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第52話 秘密の扉の向こう側

こんばんは(´∀`)


今日は暇なお休みだったのでまた投稿させていただきました。


枕から漂う独特な香りを楽しみたい方は第43話へ笑


また暇な時に読んでいただけたら嬉しいです。


 5階に行き警備の目を誤魔化しながら何とか1階まで戻ってきたマオはクリオネと合流していた。


 「いやーお疲れ、大仕事だったんじゃない?

 あの警備員、ほんっっと厄介だったな。

 だって自分で4階の様子を見てくるって言って聞かないんだもん。


 しかも階段で!

 頭堅いクセにユーゼンのマニュアルには従わないんだから」


 「ほんとに危なかったですよ!


 もし5階の資料室に隠れてなければ、階段で登ってきたその人と鉢合わせてました」


 そう言ってマオはUSBメモリをクリオネに手渡す。


 中には丸ごとサカキのPCデータがコピーされていることだろう。


 「でもその警備員もユーゼンのマニュアルには納得していないみたいですね。

 じゃなかったら大人しく従ってそうだし」


 「みーんなこれじゃあ()()警備になることぐらい承知の上だろうさ。


 でも自分達が雇われている会社からの希望だし無視もできない」


 「なぜなんでしょうね。

 ユーゼンは地下の守りを固めて欲しくてこんなマニュアルを作った?

 でも階段にだけは警備員を近づかせたくないとか……?」


 「あり得るね。

 そういえば地下2階に降りるとき、階段の突き当たりに何か扉みたいなものがあった。


 何の扉か警備員やってるオレでも知らない。

 急いでたからよく見なかったし。


 でもあんな扉、建物図に載ってたかなぁ」


 マオはハッとする。

 やはりこの()()警備マニュアルは警備員を階段に近づかせないためのものだ。


 仕事上、建物の構造をよく知る警備員が階段を使ってしまえばこうなると予想していたのだろう。


 ということは……。


 「きっと誰も知らない秘密の扉、だと思います。


 もし『新人類』の研究がその扉の向こうで行われていてユーゼンはその事実を頑なに隠したいのだとしたら?


 だから警備員が階段を使うのを禁止したのかも」


 マオの言葉にクリオネもハッとした。


 「そうだ、そうかもしれない。


 でも扉を開けるには鍵がいる。

 警備長がその鍵を持って……いや、持ってるわけないか。


 今のところ頼れるのはこれぐらいだね」


 クリオネはサカキのPCデータが入ったUSBメモリを弄りながらぼんやりと遠くを眺める。


 「クリオネさん、エヴァンディール計画って聞いたことありますか?


 そのUSBメモリの中に何かデータが入ってるといいんですけど……」


 「エヴァンディール?

 何それ?」


 「サカキのデスクに書きかけの書類が置かれていました。計画に関わる同意書みたいでしたが」


 「あ、さっき言ってたまだ調べたかったことってソレ?」


 「そうなんです。

 聞き覚えのあるような言葉で……。


 何だか……胸騒ぎがするんです」


 クリオネはちらりとマオの方を見た。


 「んー、エヴァンディール計画……。

 エヴァン……。エヴァンはヨハネっていう意味もあるよね。


 ディール……は売買とか取引だとか……。

 この場合だと契約?


 ダメだ、これだけじゃあ分からないな」


 「ヨハネの契約ですか……。

 ヨハネで思いつくものだと聖書とかですかね。


 ユーゼンは聖書にまつわる計画を企んでいる、ということでしょうか」


 マオの話がクリオネの眉間に皺を寄せる。


 「クローンボット、『新人類』、エヴァンディール計画、聖書。

 この情報の関連性が全く見えない。


 エヴァンディール計画が『新人類』を使った計画っぽいということは想像できるけど。


 ユーゼンは何をしようとしている?」

 

 「とにかく、その計画を阻止しないと大変なことが起こるんですよね?


 なら早く手がかりを見つけないと……っ!」


 突然、背中から嫌な汗が流れる。


 「そんなに焦ってどうしたの、マオちゃん!?

 なんか顔色悪いよ……。大丈夫?」


 様子がおかしい。


 クリオネがマオの変化を感じとり、近くにあった椅子へ座らせる。


 「すいません。

 なんだか……急がなくちゃいけない気がして……。


 ヤヨイさんも……早く……見つけないと」


 「だいじょうぶ、大丈夫だよ。

 きっと疲れが出たんだ。


 後のことはやっておくから今日はもう、マオちゃんはゆっくり休んで」


 クリオネの優しい言葉に甘えて、マオはその場で少しだけ目を閉じる。

 

 が、不意にカツカツとヒールの音がこちらへ向かってくるのだ。


 その音に合わせ


 「見•つ•け•たーーーーーー!!!!」


 と勢いよく響く聞き覚えのある声がする。

 

 「し、シノミヤさん!?」


 慌てて目を開けるとマオの前には鬼のようなシノミヤが仁王立ちしていた。


 「コマイさん、いったいどーゆーつもりなの!


 ちょっと外出してくるって言ったきり帰ってこないし。

 何処へ行くか言わないにしてもせめて戻り時間ぐらい教えなさいよね!?


 あんたは帰ってこないわ、非常ベルまで鳴り出すわで仕事がどんどん遅れるじゃない、何考えてるの!?」

 

 それは今、1番会いたくない人だった。

 

 耳をつんざくようなガミガミ声が頭痛まで引き起こしてしまいそうだ。


 「ま……まぁまぁ、シノミヤさん。

 彼女、ずっと具合が悪かったみたいなんです。


 今はカンベンしてあげてください」


 シノミヤの勢いに押されつつもクリオネがマオのフォローに走る。


 「あらぁ、アリシマさん。

 今日はよく会いますね。


 コマイさんと仲良くしてくれてるみたいで良かった。

 この子、ほんとに手のかかる新人で……。


 そういえばさっき非常ベルが鳴ってましたけど大丈夫でした?」


 シノミヤの得意技、アリシマ仕様の猫撫で声が発動した。


 「あぁ、何故か空調設備が故障したみたいで。

 それでベルが誤作動を起こしたってことで片付いたみたいですよ。設備の方は調整中なのでもう心配ありません。


 それよりシノミヤさん、どこかで休ませてあげられませんかね」


 クリオネが困った顔でマオを見る。


 「やだ、ほんとに具合悪そうじゃない。

 仮病かと思ったわ。


 上に仮眠室があるからひとまずそこで休ませましょう」


 マオの青白い顔を見てシノミヤは表情を変えた。

 すぐさまマオを背負いエレベーターの方へと向かっていく。


 それがあまりにも慣れた手つきだったのでクリオネは少し驚いて尋ねた。


 「随分慣れてるような手つきですね」


 「そうね。

 昔ほんの一瞬だけ医療を学びたいと思った時期があったの。でも色々あって結局、介護職に就いたから。お年寄りとか背負ったりするのは慣れてるわ。


 まぁ、どういうわけか今はここで研究員だけどね」


 シノミヤの表情が少し緩んだ。


 「人生、何が起こるか分かりませんね」


 クリオネはそう言って肩をすくめる。


 エレベーターで2階に着くと、シノミヤは右から3番目の仮眠室に入った。


 「さぁ、着いたわよ。

 コマイさんが起きた時、まだユーゼンに残っていたら伝えてくれないかしら?


 今日はもう帰っていいと」


 「分かりました。

 ありがとうございます、助かりましたよ」


 「こちらこそありがとう、アリシマさん」


 シノミヤは笑みを浮かべると背負っていたマオをベットへ寝かせた。


 クリオネとシノミヤが仮眠室を背に立ち去ってゆく。


 枕から漂う独特な香りを最後にマオの意識は途切れた。

 

 

 

 

いつも読んでいただきありがとうございます(´∀`)


評価•感想•ブックマークなどもありがとうございます!!


そろそろ晩御飯の時間ですね。

また晩御飯と53話も作っていきたいと思いますのでよろしくお願いします!

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