何故
見極める者
セオドアが持つ特殊能力
狙うべき相手の急所を見極める力
この特殊能力を使う時、目が燃えるような赤に染まる
集中力が続き蒼目に戻るまではこの力は継続して使うことができる
「やった!!」
深い傷を与えられたからか周りから口々に喜ぶ声が聞こえる
しかしこんなことでレッドドラゴンは止まらないはずだ
「気を抜くな!!奴は再生能力がある!今度はその傷めがけて魔法を放て!第一、第二部隊!第三部隊の魔術師達を守れ!来るぞ!」
そう指示をした瞬間、レッドドラゴン後方の空から多くのワイバーンが現れた
レッドドラゴンの従属達である
一定のレベルのダメージを与えると現れ戦いの過激さが増すのだ
それを先読みしているのといつもレッドドラゴンと戦うときよりも人員を増やしている為その程度ではこちらが不利にならない
レッドドラゴンの再生能力も瞬時ではない為ある程度リミットはある
その間に猛攻撃をしかけ再生の暇を与えない───
その予定だった
「無様だねぇ、レッドドラゴン」
決して大きくはない声だが辺りに響く
コロコロと鈴の音がなるような女の声
黒いローブを着ており顔全体を隠すように被っていたフードを取った
「蒼目…!?」
突然の登場にセオドアは怪訝な顔をした
武器を持たない小柄な女が戦場にいるのも場違いだがそのオーラはどす黒く感じる
そしてその女の目、明らかに王族の証である蒼目であった
「っ兄さん!目の色は違うがもしかしたらオリヴィア・ハワードかもしれない!!!」
ハッと気づいたアーロが声を上げた
「ハワードだと!?コイツがノースを…!」
聞き覚えのある姓に怒りが沸いた
いとこに魔力封じをした馬鹿な女
追放され平民として生きているはずだがなぜこの場にいるか分からない
分からないが女だからと容赦をするつもりはなかった
だが…
「君、意外に再生能力遅いんだから気をつけないと」
右手の人差し指をレッドドラゴンに向けた瞬間、
血飛沫をあげていた傷が瞬時に塞がれた
「なっ…!」
【フン…頼んでないんだがな】
助けられたことが不愉快だったのか鼻を鳴らす
あまり仲が良いわけではないらしい
「フッ…強がりを…私がいて良かっただろう?」
嘲笑う女の顔は歪んでおり
ただならぬ雰囲気だ
セオドアは警戒をとかずにやり取りを見つめている
ここでいきなり攻撃をしたとしてもやり返される
相手は構えていないのに隙がないのだ
【別にいらん。掻き乱してくれそうな女を見つけたから従属にしたものの…お前が取り憑いて殺してしまったから契約が破棄されてしまったではないか。我の邪魔だけはするな】
「本当は借りるだけだったんだけどねぇ、思いのほか弱かったみたいで私の魔力に耐えきれなかったみたいだ。
悪いと思っているし利害は一致しているから協力しているんじゃないか。」
取り憑いて殺してしまった…
その言葉をきいてギョッとした
ならこの女は誰だ?
なぜ蒼目なのだ?
頭の中がぐるぐるする
ふと女と目が合った
「おお、もしかしてセオドアか?最後に会ったのは本当に小さい時だったからなぁ、大きくなったなぁ。そっちにいるのはもしかして弟か?そっちは会ったことがなかったが戦場に出られるほど優秀なんだな」
自分を知っているナニカ
小さい時に会ったことがある
ということは20年位前
その時から会っていない者で当てはまる者
そして蒼目…
「あぁ…この姿だから分からないのも無理はないか」
ハッとしてパンッと手を叩く女
いやコイツは女じゃない
額から汗が吹き出している
手がカタカタと震えてきた
そうだ、コイツはきっと…
いとこに消えない心の傷を負わせた元凶
「おじいちゃんだよ」
にっこりと笑うその顔はやはり歪んでいた
こんなに嬉しくないおじいちゃん発言はあまり無いですよね(´・д・`)




