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アーロ



現場の水晶はなんとか壊れなかったのであろう

映像は途切れ途切れだが映っており魔術師達が倒れている姿と木々が燃えている様子が分かる

ただ時々うめき声のような声が聞こえるかもしれない

5ヶ所目はある森の中であるため下手をしたら広範囲に火が回る

一刻も早くその場から逃げてほしい



「殿下!殿下!大丈夫ですか!」



水晶が少し破損しているのか雑音も入る

ザザ…ザ…


【な……か、…が、……つし………ぜ………】



声がアーロか分からない

ただし誰かが喋っているのは分かる



「退避してください!奴の目的はその地点に魔法陣を展開することです!全滅させることが目的ではないので深追いはしてきません!」



レッドドラゴンにとってはおそらく人間は

ちょろちょろ歩き回る蟻のようなのだろう

今おそらく森が燃えはじめてあたりを焼き尽くす

なおさら人間(アーロ達)を放置し目的を果たす可能性が高い


作戦ミスだったか…?

自分の指示が間違っていたかもしれない

いつもレッドドラゴンと対峙するときはミアが率先して立っており

セオドア率いる騎士団、そして魔術師達が控え連携していた

セオドアとアーロの2組に戦力を分散させてしまったのでそれが原因かもしれない

しかし1ヶ所に戦力をまとめると失敗したときに次の手が打てない……

そうぐるぐる考えていると水晶が反応する




【バン!!バンバンバン!!】



割れるような、ぶつかるような音に何かあったのかと焦る

まさかまたレッドドラゴンが攻撃を…



【あっ!ちゃんと映った?ザザ…聞こえますか?】



まだ雑音は混じるものの

思ったより明るいアーロの声が聞こえホッとした

そしてひょこっとアーロの姿が映る

ローブが焼けたのかボロボロだ



「殿下!お怪我は…!?今の音は何ですか?現状は…!」



現状を把握する為に捲し立てると

のほほんとした声が返ってきた



【すいません、なんか水晶から雑音が聞こえるし映像も乱れていたので叩きました】



「えぇ…?」



予想外の答えになんと言ったら分からず

気の抜けた声しか出なかった

さっきの音は水晶をバンバン叩いていたのか

そんな物理的な直し方…



【魔術師は私を除いて全滅です】



衝撃的な言葉にヒュッと息が止まる

死傷者がでたかもしれない

握りこぶしに力が入る



「…が見てみる限り死者は出てませんね。怪我をしているものはいますが無事なものが治癒魔法をかけたりポーションを飲ませたりしています。騎士達も無事です。」



死者が出てない、との言葉を聞いて

止めていた息を吐く

安心したと同時に疑問に思う

レッドドラゴンが火炎息吹ファイアブレスを使ったあとでなぜそんなに落ち着いているのだろうか



「あの、殿下…レッドドラゴンは…」



【あぁ…奴は目的の場所に魔法陣を展開したあと飛び立って行きました】



詳しく聞いてみると

火炎息吹ファイアブレスが放たれる前、レオが気づくよりも早くアーロが反射リフレクションを展開したらしい

無理をして魔術師や騎士を守るよう広範囲+複数の展開を行った為不完全であり守りきれず負傷したそうだ

だが反射リフレクションのおかげで最低限の被害で済んだ


並の魔術師にそんな芸当はできないし

魔力だってすぐに枯渇する

15歳にしてこの判断力、才能があるのだろう



【あとは私の特殊能力スキルで仕掛けておいたのでこのあと役に立てば良いのですが…】



特殊能力スキル…聞いたことがありますが殿下の能力は存じません。それはどういったものでしょう?」



未知数な王族の能力は基本的に隠されている

特にひけらかすものではないという理由なので知られても問題ないのだろう

現にエドワードだけは公表されている

エドワードは真理の目(トゥルーアイズ)があり

エドワードの前では嘘や誤魔化しも見抜かれるのだ



【それは……】



アーロから話された特殊能力スキルに感嘆する

魔法なんかでは到底できない力だ



「教えてくださりありがとうございます。使いどころを間違わなければ奴の致命傷になり得るでしょう」



よかった、と笑うアーロは年相応に感じた



「さて、殿下。この後の動きについて話しましょうか」




騎士団長であるセオドアがいつも注目され

のほほんとしているアーロはまだ15歳だからと見られがちだが意外に策士

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