表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鎌倉千一夜  作者: Kamakura Betty
72/164

第72夜 手紙を書け

 あなたはとっ散らかっている。話していても支離滅裂じゃないか。自分の権利、被害妄想、無気力、いつもそれを繰り返す。まるで封をしたガラス瓶の中でいくつか混ぜられたナッツのように湿気った顔して収まっている。外に出て新たな芽を出せばいいものを、隣に接する存在にやれ近づくなだのあっちへ行けだの、自ら小さな狭い方へ閉じこもっていく。

何がしたい、どうなりたい、どうして欲しい? それすら見失ってはいないか? 


あなたはあなたであなたは

あなたにしかわらない。

あなたのとなりのあなたも

あなたにはわからない。

あなたはあなたをしる

あなたでなくてはいけない。


まずはそれをしっかり肝に銘じること。


 頭の中ではぐるぐる巡ってしまうから、何かに留めてみよ。デバイスでも紙でもなんでもいい。誰かに手紙を書け。きっと最初の一文字から迷うだろう。でも打ち書き出すんだ。


おまえのせいだ。

自分はちゃんとやっていた。

あのときおまえがあんなことをしたから。


文字が自分に向かって迫ってくる。自分が打ち書いた文字なのに、自分の心の露呈なのに、その文字列は他人事のように連なっていく。その調子だ。自分とは違う存在が動き始めたのだ。湿気った自分ではないアバターが外へ出て動き出したのだ。さあ、次の文字を打ち書け。アバターは生き生きと歩き回り、やがて走り出す。まだ見ぬ世界へ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ