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対面

そして冒頭に戻る

気づいたときには白猫になっていた

ミアは状況を整理しつつも未だ混乱している



なぜ白猫の姿なのか?

ミアは猫族ではあるが完全な白猫にはなれない

なので魔法で故意・・に変身させられないとこうはならない

これは答えが出ている

恐らくあのレッドドラゴンだろう

気まぐれと嫌がらせでわざわざ白猫にしてきやがった



ここはどこなのか?

誰かが拾ってくれたのだろうが拾い主が見当たらない

広いのと立派な暖炉や家具

それらから貴族かもしれない

ただ…行き倒れの猫を拾うのだろうか



そしてあれからどれくらいの時間が経ったか?

気を失った間にレッドドラゴンの動向も気になる

この部屋を見る限りは平和に感じるが…




そう思案していると扉が開く音がした

扉に背を向けるような配置のソファで寝ていたため

誰が入ってきたかわからない

恐る恐る顔を覗かせ

部屋に入ってきた者の顔を見る




(ファッ!?ラッセル様!?)



まさかのレオ・ラッセルが目の前にいた

心なしか目の下にクマができており

無表情ではなく眉間に皺を寄せている



(いつもよりこわっ……)



ソファから顔だけ出ている白猫に気づいたレオはフッと表情を崩す



(えっ、ちょっとその顔反則でしょ…!)



勢いよく引っ込んだミアは体温が上昇しているのを感じた

いつもは無表情なくせにギャップにやられてしまった

色恋沙汰とは無縁の生活をしていたのでかなりちょろい




「起きたか。なんであんなボロボロになって街の入り口で瀕死だったんだ?もしかしてレッドドラゴンの圧にやられたか?」


「にゃあう…(入り口で倒れちゃったのか私…)」




近くに寄ってきたレオはミアの隣に腰掛ける

ミアの喉元を人差し指で撫でる


「にゃああ…(はえ〜気持ちぃ〜)」



(じゃなくて!!やっぱりレッドドラゴン王都を襲ったよね!?え!?襲ったあと!?)




襲ったあとなのになぜこの空間は平和なのか

レッドドラゴンは追い払ったのか

色んな疑問がわいてくる




「レッドドラゴンはもういないからな。いきなり王都に来たから右の翼を撃ち抜いてやった」



ミアの頭をなでながらシレッと話しかけてくる

その内容にミアの時が一瞬止まる



(…私そんなことやれたことないよ、いつも抑え込むしかできないよ。やっぱりトップなだけあるなこの人…)



人間だけど人外な力を持つレオにやや引いてしまう

だがレッドドラゴンの脅威を跳ねのけたのは尊敬する



(あ…結界…結界は大丈夫だろうか)


今は魔力が封じられているので魔力探知ができない

ただレオが結界について気づかないわけがないのできっと魔力を込めてくれただろう

そしてこの疲れ顔…

王都全体を覆うためかなりの魔力を消費する

きっと結界をしっかり張ってきた後なのだろう



「…同僚が半日前から行方不明なんだ。他の者に聞いても最後に見た者がいないから手がかりもない」



「にゃっ!?(それ私かな!?)」



急な自身の話題に驚くミア

仕事に向かっていたのが10時くらいだ

いまはすっかり暗いようなので夜中なのだろう



(ラッセル様ごめんなさい)



レッドドラゴンと戦うことも結界に魔力を込める仕事もできず申し訳なさでいっぱいになる

レオの膝に肉球でぽふぽふして謝った


(猫が土下座したら怖いだろうしぽふぽふで許してください)




「…かわ…」



「にゃ?(ん?)」



見上げてみるとレオは口元を手で抑え

ぷるぷるしている

なんだかとても笑顔だ



(イケメンの笑顔は人…いや猫を殺せる…)



あまりのキラキラにミアは仰向けになった

「仰向けもかわいい…お腹もふもふしていいってことか?」


(好きにしてくれ…)

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