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鎌倉千一夜  作者: Kamakura Betty
58/164

第58夜 車窓のバレリーナ

7:45大船通過

澄み切った青い空に引かれたデッサンの一筆のように

柏尾川にかかる電線に一羽の白鷺

プリマドンナの如き凛然

哲人の如き泰然

群れなき独尊

宙に屹立する気高き唯我


18:52 戸塚通過

いつも気になるバレエ教室らしき窓に少女

高く伸ばした腕 

ニュアンスある指

滑らかな背筋 

その曲線の延長の脚が輪を作る

薄暮に出現した印象派絵画


推定2:30レムスリープ

ショパン プレリュードNo15

人が見当たらない海沿いの住宅地

日に焼けたレースのカーテン

中には背の高い枯れた観葉植物

蔦が覆う門柱の表札

記憶すら余韻もなく葬り去られ

ひとり彷徨う


推定4:00ノンレムスリープ

再生治療の幹細胞が軋む関節内で分化する

軟骨は再生され

癒着した関節が動き出す

明朝の第一歩はこちら側の足から踏み出そう

何年ぶりだ

そしてあの鷺やバレリーナのように

未来へと望みを抱くのだ

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