表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/164

第76話 天地創造、ノアの方舟、そして……

こんにちは^ ^


また投稿させていただきました。

書くのに苦戦しましたが、何とか今日の分が書けてホッとしています笑


ぜひ暇な時に見ていただけたら嬉しいです♪

よろしくお願いします!!



 「さて、どこから話そうかしら。

 あなたは世界で一番売れている本は何か知ってる?」


 研究員が去った後で女性に案内され、マオはある部屋までやって来た。

 部屋の中ではおびただしい数の試験管と睨めっこしている研究員たちがいる。


 その集中力にマオは正直なところ圧倒されていた。

 女性曰く、ここがプランBルームという研究室らしい。


 「売れている本……と言えば聖書ですか?」


 どぎまぎしながら答えを出すマオに女性はコクリと頷く。


 「ええ、その通り。

 聖書によれば神様は7日で世界をつくった。


 1日目に天と地をつくり、光を生み出して昼と夜を分ける。2日目に空を、3日目には大地をつくり海や植物が生まれた。太陽と月と星は4日目につくられ、5日目は魚と鳥。


 なら6日目には何が出来たと思う?」


 「地上の動物や……人間…………?」


 「そう。それが天地創造。

 7日目に神様は休んだらしいけど、私たちに休日なんてない。でも行き着く先は同じ」


 女性はため息をひとつこぼし続けた。


 「こうして神様につくられた人間たちは次第に堕落していき、とうとう神様の怒りに触れる。神様は地上に大洪水を起こして人間たちを一掃しようと考えたの。けれどその中でノアという人物だけは唯一、清く正しい人間だった。だから神様はノアにこう告げる。


 『まもなく地上で大洪水を起こす。今から命じた通りの方舟をつくり、それにノアの家族や地上のあらゆる動物たちをつがいで乗せなさい。そうすれば命を守ると約束する』と。


 ノアは神様と契約を交わした」


 「ノアの方舟、ですか……」


 「ええ。

 ノアは約束通りの方舟をつくった後、自分の家族と地上のあらゆる動物たちをつがいで方舟に乗せる。それを確認した神様はついに地上に40日間、大雨を降らせ大洪水を起こした。


 地上にいた人間たちは全員死に絶え、生き延びることができたのは方舟の中にいたノアとその家族たち、そしてつがいの動物たちだけ。


 その後、地上からは水が引いてノアの家族や動物たちが降り立つ。ノアは神様との約束を守った。


 神様はノアにもう二度と洪水を起こさないと誓い、契約の証として空に虹をかける」

 

 天地創造とノアの方舟、聞いたことがある話だ。

 どこで聞いたかは覚えていないが有名な話なので自然と耳にする機会があったのだろう。


 マオは女性の話が一区切りついたのを見計らい、ある疑問を投げかけた。


 「聖書とユーゼンにはどんな関係があるんですか?」


 女性はただ淡々と答える。


 「ヨシミ所長はこの筋書きと同じことをしようと考えている。それがエヴァンディール計画……。

 私はその計画にあなたを引き入れる為、声をかけたの。


 もうひとつ、ヨハネの黙示録は知っているかしら」


 「アポカリプス……聞いたことがあります。


 ヨハネという人物が神様に見せてもらった世界終末の時を書いた書物。


 そしてヨハネの名前は……ヨハネはエヴァンとも置き換えることができる……。


 まさか…………」


 バラバラだったパズルのピースが少しずつ繋がっていくように、マオの頭にはあるひとつの最悪なシナリオが描かれてゆく。

 

 「もう答えは出たんじゃない?

 天地創造とノアの方舟。

 そしてヨハネの黙示録。


 エヴァンディール計画とは『世界終末の契約』


 計画の先には決して覆ることのない、世界最後の日が待ち構えてる。


 このプランBルームではその時、『方舟』に乗る資格がある人間を選んでいるの。いつか神様が起こした大洪水のように、約束された『世界終末の日』に備えてね……。


 ここにいる研究員たちはノア。

 但し助かるかどうかは保証されていない。


 それでもヨシミ所長という狂った神様から与えられた役割を、みんな全うしようとしている」

 

 「じゃ……、じゃあ天地創造は?」


 マオは震え声を出す。


 とても信じ難い話だった。

 信じなさいと言う方がどうかしてる。


 しかしサカキのデスクで『エヴァンディール計画』という文字を目にしている以上、信じないわけにもいかない。


 「天地創造はプランAが担う筋書き。

 彼らは『6日目』を延々と繰り返してるわ。


 私たちは神様のようにたった1日で人間なんて作れるわけじゃないから」


 「………………つまり、天地創造と同じくプランAでは人間を作ろうとしている。そういうということ、ですか?」


 「正確には新人類ね。

 人間さながらのAIロボット……いえ、完成度はもうロボットと呼べるかも分からない。


 Eフロアで進めている天地創造のプランA、ノアの方舟のプランBが存在して初めてエヴァンディール計画は成立する」


 「そんな……そんな話って……!

 だって新人類をつくったところで、ユーゼンは世界をどうするつもりなんですか!?


 ヨシミ所長が大洪水でも起こして終わらせるつもりですか?

 

 『方舟』って……人間を選ぶって……。

 じゃあ選ばれなかった人たちは……?


 こんなおかしな計画に関わって……あなたも、ここにいる皆さんも、なぜ平然としているんです?」


 疑問が波のように押し寄せる。

 マオは抑えきれず溢れ出たものを女性へ全てぶつけた。


 「まぁ、少し落ち着きなさい。

 質問攻めは好きじゃないと言ったはずよ」


 声を荒らげることもなく、まるで夜の凪のように女性は言う。それからマオに近づくと、その小さな口めがけて何かを投げ入れたのだ。


 コロン。


 「んぐ……!」


 マオの舌上に何かころっとしたものが飛び込んだ瞬間、口の中に甘いイチゴの味が広がる。


 飴玉だ。

 理解するのにそう時間はかからなかった。


 条件反射なのか、マオは思わず口の中で飴玉を転がして味を楽しんでしまう。


 「どう、美味しい?」


 「いえ、あの……美味しいですけど……!!」


 でも今はそんな場合ではない。

 この女性と話していると、どうも調子が狂ってしまうな。


 困ったような表情を浮かべつつもマオは飴玉を舐め続ける。

 

 それを見た女性の表情が少しだけ、ほんの少しだけだが柔らかくなった。


 「そういえば、まだあなたの名前を聞いていませんでした。聞いてもいいですか?」


 マオが名前を尋ねると女性は少し迷ってからこう答える。

 

 「…………イオリ。そう呼んでもらって構わない」


 「イオリ、さん。私はこれからここで何をすれば良いんでしょう?」


 イオリは無感情な瞳を真っ直ぐマオに向けた。


 「あなたが()()()()何かをしたとしても状況はもう変わらない。そして私たちも計画に支障をきたすようなミスをすれば即、処理場行き。


 私はエヴァンディール計画に引き入れるべく、これまで何人もの人物に声をかけた。サカキにも……。


 ヨシミ所長に何とか進言してサカキを幹部にまで押し上げた。


 いつか誰かの手によって、このふざけた環境が変わることを信じてたの。

 ぜんぶ人任せ、馬鹿みたいでしょう?


 でも私にはこれしか思いつかなかった。


 私が声をかけた全員はもう、処理場に行ってしまったわ。ナバタメくんの手によって。


 私の思惑は何度も、何度も彼に潰された。

 サカキとナバタメくんの確執も……早くから把握していればこんなことにならなかったのかもしれない。


 全くもってどうしようもない環境にあなたを呼んだのはね……あなたが唯一、この計画を止められる人物なのかもしれないと思ったから」


 「私が……?」


 「全ての鍵を握るのはあなたよ…………マオ」



 『マオ』と。イオリは今、確かにそう呼んだ。





いつも読んでいただき、また応援や感想をありがとうございます!

本当に感謝です。゜(゜´Д`゜)゜。


今日は久しぶりのゆっくりしたお休み♪

外も涼しくなったし最高ですね(´∀`=)


ついに明かされたエヴァンディール計画の詳細……。

大変長らくお待たせして申し訳ありません……。


頑張って続きを書いていきたいと思いますので、またよろしくお願いします!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ