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鎌倉千一夜  作者: Kamakura Betty
94/164

第94夜 玄冬の借景

青春の夢はあくまでも遠く

それでも何の迷いもなく

上塗りを繰り返し

小走りに可能性をノックし続けた


朱夏の恋は微塵も疑うことなく

相手だけを見つめ続けた

それはファインダーを覗くかのように

不要なものを全て排除しながら


白秋の皺は涙の通路として

幾度も幾度も潤乾を繰り返した

時に体躯の悲鳴

時に別れの嗚咽とともに


玄冬の眺めはひたすら明瞭

苔蒸した庵縁からの借景は

老梅に淡雪の花

冴月に凍星の煌めきか


**************


『鎌倉千一夜』は打坐の邪念を言葉に乗せ露わにするものです。

朧な兆しを手繰り寄せるように、湧出するあれこれを只管留めます。

不完全、不躾、未熟、非礼…、ひとまずご容赦願います。


Kamakura Betty


https://fkan.blogspot.com



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