表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鎌倉千一夜  作者: Kamakura Betty
38/164

第38夜 新たな台本

時は残酷ね

いつしかヒロインの友だち役

次は同じ職場の同僚

最近は遺影よ、遺影

私ちゃんと生きてるのに


あの頃の私は輝いてた

恥じらっても

わがまましても

気まぐれでも

膨れっ面すら可愛いって言われた


現場は私のリビングだった

いろんな人が来てくれて

出番の合間はインタビューや番宣収録

みんなが私を求めてた

みんなが私のこと見てた


それなのに人は勝手よ

昔は良かった

最近は演技がくどいだなんて

好き勝手言ってくれちゃって

余計なお世話よ


あの頃のイメージを手放せなくて

髪型は変えることができないの

これが私なんだもの

みんなこの私が好きなんだもの…


初心忘るべからず

昨日読んだ先達の花伝書にそうあった

どんな世代にも忘れちゃいけない

初心があるんだって


そうよ私は演じる人生を選んだんだもの

決して見られるためなんかじゃない

こんな私でも誰かの心を温められるわ

絶望の穴ぐらに

こっちこっちって

ちっちゃいけど光を届けられるかもしれないわ


髪を切ることもためらってきたけど

今こそが綺麗なの

だってこんなにも人に優しくできるんだもの

私、髪を切ります

私はこの役から生まれ変わります

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ