鱗
ひとまず空気が落ち着いたのでハリーはソファに腰をおろす
ハリーがいるとミアにかけられた魔法の解読は進められないので、ミアはレオが使っているテーブルに乗って丸まりしれっとレッドドラゴンについての資料を見ていた
また昼寝をすると怒られそうなので渋々だ
「それで僕は何を手伝えばよいでしょうか?」
ハリーは本題を切り出す
研究を手伝ってほしいと聞いていたが詳しい内容までは把握していない
基本的に魔術師同士でどの研究をやっているなど共有していないというのもある
魔術師達は癖が強いものも多くあまり馴れ合いはしない
女性は集まることはあるようだが基本的に1人で行動するものも多く、難しい研究の時は複数でというのがたまにあるくらいだ
ミアは常に1人で行動しておりたまたまレオがその研究を目撃し興味を持ったため2人で始めたのだ
ミアの研究室を訪れるのが複数回目撃され、一緒に研究しているのでは?と噂されていた
しかし今回ミアが猫になってしまい研究はレオ1人
表向きにはミアは魔力が戻り研究室に篭っていることになっている
レオがハリーを呼び出したのはミアとの共同研究についてかと思っていたがミア本人がいない
ハリーは疑問に思いながら問いかけたのだ
「ノースは別件を任せているのでこの件は俺とスコットで引き継ぐ。
内容は結界を張るための人工クリスタルの開発だ」
「えっ……」
ハリーの呼吸が瞬間止まった
「ほ、本気ですか?クリスタルって、あのクリスタル?人工で作れるものなのですか?天然のものでさえほとんど見つけられない、とても貴重な…!」
ハリーは動揺し震えた
それもそのはず、クリスタルは魔力の増幅や安定した結界を張るのに優れている貴重なもの
小石サイズのものは見つかるものの魔具として加工されるのみで使いみちはない
たくさん集めて1つに、と試みるも成功したケースはない
結界を張れるレベルだと人の頭サイズ以上、もし王都を覆うのであれば成人男性1人分の大きさが必要である
そんなサイズの天然ものはほぼ見つけられず世界に3つしか発見されていない
自国ではそのようなクリスタルは管理しておらず、他国も貴重なものを見せるような真似をしないため
自国の者は誰も現物を見たことがないだろう
それを作るというのだからとても無謀なことだと誰だって分かる
「無謀だと思うだろう。俺もはじめはそう思った。だがこれを作ることができればレッドドラゴンに悩まされたりしないんだ」
「鱗ですか…」
「あぁ」
王都は結界に覆われている
クリスタルはない
では何を使って結界を張っているか
それはレッドドラゴンの鱗である
この国の初代国王が当時の優秀な宮廷魔術師を使いレッドドラゴンと戦ったという話がある
その際倒すことはできなかったが戦いの中でレッドドラゴンの身体を傷つけた
レッドドラゴンが逃げ帰った後、その時に落ちた鱗を持ち帰った
どうやら鱗は1枚1枚に協力な防御魔法があり宮廷魔術師が魔法を重ねて改良
クリスタルのような結界を張ることができた
ただし無尽蔵なクリスタルと違い月に1度魔力を込めなければ維持できないものである
しかし魔力を込めれば強力なもので、自身の鱗を取り返すべくレッドドラゴンが王都へ攻撃しても傷1つつけることができない
他国の攻撃も阻むことができるが同時にレッドドラゴンとの長い戦いが始まってしまったのだ
「その鱗に代わる人工クリスタルが必要なのだ」
真面目な回




