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第62話 研究記録上の人物B

お久しぶりです。

また本日も投稿させていただきます。


遅くなってしまい申し訳ありませんm(_ _)m




 再び管理センターの扉を開けたマオの顔に熱気が纏わりつく。


 「暑いっ……。

 ユキトさん、どうなってるんですか!?」


 目の前に複数台のPCを置き、白衣を脱ぎ捨て、額にうっすら汗を浮かべながらユキトは部屋の中央を睨んでいた。


 そこにあるのはかなりの勢いで回転している大きな球体、情報を管理しているAI本体だ。


 「この方法だと処理速度は格段に速くなるんだが、代わりにPCがとてつもなく熱くなる。


 冷却装置を用意しておくべきだった」


 マオがどういうことかと話を聞くと、ユキトはどうにかして管理センターのデータ復元処理速度を上げたようだ。そのせいで管理センターの要であるAI本体と側に置かれた複数のPCにはかなり負担がかかっているらしい。


 「前回とは違う方法で試してみたんだが、これ以上は無理だな。少し管理センターを休ませよう」


 ユキトは立ち上がるとPCに繋がれているケーブルを端から順に抜いていく。


 その時、プシューという音がして一台のPCから煙が上がった。


 「ユキトさん!!

 大変!

 火事、火事です!!」


 マオは自分の白衣を脱ぎ、それで煙を消そうと試みる。


 ダメだ、消えない。


 「どけっ!」


 ユキトはPCに繋がれたケーブルを外し、手に持っていたペットボトルからPCめがけて勢いよく水を振りかけた。


 煙はそれで消えたものの、部屋には焦げ臭さが若干残っている。

 さらに言うとPCが完全に水浸しだ。

 この状態でまた使えるかと言われれば疑問である。


 「よし、煙は消えたな。

 まぁ……これでなんとか大丈夫だろう」


 「いや、全然大丈夫じゃないですよ!!

 どうするんですか、これ!?」


 マオに言われてユキトは困り顔でポリポリと頭を掻いた。


 「さぁな、どうしたものか……」


 「ユキトさん、もしかして前に一台何十万もするPCを5台もダメにした理由って……」


 「……今見てもらった通りだな」


 淡々とユキトが言う。


 「同じことやっちゃったんじゃないですか!」


 「違う、前回とは別の方法だ。

 結果が同じになっただけで……」


 「それじゃあやっぱり同じじゃないですか!」


 ヒートアップするマオたちとは対照的に部屋の温度は段々と下がってきている。


 管理センターのシステムが重労働から解放されて落ち着き始めているのだろう。

 

 「とにかく!

 これでカイ所長が隠していたUSBメモリの中身が見れるんだ。


 後のことは見てから考えればいい。


 前回は5台ダメにしたが、今回は1台で済んだ。

まだマシな方だろう?」


 いや、そういう問題ではない!

 喉元までそう出かかったがマオだが、これ以上言い争っても仕方がないと思い言葉を飲み込んだ。


 「それで、カイ所長の研究記録は見れたんですか?」


 「まだ俺も見ていない」


 ユキトはキーボードをカタカタ言わせて管理センターの大きなモニターと自分のPC画面を共有した。


 「もしこの記録の中にカイ所長が内通者だという証拠があれば……俺は取引を持ちかけようかと思う」


 「取引、ですか」


 「そうだ。

 あくまで推測に過ぎないが、カイ所長が医療業界から去った理由とこの研究記録は何らかの関連がある」


 「記録を見ていないのになぜそう言えるんですか?」


 「コソコソとこんな記録を作ってるんだ。

 疑いたくもなるだろう」


 マオの疑問にユキトはそれだけ答えるとモニターをじっと見つめる。


 モニターには『sideB 研究記録』と『sideA 研究記録』が交互に映し出されていた。


 開かれた日付や時刻までもがこと細かく記載されている。


 「これがカイ所長のPCでUSBを使った記録と内容を復元したデータだ」


 「この2つって遅い時間に、必ず交互に開かれていますね。しかも同じ日に。何か規則性があるんでしょうか?」


 「さあな。このデータを所長が記録するようになったのは2年前からのようだが。中のデータも確認してみよう」


 ユキトはまず『sideA 研究記録』と名付けられたデータをクリックした。


 一番古い日付のものだ。


 『side A 研究記録


 君は私を恨んでいるだろうか。

自分でも本当に申し訳ないことをしたと思っている。


 だが私はいたずらに自然の摂理に反した行動を取ったわけではない。


 もし私に何かあった時は君が頼りだ。

その時は私の分までこの研究記録を残し続けてほしい。


 君が見たこと、聞いたこと、感じたこと。

 それらを全てここに吐き出してしまえばいいんだ。


 君は確かに存在しているのだから』


 「何でしょう……これ?

研究記録というより、まるで日記のような……」


 「一体、誰に宛てて書いたものなんだ!?」


 マオとユキトは次に同じ日に開かれた『sideB研究記録』を確認する。


 『sideB研究記録

 

 わたしは、あなたのおカゲでsso存在している、

じ分を攻めてはいkけない。


 私に与えられた存在りゆうがあるならばアナタを、あなたを、アナタ……』


 『side A 研究記録


 まずはPCの打ち方から教えた方が良さそうだな。

 このラボには優秀な人材がたくさんいる。


 君には近いうち、私の後を継いでもらわなければならない。このラボを君に任せたい。


 それまでに私の知識や経験を全て伝えることができると良いのだが』

 

 『sideB研究記録


 本日はおひがらもよくあちこちでたいようがでていた。

 その光をあびて神社の前のさか道を登るとしんぞうが160のテンポで脈打つ。


 明日には筋・筋膜性疼痛症候群になっていそうだ』


 『side A 研究記録


 君は呑み込みが早い方らしい。

 しかし、学習した知識だけを使って会話をしていると多少違和感があるな。


 今度から私の真似でもして会話の練習をするといい』

 

 『sideB研究記録


 今日、新しい人材がらぼにきた。

 マオくんというらしい。

 なかなか味どころがある人物だと私はおもう。


 彼女が数年後、らぼでかつやくしている姿を想像するとテンションが上がる。


 これが成長が楽しみだという感情なのだろうか』

 

 『side A 研究記録


 テンションなんて言葉をいったいどこで覚えてきたんだ? まぁ、いい。


 彼女は人見知りのようだから。

 もし話しかける機会があればたくさん話しかけてあげるといい。


 君も会話にはだいぶ慣れてきたんだろう。

 私も君の成長が楽しみだ』


 「私のことが書いてある」


 「この日はちょうどお前がラボに来た日だったのか」


 マオは驚いていた。

 文脈からして『side A研究記録』を書いているのはカイ所長だ。


 カイ所長が自分に対してそんな風に思っていたなんて知らなかった。


 「それにしても『sideB研究記録』を書いたやつはいったい誰なんだ?


 お前のことを知っている人物みたいだが、心当たりは?」


 ユキトの眉間に深く皺が寄る。

 尋ねられたマオは首を横に振った。


 「分かりません。

 ラボの中で見慣れない顔の人に話しかけられたことなんてここ数年、無いと思います」


 ラボに入った当初、会話をした人物を思い返すマオ。

 今の自分の記憶と照らし合わせても、顔と名前が一致しない人物はいない。


 「そうか。

 ラボにいる誰かがカイ所長のPCを使って『sideB研究記録』を書いたのかと思ったんだが……。


 もっと記録を読み進めてみない事には分からんな」


 ユキトはそう言ってマウスに手を伸ばした。

 


 

いつも読んで頂きありがとうございます!

すっかり沼ってしまったことがあり、投稿が遅くなってしまいました。


せっかく応援いただいているのに申し訳ありません。


今日の夕食は蓮根と骨つき肉の汁物にしたいと思います笑


評価•感想•ブックマークなどありましたら何卒宜しくお願いします!!


ではまた続きを書いてきます。

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