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04.パブスナック「シュガー」

天地(アマチ)には、歓楽街もあります。

その一角でのおはなし

ショウ(わたし)は水割りを作りながら、客の話に感心してるフリ(●●●●●●)をする。

天地(アマチ)ってさ、地球から離れてるけど切り離せてはいない、と思うんだよね」


接客(おしごと)に身が入らないのは別に理由があるのだけど、とりあえずこの場が『フリ』で良いのは、その客が話している相手が私じゃなくて隣で盛んに相槌を打っているいる()だから。

「え~。どういう意味ですかぁ」(がんばれ、チーちゃん。この分だとアフターも取れそうだぞ)

(こりゃ今回、私はサポートだけだな~)


客は続ける「だって、エネルギー以外はほとんど輸入でしょ?」

私は心の中でツッコむ(そりゃそうだ、恒星間飛行する船じゃあるまいし)

隣のチーちゃんは唇を可愛く尖らせて反論してみせる。

「え~。でも地球(テラ)にだって、そういう国ありますよねぇ」

客ににじり寄って、大きく開いた胸元を強調するのも忘れない。


チーちゃんの谷間をチラ見した客の視線は宙を泳ぎ、慌てて水割りをあおる(あら?意外とウブな反応)

「そっ、その通り!

だから、天地(アマチ)は、地上の国がチョット大気圏から飛び出したくらいの位置づけだと思うんだよね」

(チョットって兄さん、ここL4ぞ?)

「なるほどー。それで『切り離されてない』なんですね~」(チーちゃん、、、ガンバレ)

「ありがと~ございました~」

(くだん)の客は、チーちゃんを伴って店を出ていった。(チーちゃん、がんばった甲斐があったね)

ヤレヤレと見送った後、テーブルの上を片付けていると、もう一人のサポート役の()も手伝いに来た。

「おつかれ~」「おつ~」

「いや、マジで、つっまんないハナシだったね~」「ホント、ホント」

「最初一瞬、イイ男かと思ったんだけどな」「え、なに?ショウちゃん、あーゆーのが好みなの?」

「だから、一瞬よ?一瞬!」

「見た目は置いといても、L4くんだりまで女遊びに来ておいて、その国の批判を語って聞かせるとか、どうなの?」

「あ~、それは確かに無いね~」


ふと、あの客の言ってたことを思い返す。

各種資源(特に食料)が、ほとんど輸入なのはホントだし、そんなに間違ってないんだろう。

本人としては、批評のつもりですら無かったのかもしれない。

でもここは歓楽街、第三島。聞いてる側は、言葉の裏に『俺たちが金を落としてるんだ』を敏感に聞き取る。


今は聞かなくなったけど、その昔天地(アマチ)は『ピンコロ』って呼ばれてたらしい。

ピンクコロニーの略らしいけど、性サービス産業をピンクと表現する古さよ。

「だっさ」誰に言うともなしにつぶやく


時間だ。

今日のお仕事、終了。

フロアマネージャに声を掛けて、奥に下がる。

更衣室で着替えながら、接客(おしごと)モードから素の自分に戻る。


仕事でのアレコレは更衣室(ここ)に置いていこう。

今日はデート!

元カノから「会って話がしたい」って連絡来たら、期待しちゃうよね。

もう、それはもうデートでしょ。

高校(ハイスクール)以来だから、5年ぶりくらい?


ウサ。きっといい女になってる。

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