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第74夜 豊潤の実
青い実は熟しやがて摘み取られる
摘み取られなかったものは落実し異臭とともに変色しやがて朽ちる
摘み取られた果実は丁重に納められ
熟成を待つ
ゆっくりと芳香を放ち絶頂に向かう
絶頂に達したものは朽ちない
年月とともに磨きがかかり
拝むこと触れることすら叶わない高みで
あらゆるものたちの妄想を掻き立てる
摘むとは選択
納めるとは束縛
受動の中で豊潤は成る
侵されることなく
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『鎌倉千一夜』は打坐の邪念を言葉に乗せ露わにするものです。
朧な兆しを手繰り寄せるように、湧出するあれこれを只管留めます。
不完全、不躾、未熟、非礼…、ひとまずご容赦願います。
Kamakura Betty
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