第44話 管理人の正体
お久しぶりです(*´ω`*)
少し間隔が空いてしまいましたが、44話投稿させていただきました。
また暇な時に見ていただけたら嬉しいです。
場の雰囲気を変えるかのようにゴホンッとシノミヤがわざとらしい咳払いをする。
そして手に持っていた一枚のペラ紙をマオの目の前に置いた。
「はい、これ。
さっきまでバタバタしてて渡すタイミングがなかったから。
会社の組織図と社員の連絡先よ。
よく覚えておいて」
これはっ……!
早速、クリオネやユキトに良い報告ができそうだ。
これさえあれば、あのマーライオンのヘソとかいうおかしなネーミングセンスの掲示板管理人が分かるだろう。
マオは、はやる気持ちを抑えて冷静に組織図を見つめる。
確か管理人の電話番号は
0001-8404-5556。
この国で携帯電話の番号が1桁増えたのはごく最近になってからだ。
マオ自身、あまり見慣れていない番号だったので良く覚えている。
この番号と同じ連絡先の社員は…………。
いない!!
組織図の何処にも載っていなかった。
マオは少しだけ落胆する。
そもそも管理人はユーゼンの人間ではなかった、ということなのだろうか。
いや、仮にユーゼンの人間だと考えるならば携帯電話をもう一台持っている可能性だってある。
後は……。
「シノミヤさん。ここ、組織図の上の方にいる人たちは連絡先が書かれていないのですが」
マオは組織図を指差してシノミヤに尋ねた。
シノミヤが不機嫌に答える。
「当たり前でしょう!
末端の人間が幹部連中と直接やり取りするなんてことはあり得ないんだから。
室長の私だって幹部の連絡先は知らないわ」
「そ、そうですか……」
今はそれ以上、聞いてはいけない気がした。
不機嫌なシノミヤに関わるとロクなことが無さそうだ。
マオは改めて組織図に目を通す。
幹部と呼ばれる研究員は喜美を入れて4人。
かなり的は縛られるが、果たしてこの4人の中にマーライオンのヘソの管理人がいるのかどうかも疑問だ。
調べようにも下手に動いて正体がバレる訳にもいかない。
あぁ、こんな時にクローンボットが動かせれば自分の代わりとして施設内を調べられるのに……。
マオは部屋の奥にポツンと置かれたクローンボットを見つめる。
クリオネもヤヨイもきちんと動かせていたのに、何故か上手く動かせなかったあの金属の塊。
それは自分が特殊な脳波の持ち主だからなのか?
『このクローンボットは全ての人が簡単に動かすことができるロボットを目指しています。
しかし、これでは全ての人が簡単に動かせるとは言えません。
今後、あなたのような方が出ないとも限らない』
マオの脳裏にお披露目会での記憶が蘇ってきてハッとする。
そうだ、あの司会者!!
お披露目会の司会者は脳のサンプルデータを欲しがっていた。
そして小さなメモをこちらへ渡して、待っていると確かにそう言ったのだ。
あのメモには司会者の連絡先と名前が書いてあった……気がする。
きちんと見ておくべきだったとマオは後悔した。
なにせ今、あのメモがあるのはキーラボだ。
クリオネから電話があった日、支配人からもらったイベントリストと共にポケットに仕舞い込んだまま出勤してしまった。
だから鍵付きのロッカーに入れて厳重に保管しようと考えたのだが。
今の今まですっかり忘れていた。
残念ながら鍵は電子キーでもデジタルキーでもない。そして今、自分の手元にある。
それならキーラボにいるユキトを頼って開けてもらうことはできない。
やはり自分で行って自分で開けるしかないのだ。
マオは深くため息をつき席を立ち上がった。
「すいません、ちょっと外出してきます」
「は……えっ!?
ちょっと、コマイさん!?」
慌てふためくシノミヤをよそに、マオは急いでキーラボへと向かった。
キーラボについた頃には、空はもう夕方になりかけの色をしていた。
マオは念のためコマイさんの社員証を首から外し、変装を解く。いつもの姿で平然とロッカーの鍵を開けた。
別に悪いことをやっているわけではないのだが何故か心拍数がどんどん上がっていく。
ロッカーの奥、私物の下に隠したクリアファイル。
そこからそっと例のメモを取り出す。
今度はそのメモをまじまじと見るマオ。
『サカキ 0001-8404-5556』
見た瞬間にピンと来た。
間違いない、この人がマーラインのヘソの管理人だ。
次にユーゼンから持ち出した組織図と照らし合わせる。
この中にサカキという人物は……いた。
役職は執行役員。幹部のひとりだ。
マーライオンのヘソの管理人はクローンボットお披露目会の司会者、つまりユーゼンの幹部だったということか。
「クリオネさん、マーライオンのヘソの管理人が分かりましたよ!」
マイクに向かって話しかけるが、マオの声にクリオネは応答しない。
何かあったのだろうか。
「クリオネさん……?」
少し間を置いて、イヤホンから声が聞こえてきた。
「ごめん、マオちゃん。
今キーラボでちょっと立て込んでて。
しばらく待ってて」
「え、何かあったんですか!?」
「いやいや何でもない!
あ……何でもなくはないんだけど……」
クリオネの歯切れの悪さに妙な違和感を覚える。
「あの……実は私、ワケあって今キーラボにいるんです。
これから研究室に顔出してきますね?」
「いやいやいや、今はやめた方がいい」
激しく否定するクリオネにやはり妙な違和感を覚える。
しかし、痺れを切らしたマオはクリオネの言葉を無視して研究室に行くことにした。
少し様子を見るだけならと、そう思ったのだ。
マオは研究室の前でドアノブに手をかけようとしてすぐにその手を引っ込める。
中から荒々しい声が聞こえてきた。
何か言い争っているような……。
中の様子を探るため、マオは改めてドアノブに手をかけ少しだけドアを開ける。
「あなたのせいだ。
どうかこれ以上関わらないであげて欲しい!」
「そういうわけにはいかないな。
同僚と関わるな、と言うのはここで働く限り難しい話だろう」
「なら僕は、あなたに辞めてもらいたい」
マオがそこで目にしたのは、お互い今にも飛びかかりそうな勢いで言い争うユキトとアズマの姿だった。
あの普段から温厚なアズマが!
一体なぜこんなことになったのだろう。
「マオちゃーん?
あれ、行っちゃった……?
これは面白いことになりそうだなぁ」
クリオネだけが唯一、この状況を楽しんでいるかのように笑っていた。
いつも読んでいただきありがとうございます。
残業続いてましたが、何とか解放されそうで助かりましたヽ(´▽`)/ワーイ
心配ありがとうございます!!
これからも更新続けたいと思いますので
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