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第36話 近づく真相、隠れる目的

おはようございます( ´∀`)

今日はブレイキングダウンを見るので早めに投稿させていただきます。


信原空くん、頑張れ!!


エヴァンディールの方も引き続き宜しくお願いします。


 「喜美は医療クローニングを高く評価していた。

 そこそこの技術師と交流があるみたいだし。

医療クローニング技術が自分たちの研究にも使えないか躍起になって交渉していたみたいだよ」


 クリオネは淡々と答える。


 「そうか。ならミコトの家がユーゼンと関係している可能性も捨てきれないというわけだ。


 ミコトが何かユーゼンに弱みを握られていたかどうかは分かるか?」


 「実はちょっとおかしな点がある、かな」


 クリオネがまたカタカタとキーボードの音を立てているのが電話の向こうから聞こえた。


 「数ヶ月前から彼女の演奏に対する評価が変わってる。

 消極的になったとか、タッチが不明確になったとか、指の動きが悪いとか……。


 ネットの評価ってすぐこうやって手のひら返すから嫌だよねぇ!


 今日の友は明日の敵だよ。

まぁ、もしかしたら友とすら思われていないのかもだけど。


 でも中には病気を心配する声もあるね」


 「それで結局ミコトは何か病気を抱えていたのか」


 「よし、瀬戸医院のPCにアクセスできた。

その答えはこの中にあると思うよ」


 クリオネは暫く無言でPCと睨めっこしているようだ。


 確かに実家が医院を経営しているなら好都合だ。

まずは実家で診察を受けるだろう。  


 ミコトはあまりにも有名だ。


 だからこそ、その知名度に傷がつかないよう不調を公にはしたくないはずである。


 クリオネの考えることは的を得ていた。

後は瀬戸医院のPCからミコトの電子カルテが見つかれば何か分かるかもしれない。


 不正アクセスだ。


 この場にマオがいたら、きっとまたガタガタと煩いことを言われるのが想像できる。


 ユキトは苦笑した。


 「ミコトの電子カルテがあるよ。

やっぱり評判が落ち始めてすぐ診察を受けたみたいだ。


 病名は…………え、筋ジストロフィー……?」


 「筋ジストロフィー?

確かなのか?」


 「カルテにはそう書いてある」


 ふたりの間に衝撃が走る。


 「筋ジストロフィーは難病だ。

指の動きが悪くなったという評価も、筋力が低下しているからと考えて間違いないだろう」


 ユキトがそう言うとクリオネも同意した。


 「あぁ、そうだね。

だとすると、いくら外科医の父親でも治療は難しい。 

 経過観察と進行を遅らせるくらいしかできないからピアニストにとって致命的だ。


 頼れるのは認可が下りたばかりの医療クローニングってワケか」


 「ユーゼンはクローニング技術師とも交流があったと言ったな。


 ならミコトに優れた技術師のひとりやふたり、紹介するのも簡単だっただろう」


 これで俺とミコトの結婚話にユーゼンが関わっている理由がわかった。


 おそらくミコトが筋ジストロフィーだと知った父親は治療のためにクローニング技術師を探し始めた。


 喜美は自分と交流のある技術師からそれを聞きつけて、優れた技術師に治療を行わせる代わりに俺と結婚することを条件として出したのだろう。


 しかし、なぜ俺たちに目をつけたのかは依然として謎だ。


 ただ自分がミコトと結婚をすることにより、ミコトをはじめ多くの人を助ける結果になることだけは分かる。


 内輪の話のつもりだったが、事が大きくなってしまった。


 ユキトは小さくため息をつき、クリオネに言った。


 「どうやら俺はすぐにでも結婚しないといけないかもしれん」


 「え、何?

いきなりどうしたの?」


 怪訝そうな声を出すクリオネにユキトは今日実家で起こった出来事を話した。 


 どうせこのままミコトの情報を集めていれば俺の結婚のことが知られるのも時間の問題だと、そう考えたからだ。


 クリオネは普段ふざけた態度をとっているが真面目な話には真面目に向き合う。


 結婚の話が出て変にからかわれる心配はない、と信じたい。

 

 「なるほどねぇ。

どういうわけだかキミたちの周りにはどこへ行っても、何をしててもユーゼンが絡んでる。


 まるで生活を監視されているみたいだね」


 「あぁ、全く不愉快だ」


 話を全て聞いたクリオネの口から出たのは意外な一言。


 監視……か。

会社の規模的にはできなくはない。


 今のところ奴らの目的が掴めないでいた。


 「うーん……。

 やっぱり潜入して中から直接探らないと実態が見えてこないなぁ」


 「おい、本当にアイツにやらせるのか?」


 ユキトはマオが潜入することに一抹の不安を覚えていた。


 「まぁ、大丈夫っしょ!

いざとなればオレが何とかできると思うし。


 ユキトくんには別のことを頼みたいしね」


 「どういうことだ?」


 「マオちゃんが潜入している間、キミはキーラボに残ってオレのお手伝い!」


 「そうか」


 ユキトは短くため息をついた。


 「さて、これで新しい情報が手に入ったし。潜入準備もさっき済んだことだし順調だね。


 また今日の夜『アクアリウム』においでよ。


 これからのことについて話そう」


 「分かった」


 ユキトは電話を切ろうとする。


 「あ、まって、待って!!!」


 クリオネはそんなユキトを慌てて止めたのだった。


 「なんだ?」


 「『アクアリウム』に来てってマオちゃんにも伝えておいて!


 彼女、途中でオレに呆れて電話切っちゃったから」

 

 

 クリオネはまるで子供が悪戯をして喜んでいるかのような表情を浮かべ肩をすくめた。




 ――――――同じ頃。



 キーラボの個室で必死にキーボードを見ながら文字を打ち込んでいるカイ所長の姿があった。


 『あれから3日が経とうとしている。

生存が確認できないのは厳しいところだが、どうにか無事であってほしいと願うばかりだ。


 キーラボの事は問題ない。

見学講師の予定だったヤヨイくんの代わりをアズマくんにお願いした。


 彼にはヤヨイくんのPCを閲覧して講師を務めるよう指示を出したが、見事にやってくれたよ。


 ひとつ問題があるとすればユキトくんのことだろうか?


 なぜかラボのデータが消えてしまった日があった。その時、ユキトくんはまた管理センターに入ったらしい。


 管理システムを弄ってデータを復元してくれたようだが、実はこれは彼が作ったシステムではないのかと最近、私も薄々だが勘づいてきた。


 本人はバレていないとたかをくくっているようだがな。


 私は黙っていようと思うから、後の対応は君に任せたい。


 今回、ラボの中ではヤヨイくん失踪のことは警察に届けたと誤魔化すので戻ったら話を合わせておいてほしい。


 ユキトくんやマオくんにも、これ以上この件に首を突っ込まないよう強めに釘を刺したから大丈夫だろう。心配は何もしなくていい。


 どうか幸運を祈る』


 カイ所長はそれだけ書き終えるとデータを保存してUSBメモリを抜き取ったのだった。

 


 

いつも読んでいただきありがとうございます( ´∀`)

評価•ブックマーク•感想もありましたら励みになりますのでよろしくお願いします!


ではおやすみなさい。

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