしてお前のその魔法の解除となる」
改めて今後の流れを共有するためレオはやや広いソファ、ミオはその向かいのひとりソファに座る
「魔法を解除するまではお前がノースということは伏せる」
「にゃ?(なぜ?)」
首を傾げるとレオはため息をついた
なにかおかしいことを言っただろうか?
レオはやや呆れながら言葉を続ける
「オリヴィア・ハワードを処分したところでお前が気に食わない、というやつが多いだろう。ほとんどの人間はお前を認めているが……一部の貴族がお前の失墜を狙っている」
(まぁそうだけども…自分で嫌われてるなぁって思う分にはいいけど他の人に言われると少し凹むな)
平民上がりでいくら国王陛下から姓を授かっていても
実力を僻んで嫌がらせはあった
貴族の中でもレオのような人達には認められているがやはり全員とまではいかない
その状態で魔力も使えない、話せないという小さき存在に気づいたら何をされるか
「その為ノースという事実は伏せ私の飼い猫として着いてきてもらう」
「にゃー!?(飼い猫!?)」
「仕方ないだろう。お前にかけられた魔法の解除に私の研究室まで連れていきたい。それにお前はいま魔力が使えない。ひとりで行動となると危険だから護衛をつけるしかないんだ。小さな白猫に護衛騎士がついていたら何事だと思われるだろう?」
たしかに客観的に見ると不思議だ
王太子などの猫、としても護衛はつけないだろうしそもそも王族の猫は外に出さない
護衛をつけずただの白猫が歩いているとしても
貴族達が何をするかわからない
真っ白な猫は珍しいので気に入って連れ去るかもしれないし、石を投げるかもしれない
それほどまでに一部貴族は腐敗しているのだ
(仕方ないか)
納得し頷くとレオも頷き返す
「レッドドラゴンの魔法は古代のものだが本来そこまでむずかしいものではない。ただ…魔力を封じる宝具の魔法陣に絡みつくよう組まれたようだな…一筋縄では行かないぞ」
魔具とは中に込められた1つの魔法陣を発動するものである
宝具とは2つ以上の魔法陣が込められている
さらに魔法陣同士に繋がりがあり片方だけ解除するというのができず同時に解除しか方法がない
2つ以上の魔法陣を組むのは難しいものであり作ることができる魔術師がほぼいないこともあり
宝具として貴重なものとなっている
レッドドラゴンはその宝具の複数魔法陣に対し繋がりを作り重ね付けをしてしまった
つまり最低でも3つ以上の魔法陣の同時解除が必要ということだ
「にゃあにゃ…!(あのクソトカゲ野郎…!)」
「時間が必要だからしばらくはその姿のままだ。我慢するんだな」
「にゃ……?(まてよ……?)」
猫のまま→働かなくてOK→自動的に美味しいご飯が食べられる→好きなときに寝られる→天国
じゃない?これは素晴らしい!!
ヘラヘラしている雰囲気を感じ取ったのか
レオはニッコリ笑う
「来月の結界に魔力を込める日までに絶対解除するからな。復帰したら死ぬほど働けよ」
(ヒィ!!!!)
目は笑っていなかった
天才エリートゆえに任される仕事が多いので結界担当がミアさん
それなのに結界までもレオがやるとなるとマジで大変なため圧をかける24歳






