天敵
ミアちゃん結構お仕事頑張ってる
安全な道に出たミアは街に向かって歩く
整備された道であれば魔除けが施されている為
まず魔物に会うことは無い
安心して歩いていると自分の身体に違和感を覚える
(なんか…頭あたりムズムズする…)
とんがり帽子を外しプラチナブロンドの髪が揺れる
頭頂部に手を伸ばすと
もふり
(もふり?)
サーッと顔が青ざめ近くに流れている川へ急ぐ
頭の上にちょこんと写りこむシルエット
これは猫耳だ
ミアは獣人族で猫族だ
人とほぼ変わらない姿で猫耳と尻尾がついている
猫族が宮廷魔術師で働くことで色々な障害が(すでに嫌がらせされてるが)
あるため普段は魔力を使い隠している
魔力が封じられたことで本来の姿になってしまった
「まぁじかぁ…でも耳は帽子、尻尾はローブで隠れるから急いで家に帰ってなんとかするしかないか」
自室に戻れば色々魔具がある
一時的にミアの魔力を込めたものもあるので
魔力を封じる陣を解析し、破壊または上書きで元の状態に戻せる
持ち前の前向き精神でこれからの行動を計算し
自室に向かおうと再び歩きだそうとした
ふと気づく
自分の仕事を
魔法陣の研究と魔物討伐
それに加え国王から秘密裏に頼まれていることがある
それは王都を囲むように結界を張ることだった
今向かっている街は王都
今は結界の外だ
ミアが外に出たところで問題はないのだが1ヶ月に1度
結界に魔力を注ぐ必要がある
まんべんなく結界を張るには繊細な作業であり高度な技術が必要だ
あまり目立ちたくないミアは結界を張る仕事は内緒にしてほしいと自ら国王に提案していた
国王は快く了承してくれ今に至る
そして…今日が結界に魔力を込める日である
オリヴィアに絡まれたときちょうど向かう途中だった
先ほど持ち直した顔色が
もっと青ざめる
(まずいまずいまずい!!結界が弱まってしまう!!それに…)
結界を張る理由は2つ
1つは他国と戦争が起きたときの安全のため
ちょっとやそっとの魔法や砲撃にも軽く耐えられる
もう1つは…………
ミアの頭上から影が落ちる
とんでもなく大きな影
そしてとてつもなく大きな魔力
振り向かなくとも分かる
奴がいる
結界が弱まるのを感じてやってきたのだろう
奴はミアを見下ろす
【ほう…?魔力を感じぬから小物かと思いきや…猫族の小娘ではないか】
プレッシャーを感じ動けないでいるミア
魔力がないため抵抗する術は無い
「あら…珍しいわね、ここで出会うなんて。お家にいなくていいのかしら?レッドドラゴン」
レッドドラゴンは嗤う
【虚勢を張りおるな】
もう1つはレッドドラゴンの脅威から守るためである




