表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/40

回想②


それから数日、王城で過ごした

王城は貴族がたくさんいる、と母から言われていたので好奇の目が怖くて常に耳と尻尾を魔法で隠していた

昔、街に行ったとき通りかかった貴族から嫌な目を向けられた

母が生きていたときはそんなことを気にしてなかったけど

1人になったらそのことがとても怖くなった

常連さんである魔法雑貨屋のおばあちゃんに話したら隠し方を教えてくれた

その後も色んな魔法を教えてくれてとても感謝している


母と暮らしていたときよりも贅沢でいまだ慣れない

たくさんのドレスを用意してくれたが似合わないし

なんだか窮屈なのでワンピースを着ていた

それを怒ることはなく国王陛下はニコニコと微笑んでいた

その笑顔は純粋な優しさだとこの数日で良くわかったが今まで家族は母しかいなかったのでどのような接し方が良いか分からない

国王陛下の前でも耳と尻尾を隠していたら

隠さなくていいんだよと言われたけど曖昧な返事をするだけだった


薬売りも畑の手入れもしなくてよくなり暇を持て余していた

外の天気が良いので庭園でお散歩をするも護衛の方が常についているのでなんとも居心地が良くない

だけど王妃殿下が管理している庭園はとても綺麗で心が安らぐ

王妃殿下も散歩をしていたようでガゼボでお茶をすることになった

小さくカットされたアップルパイを食べてみると美味しくてガツガツ食べてしまった

はしたないことに気づいてちらりと王妃殿下を見れば優しく微笑んでいた

母に似ていて、少しだけ泣きそうになった



その時大きな魔力が近づいてくるのを感じた

王妃殿下も同じだったようで立ち上がり私を後ろに隠した

目の前に魔法陣が浮かび上がり人が現れた

60代くらいの男性で金髪蒼目だった

国王陛下と、肖像画に描かれた父に良く似た人だった



『…先代…!』



王妃殿下の言葉で確信した

この人は先代の国王陛下、私の祖父であると



その人はひどく疲れたような顔をしていて目が血走っていた

あとから知ったが本当の年齢は50代で年齢より老け込んでいたようだ



『…お前のせいだ…』


『え…?』



ボソリと呟いた声が聞こえなかった

血走っていた目は私に向けられ身体が硬直する



『お前が…!お前と母親がアレックスを奪ったんだ!お前らさえいなければ…!アレックスは…!』



指を指しながらジリジリと近づいてくる

何故こんなことを言われなければいけないのだろう

私と母はただ幸せに生きたかっただけなのに


王妃殿下が私を庇うように更に前へ出る



『ご隠居されていたのにどうされたのでしょう?今は女性のみでお茶会をしてましてよ?来て頂いて早々申し訳ないのですがお帰り頂けます?』



そう告げると王妃殿下は護衛の人達を呼ぶ

しかし祖父はもう狂っているのだろう

王妃殿下の言葉が届かず罵倒するだけ








『お前の母親をやっと見つけて呪い殺したのに何故お前は生きているのだ』




頭が真っ白になった








次に覚えている記憶は

目の前で倒れている王妃殿下と

血だらけで息絶えた祖父の姿だった





回想続きます…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ