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デートへのお誘い

「遊園地でデートしないか」


学校帰りの帰り道、突然、元就は申し出た。


「ええええええええええええええええええええ!」


驚いてみせたのは天音だった。


「ちょっと、天音ちゃん、それ、私がするリアクションだよ?」


「だってさ。二人が、彼氏彼女の関係になるってことでしょ?」


「気が早いってば。私、まだ、何も返事してないし」


「でも付き合うんでしょ?」


「なんでそうなる……!」


琥珀は、男である自分が天音のリズムに翻弄されてではあるが、ガールズトークっぽいふるまいを演じることができていることに驚いていた。


「まあまあ、二人とも。本当に付き合おうって言ってるわけじゃないさ」


「どういうこと?」


「要するに、虎尾さんは、佐藤くんからのアプローチに困っているってわけだろ?」


「そ、それは島野くんの考えすぎだよ。握手したときにちょっとドキドキしてそうだっただけで。勝手に相手の考えてることをこうだって決めつけて、一方的に非難したら、それは、佐藤君に失礼だよ?」


「でも、佐藤くんは君とお付き合いしたいって考えているよ」


「本人がそう言ってたの?」


「心の声がね」


琥珀は、元就が相手の心を読めることを知らない。


だから、琥珀は、元就も、彼の態度を見て判断したのだと早合点し、深くは追求しなかった。


「俺たちが付き合ってるっていう写真を撮れば、あいつもあきらめるよ」


「つまりは、彼にあきらめさせるために一枚の写真を撮るための偽装デートってこと?」


「そういうこと」


「ちょっとやりすぎなんじゃないかなあ」


「君は無防備すぎるよ。あいつがどんなに内心とんでもないオオカミ野郎なのかを知らない」


元就は、琥珀のことを本気で心配していた。


なぜなら、律の頭の中はあまりにもピンク色すぎたのである。


元就が、授業中に心を読むたびに彼は普通は大人がするような夜の営みの数々を琥珀とすることを常に妄想していた。


あまりにもの発情ぶりに元就はドン引きしていた。


「でも、僕…私から見たら、俺の女だとか突然言い出す元就くんの方がオオカミだよ」


うさぎの亡霊に憑かれた子うさぎは震えていた。


「わかった。じゃあ、私もデートについていこう?」


天音は割り込んだ。


「写真を撮るのが目的のデートなんだったら、別に写真に私が写りさえしなければついていってもいいでしょ?それに、同伴する大人も男女2人きりよりは3人の方が安心するって」

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