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鎌倉千一夜  作者: Kamakura Betty
134/139

第134夜 8月の雑木林

枯渇した黄土に影を落としつつ

南西の厳光に対峙する

それでもたまに来るそよ風に僅かに葉を揺らし

ますますその大きさを顕示する


地中深く広く根を張り自らを維持する

何ものの手も借りず落葉を積み上げ

慈雨を溜め込む節制と理性

枝葉を伸長させる堅牢と柔軟


厳光に対峙することもなく影に逃げ込み

それでも地上の頂点を謳う者の笑止

ひとたまりもない淡雪の如き身に

奇跡の青球を託されるべき資格は備わるのか


星雲の片隅で瞬きする容赦ない灼熱

知恵という名の水鉄砲でもって

地上の焼石に

一瞬の湯気を立ち昇らせるだけの虚無


かつての村は森となり

かつての森は開かれる

かろうじて残った道は

かなたまで土埃を上げる


地平線の陽炎に森を見る

幹は朧ながらも180度広がる頂葉たちは

入道雲さながら増殖し

鼓動しながら我と距離を保つ

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