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回想



私が13歳の時、母が亡くなった

その時の街医者から過労が祟って持病が悪化したのだろうと言っていた

そんなに無理をしていたことに気付けなかった自分に腹を立て、悲しくなってわんわん泣いた


私はひとりぼっちになった

父はいない

父がどんな人かも知らない

一度母に尋ねたが困ったような顔で微笑むだけだった

母がいてくれれば良かったのでそれ以上聞かなかった


本来私の目は蒼目だ

母から絶対に魔法を解いちゃだめと念を押され

目の色は変えていた

髪の色は母とお揃いのプラチナブロンド

ややグレーがかった色でこの色は変えなくていいと言われたので嬉しかったのを覚えている

母の作った料理はどれも美味しかった

贅沢はできなかったけどお誕生日の時だけに食べられるシチューは格別だった

母からレシピを教わり母に振る舞うこともしていた

遅い時間まで街に薬を売りに出かける母の負担を減らしたかったのだ

ありがとう、と頭を撫でてくれる母が大好きだった


そんな思い出に浸っても

ひとりぼっちなのは変わらない

街から少し離れた小さな一軒家で1人で暮らさなければならなかった

安いボロボロの紙に描かれた調合の仕方を見て

母に直接教えてもらったことも思い出しながら薬を作る

ちゃんと自分で試してから街に売りに行く

母がコツコツ信頼を得ていたのか母の時代から買ってくれる人が、継続して買ってくれた

売ったお金と自分の畑の食物でなんとか生計を立てていた


いつものように街へ行くとすれ違った男性と目があった

その人はすぐにこちらへ振り向いたようで声をかけてきた

黒髪黒目で見たことが無い人なので人違いかと思った

実は国王陛下でお忍びで街に来ていたらしい

隣に同じ黒髪黒目の綺麗な女性がいてそちらは王妃殿下だった



『君のお母様は?』



そう聞かれ素直に亡くなったことを伝えた

今はひとりだと伝えるととても悲しそうな顔をしたあと一緒に行こうと強引に連れて行かれた

今思うと誘拐だと思う

隣にいた王妃殿下はあらあら、というだけで助けてくれなかった


ここからここに住むんだよ、と部屋を案内された

母との思い出のお家よりも広くて戸惑った

何かあったらメイドへ言うこと、

ご飯は一緒に食べようと言われ何故ここまでしてくれるのか分からなかった

お家にあった大事なもの達がそのままだったので取りに行かせてもらえたがあの家に戻ることができなかった

何故かと問えば君を守らせてほしいと言われた

とても真剣な顔をしていたのでそれ以上は言えなかった

あの家から離れるのは寂しかったけど

母からもらった手作りの編み物、手作りの絵本などすべて持ってこれたし思い出を忘れずにいようと思った


魔法で姿を変えていたという国王陛下と王妃殿下を見て驚いた

国王陛下の目が自分と同じ蒼目だった

スカイブルーのような少し薄めの青目の人は見たことがあるが全く同じの深い蒼目は初めて見た



そこで初めて父のことを聞かされた

国王陛下の兄だということを



父は優秀な人で先代の国王陛下から期待されていたらしい

だが先代は暴君と恐れられる人で何もかも支配したい人だったようだ

抑圧された環境の中で息が詰まり、父はたびたび王城を抜け出していたらしい

その時に母と出会い、しばらく逢瀬を繰り返したのち駆け落ちした

父は先代の逆鱗に触れてしまい

遠い街だったが探し出され見つかってしまい幽閉された

たまたま母は一緒にいなかったらしい

もしかしたら時期を考えると私が産まれたばかりかもしれない

街医者の病院にいた為見つからなかったのだろう

母のことを頑なに喋らなかった父は自害した

魔法も使えない、手枷も嵌められているので本来できないことだが協力者がいたらしい

協力者と共に毒をあおり亡くなった


それから先代は大人しくなったらしい

父に裏切られたからだろうか

自分の思い通りに行かなかったからだろうか

もしくは父の特殊能力スキルは誰も知らなかったのでその力のせいだろうか

覇気を失くした先代の代わりに当時の王妃殿下が奮起したがカバーしきれず静かに退位したそうだ

そして遠く、国の端っこにある街で2人で静かに暮らしているらしい



苦しそうにゆっくり話す国王陛下は隣に座る王妃殿下に手を握られ支えられていた

そんな姿をどこか他人事で冷めて見ている私がいた

事情を聞いていきなり貴方は私の姪です、と言われてもどこかピンとこない

そんな私を見透かしたように国王陛下は寂しそうに微笑み、ゆっくりでいいからと言った


ちなみに私は母親似なのでなぜ分かったのか聞いてみた

目元が父に似ているのと国王陛下の特殊能力スキルが勝手に発動し

本来の蒼目を見たとのこと

それを聞いてもやっぱり他人事のように思えた




ミアにとって母が全て

思春期に母がいなくなり手伝い程度しかしていなかった

薬作り、畑の管理など一人でやらなければいけない

薬は売れてくれるものの生きる為に立ち止まることができなかった、そう考えると心が冷えて病んでしまったのでしょう

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