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05.第二島へ

ショウさんがウサさんに会いに行きます。

歓楽街や繁華街の多い第三島から、省庁や研究施設の多い第二島へ


宵の口、陽の光は絞られて、街角に暗がりが現れる。

派手なネオンが点き、通りに人があふれ、第三島が活気付いてくる時間。


ショウ(わたし)は東西方向のコムウェイに乗り替えて、第二島に向かう。

この時間、第三島に遊びに行く人はいても、第三島から第二島に行く人は少ない。

車内の人影は(まば)らで、モーターの駆動音だけが規則正しく車内に響いている。

やがて軌道路は第三島を抜け、第二島との間の窓の上に出る。

全幅3キロちょっとの『窓』の上を進む。

遠くから見れば、光る車窓の列が(そら)を走っているようにも見えるだろう。

居住区間の呼び名『島』にかけて『海』って呼ぶ人もいるけど、今このシチュエーションだと『海』の方がしっくりくるのかもしれない。


車窓に映る自分の姿をチェックする。

格好、変じゃないかな。

昨夜(ゆうべ)、悩みまくって決めた、ネイビーのスネ丈スカートとライトイエローのカットソー。

髪は、あんまりキメキメなのも恥ずかしいから、簡単に後ろでまとめただけ。

ポイントカラー入ってるけど、これくらいなら派手じゃないよね。


姿見代わりに窓をのぞき込むショウの向こうを、第三島の歓楽街が遠ざかってゆく。

さらにその向こうには、高層の星付きホテルが並んでいる。

あの高級ホテルにいるっていう『最上級のコールガール』とか『何にでも応えてくれる美形の男娼』とかいうのはホントなのかな?

やれ、お忍びで来た大富豪に見初められて見受けされただの、通うのが大変だからってホテルごと買い取られただの。ウワサだけは色々流れてくる。


ウワサといえば、二つ上のルウ先輩も第三島で働いてるらしい。

顔も、スタイルも、性格も、何もかもトップ。

同じコーカソイド系だったから比べられて、ウサの上位種とか言われていたっけ。

あのくらい超絶美形だったら、ホテルお抱えでもおかしくないかもなぁ。


「次は~第二島中央南。第二島中央南でございます。お忘れ物の無いよう、お気を付けください」

「おっと」社内アナウンスで我に返る。

「さっ。デート、デート」

このふわふわウキウキした気分は、西に向かうコムウェイで1G未満だから、だけじゃないはず。

同居人にも、今日は遅くなる(ひょっとしたら泊りかも)って言ってある。

ああ、目くるめく長い夜の予感。(キャ~♪)


第二島。なついわ~

人、多っ。

時間は、、ちょうど約束の時間だけど、ウサは遅刻魔だからなぁ

「まあ、そのうち来るでしょ」

クセで喫煙所を探してしまうけど、思いとどまる。

「デートだった。何があるかわからないしね」ミントタブレットを口に放り込む。

と、後ろから声が聞こえる。

「居た居た。ショコちゃ~ん」声で判る。ウサだ。


ウサだけがショウ(わたし)を『ショコ』って呼ぶ。はじめは『ショウコ』だったんだけど、いつの間にか『ショコ』になってた。理由は訊いてない。でもなんか、二人だけの特別っぽくて良い。

振り返って「ウサ!久しぶ・・・り」


目を疑う。

え、ジャージ?

ジャージとパーカー??

「おつかれ~。ショコちゃんも仕事帰りなんでしょ?」

「え?ああ、、うん」

「ごめんね~、急に呼び出しちゃって。とりあえず、どっか入ろうか?」

「あ、そうね」どこか、雰囲気の良いバーとか…

「こことか、どうかな?」

「!」ウサの指の先には、チェーンのファミレス。


ここにきて私は悟った。

今夜は、、、目くるめ(・・・・)かない


文中、「西向きのコムウェイで1Gを切っている」という表現について。

東西方向の線はコロニーの自転速度を相殺したり上乗せしたりしてしまうので、車内は疑似重力的な遠心力が変化します。西向きは弱くなって軽い感じ、東向きは強くなって重くなる感じです。

あまり1Gからかけ離れても困るので、南北方向の線より速度は抑えめになってます。

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