第91話 内通者は誰だ¬!?
おはようございます!
早起きできたので朝に投稿させていただきます。
ぜひ、暇な時に見ていただけたら嬉しいです♪
よろしくお願いします^ ^
月城はその静かな中、呟くように言った。
「彼女は碓氷国時化.Eのことを良く知っているはず。それなのにあまり多くを語ろうとしないんだ。
私が何を知っているのか尋ねても、あの謳い文句をポツリと言うだけで……。
とにかく様子がおかしかった。
今思い返せば、あれはエヴァンディール計画がいよいよ実行されようとしているのだと、それを伝えに来てくれたのかもしれない」
「センセイ、彼女ってのはもしかして……」
クリオネが言いかけたその時、急に服のポケットが振動を始めたことに気がついた。
随分タイミングの悪い電話だ。
「ちょっと失礼」
誰からの着信なのか。
ポケットの中にある携帯を取り出し、確認するクリオネ。
画面には見知った番号が表示されていた。
クリオネはその場で通話ボタンを押すと開口一番、不満を漏らす。
「ねえ、今いいところなのにさ! どうしたの?」
「どうもこうもない! さっきからずっと呼んでいるのに返事がないから、こっちにかけてみたんだ。悪いがすぐに調べてほしいことがある」
電話の相手はユキトだった。
この家に来てから無線通信機を切っていたので、返事がないのは仕方がないとクリオネは思う。
ユキトはそれに苛立っていたのだろう。
いつもより一段と不機嫌そうな声を出しているのだ。
「無茶言うなぁ。で、オレに何を調べてほしいのさ」
相変わらずのユキトにやれやれといった様子でクリオネは尋ねた。
「テロメアと、ヤヨイの家に来た。部屋に入ったまでは良かったんだが……段ボールに入った資料がない。
ヤヨイが失踪した翌日の朝までは確かにあったはずなんだがな」
「ないって? オレ、実は今その送り主と話してる最中なんだけど」
「送り主……見つかったのか!?」
「まあね。
それはまた後で話すよ。資料の内容は大体聞いたし。
やっぱりエヴァンディール計画について書かれた資料だったみたい」
「そうか。ならきっとテロメアの後にこの部屋に入り資料を持ち去ったであろう人物、そいつが内通者で間違いない」
「部屋に誰か入った形跡でもあった?」
「ああ。
あのマンションのシステム上、ヤヨイの関係者なら比較的簡単に部屋へ入ることができる。なにせヤヨイ自体が今、それを了承も拒否もできない状況にいるからな」
「関係者、ね。
それならキーラボにいる内通者が資料を持ち逃げしたと考えるのが妥当か。確かあそこってすごい噴水があって、管理ロボットがいるマンションだっけ?」
電話越しのユキトが一瞬、ピタッと止まったかのように無言になる。
「おまえが何でそれを知っているんだ。
まさか、ヤヨイの家に行ったことでもあるのか……?」
『やだなぁ。最初にも言ったけど、ヤヨイサンにはGPS持たせてたんだから自宅の場所くらい分かるよ』
クリオネはそうと言おうとしてやめた。
せっかくの情報提供者との会話を中断されたんだ、腹いせに少しくらいからかってやろうか。
それに……こう答えた方が面白そうだ。
「そりゃあ、身も心も結ばれた超濃厚なパートナーだからねぇ」
ニヤニヤと笑いながら、ユキトの次の言葉を待つ。
「……この腐れ野郎」
ボソッととんでもない暴言を吐くユキト。
今、ユキトがどんな顔をしているのか想像できる。
クリオネはそれがまた可笑しくて堪らない。
「ふふっ。冗談だよ。
あのマンションで使ってる管理ロボットの識別ナンバーを教えて。ナンバーから辿ればヤヨイサンの部屋を録画したデータが出てくるはず。
もしそこによく知る人物が映っていたら……ソイツが内通者だ。ユキトくんの調べてほしいことってソレだよね?」
「……識別ナンバーはHX:2356だ。後は知らん」
ぶっきらぼうにそう答えたユキトをクリオネがさらに茶化した。
「あれぇ、ユキトくん。もしかしてイジケちゃった?」
「うるさい、黙れ。分かったら早く調べろ」
「へーい。ご依頼通りに」
クリオネはそそくさと電話を切る。
これ以上からかってしまったら、なんだか面倒くさいことになりそうだ。
「月城センセイ、申し訳ない。どうしても急用が入ってしまった。
センセイが風間ヤヨイに送った資料、ユーゼンの人間に盗られてしまったようなんだ。
誰がそんなことしたのか、これから突き止めに行かなくちゃ」
月城に向き直るとクリオネはそう告げた。
月城はわずかに眉毛を上げて驚く。
「資料が……?
分かった、君には内容を殆ど話してはいるが……。もし必要であればコピーを用意させよう」
クリオネは首を横に降り、自分の頭を指差す。
「いいや、もうここに入ったから大丈夫。そんなヤバい内容の資料なんて持ち歩いてたら、なんか危なそうだし!」
月城はそれを聞いてまた豪快に笑った。
「はっはっはっは! そうか。若いというのは実に羨ましい」
「そーゆーこと! じゃあ、また何か分かったら情報提供お願いね。センセイ」
クリオネはソファから立ち上がる。
月城も同様に、横に置いていた杖を使いゆっくりと立ち上がる。
「本当に気をつけたまえ。ユーゼンは危険だ。慎重に行動するんだぞ」
中年男性に支えられクリオネを玄関まで見送る月城は、最後に硬い顔をして忠告した。
月城の心配をよそに、クリオネはフッと笑いながら家を出てゆく。
「大丈夫。久しぶりの大仕事だ。
オレにしては珍しく慎重だよ」
月城の自宅を出た後、アクアリウムまで戻ってきたクリオネは電気のスイッチを入れる。
両側の壁を埋めるかのようにびっしりと置かれた水槽。
それらは薄暗い電球に照らされ、ぼんやりと輪郭を浮かび上がらせた。
クリオネは上着の懐から茶封筒を取り出すと、近くにあったコンテナボックスの上に放り投げる。
ドンッ、バサバサッ。
勢い余って茶封筒の中から溢れる大量の札束。
水槽の中にいる熱帯魚たちだけが、はっきりと茶封筒の中身を見ていたのだった。
いつも読んで頂きありがとうございます^ ^
感想もありがとうございます!!
おっと、今、内通者の名前をここに打ち込みそうになって慌てて消しましたwwww
まだ寝ぼけてるのかもしれません……笑
ここから個人的にずっと書きたいなぁと思っていた部分に入るので頑張りポイントです……_:(´ཀ`」 ∠):
上手く書けるか分かりませんが、お付き合いいただけたらとても嬉しいです。
何卒よろしくお願いします!!




