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第46話 空白の4年間

こんばんは!

また最新話が書けたので投稿させていただきます。


ぜひ読んでいただけたら嬉しいです♪


 休憩室に入るとすぐにユキトが見つかった。


 ソファの上でごろんと仰向けに寝転がっている。


 いつもよく見かける姿だが、おそらくそれがお気に入りの体勢なのだろう。


 「ユキトさん、やっぱりここにいましたか」


 マオが声をかけるとそれまで閉じていた目をうっすらと開ける。


 「アズマと話してたんじゃなかったのか?」


 そのままの体勢でマオに尋ねてくるが、マオは返答に困った。


 「あぁ……えっと、はい」


 アズマという名前を聞いて、先程の告白がマオの脳内でフラッシュバックされる。


 しどろもどろに答えるマオを見てユキトは怪訝そうに上体を起こした。


 「どうした、何かあったのか」


 「いえ、なんでもありません!」


 今度は少し食い気味に答えるマオ。

 完全に動揺していた。


 「そうか……。

ところでユーゼンの調査はどうしたんだ」


 ユキトは何かを察したのか、それ以上は聞かないでくれたみたいだった。


 さり気なく話題を逸らして、この件にはもう触れまいとしているのだろうか。


 マオもユキトもアズマとの一件はお互い何も喋らず聞いてはいけない、別にそんなことはないのだが妙な雰囲気が場に漂っている気がした。


 「ロッカーの中身を確認したくて一度こっちに戻ってきたところです。


 お陰でマーライオンのヘソの管理人が分かりましたよ」


 マオはユキトの向かい側にあるソファに腰掛けて、ユーゼンの組織図とあのメモをユキトに見せる。

 

 「名前はサカキ。ユーゼンの執行役員で、クローンボットお披露目会の時の司会者でした。


 まだ彼がマーライオンのヘソで集めた人たちに何をしているのかは分かりませんが……」


 ユキトはマオの言葉を聞き感心したように声を漏らす。


 「なるほどな。お前にしては良くやった」


 「何ですか、その人を小馬鹿にしたような言い方は!」


 シノミヤのような嫌悪感は感じないものの、相変わらずの辛辣な発言にマオはムッとする。


 それと同時に、これが自分にとってのいつもの居場所なのだとほっとした。


 少しキーラボを離れていたせいでホームシックにでもなったのだろうか。


 「お手柄だねマオちゃん、やっぱり研究者なんて辞めて情報屋にでもなったら?」


 「だからなりませんって!」


 会話を聞いていたクリオネも耳元で茶化してくる。

この間からしきりに転職を勧められるが、マオはいつものようにきっぱりと断った。


 クリオネはこのくだりが気に入ったのか、とても楽しそうに笑うと次のやるべき事をマオとユキトに伝える。


 「管理人の正体が分かったなら話は簡単だね。

 マオちゃんはこの後、ユーゼンに戻って夜までにサカキのPC識別番号を何とか入手して。サポートはするから。


 ユキトくんは今日の午後20時にオーシェントホテルの前にいて。服装は……あー、そうだな、1番ダサいカッコで頼むよ」


 「は? 

 俺が何でそんなこと……」


 「これでサカキが何を企んでいるのか分かるはずだから。


 あ、ちょっとオレ呼ばれてる。

これからユーゼンの巡回警備しなきゃ。


 ごめん、もう行くね!」


 「ちょっと、クリオネさん!?」


 マオの呼びかけも虚しく、突然そこで通信が途絶えた。

 クリオネは一体何を考えているのだろう。

 

 「ったく、何なんだあいつは。

俺がホテルの前でダサい格好をして突っ立ってて何が分かるんだ。


 俺には考えてることがさっぱり分からん」

 

 頭をボリボリと掻きながらユキトは吐き捨てるように言った。

 

 珍しくマオもユキトに同意する。


 ただ考えていることがさっぱり分からず勝手に行動するあたり、ユキトも大概にして欲しいところなのだが。


 「ところでユキトさん、クリオネさんがユーゼンに警備員として紛れ込んでいるの知ってました?」


 「あぁ。今朝聞かされた。

 少し前から警備員として雇われていたそうだ。


 俺たちに前もって言わなかったのは驚かせたかったから、らしい」

 

 「そうでしたか」


 クリオネがこの大事な状況下で遊び始めていることに少し不安を覚えたが、気にしすぎだろうか。


 マオはその不安を振り払うようにユキトに告げる。


 「とにかく私、ユーゼンに戻りますね。

 何も言わないで出て行ったから、きっと向こうの上司が目を三角にして待ってるでしょうし」


 シノミヤの怒りで真っ赤な顔が思い浮かんだ。

 

 正直これからまた戻るのが憂鬱だが、やらなければならない事がまだある。


 クリオネの言う通りこれでサカキが何をしようとしているのか分かれば、ヤヨイにも繋がる手がかりになるかもしれない。


 「分かった。

 その前にひとつだけ伝えておきたい事がある。

 カイ所長についてだ」


 ユキトがマオを引き止め、声をひそめて言う。


 「カイ所長?

 何か分かったんですか」


 「ああ。今朝クリオネが調べた情報だ。

 カイ所長がキーラボを立ち上げる前、何をしていたか覚えているか」


 「いいえ、ざっくりとしか。

 どこか大学の医学部を卒業して、そのまま大学院で脳科学を研究してたんでしたっけ」


 「そう、大木碕(おおきさき)大学だ。

 確かに卒業生の中にはカイ所長の名前があった。大学院にも2年通っていた痕跡がある。


 でも大学院への入学は医学部を卒業したその4年後だ」


 「つまり4年間の空白期間があるということですか?」


 「そうだ。

 その期間中、どこで何をしていたかはまだ完全に辿れていないが……これを見つけた」


 ユキトはそう言って白衣の内ポケットから折り畳んだ紙を取り出した。


 現れたのは何かの論文だろうか。


 おそらくその1ページ目をコピーしたのであろう。

タイトルが真っ先にマオの目に飛び込んでくる。


 『医療クローニングの社会的有用性と今後の発展について』


 「内容があまりにも濃すぎてな。これはさわりだけ掲載サイトからコピーしたものだ」


 無造作に折り畳まれた論文のコピーには折りジワがくっきりとついていた。


 ユキトが紙の折り畳みを繰り返してつけたものだろう。何度も読み返していたことが伺える。


 「医療クローニング?

 カイ所長と何の関係が……」


 ユキトが論文のタイトルのすぐ下を指差した。


 「著者を見てみろ」


 ユキトの指の方へ自然と目線が移る。

 


 

 


 



 

 

 

 


 


 


 

いつも読んでいただきありがとうございます!


ゲップしたらお昼に食べたスープカレーの味がするという、謎だけどあるある現象で今日も無事に仕事を乗り切りました笑


評価•感想•ブックマークなどいつもありがとうございます!!

では、また最新話更新にかかります。


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― 新着の感想 ―
[一言] やばい、いい所で終わった! 続きが気になります!
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