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第29話 暴君主義

おはようございます(´∀`*)


いつも更新がバラバラな時刻になってしまい申し訳ありません。


また暇な時に見ていただけたら嬉しいです。

よろしくお願いします!


 「すまないが俺は客ではない。

ホテルのイベントについてここへ聞きに来ただけだ」


 「あの……大変申し訳ありませんが、今週のイベントにつきましては内容によってはすぐお答えできますがここ数年となりますと……」


 フロントの男性は一瞬戸惑い考えながら答える。

だが、とても丁寧な対応だとマオは思った。

 思ったのだが……。


 「では、支配人を呼んでくれ」


 「はぁ……。支配人ですか?」


 ユキトの堂々たる行動ぶりに理解が追いつかなかった。


 「えええええ!?

ちょっとユキトさん、何考えてるんですか!?」


 「これじゃあ埒が開かない。

 なら責任者と話をした方が早いだろう?」


 こりゃあダメだ。

 夜中に宿泊客でもない怪しい男が突然フロントに無理難題を押し付け、それが通らないと分かると責任者を出せだなんて。無茶にも程がある。


 マオは社会性ゼロな聞き方をしたユキトのフォローをしようと言葉を続けた。


 「すみません。あの、夜分に申し訳ないのですが実は私たち人を探してまして……」


 そのための情報提供にご協力いただけないでしょうか?

 まで続けたかったのだが。


 マオが言い終える前にフロントの奥からもうひとり、制服を着たガタイの良い男が慌ただしく出てきた。そして男性に耳打ちをした後、こちらに向き直り頭を下げる。


 「大変失礼致しました。

 この者が()()()()気づかずにお手間をとらせてしまい……」


 男はそう言って、最初にいたフロントの男性を指す。

この男性は、ばつが悪そうにペコリと頭を下げた。


 「すぐに支配人をお呼びしますのでそれまで中でお待ちいただいてもよろしいですか?」

 

 次に男はフロントの奥の扉を指してマオたちを案内し始めた。


 「あぁ、いつも悪いな」


 ユキトは何食わぬ顔で案内についてゆく。


 え……。えっ!!

 何この流れ……!?!?


 マオは空いた口が塞がらなかった。


 この我儘、通るの? 

 通っちゃうの……!?


 本当に彼は何者なんだろう。


腑に落ちないながらも、マオはユキトの得体の知れない大物感に驚かされつつ後ろをついて歩く。


 「ユキトさん、これどういうことですか?」


 「ここは俺の親父がオーナーのホテルだ。

今はオーナーの息子という立場を利用することにする」


 本当にこの人は……。

いや、もうそれ以上は何も考えないでおこう。


 言葉を返す気も起きずマオはへぇ。とだけ相槌を打った。


 「どうぞ、こちらでお掛けになって少々お待ちくださいませ」


 そう言って通されたのは商談などに使いそうな豪華な応接室だった。


 家具がアンティーク調で統一されていてシックな雰囲気である。


 柔らかいソファに座るとスーっと体重が沈み込むのが分かった。


 先程までクリオネが椅子として貸してくれたコンテナとはえらい違いだ。


 「何かお飲みなりますか?

コーヒー、紅茶、野菜ジュース。他にもありますよ。

どれも当ホテル自慢のドリンクです」


 「じゃあコーヒーを」


 「わ……私も!」


 「かしこまりました。すぐにご用意致します」


 ガタイの良い男が再び頭を下げて部屋を出る。


 何食わぬ顔でコーヒーを頼むユキトに釣られて、マオもついコーヒーを頼んでしまった。


 まさか日頃からこんな扱いをされて生きてきたとは。

マオは普段、ユキトが横暴な振る舞いをする理由が少しだけ分かったような気がした。


 

 ややあって飲み物がテーブルに並べられ、一口手をつけた頃だろうか。

 応接室の扉の向こうからコンコンとノック音が聞こえた。

 

 「失礼致します」

 

 そう言って入ってきたのは上質なスーツとピカピカに磨かれた革靴に身を包んだ身なりの良い中年男性だった。


 しかも高級ブランド品の時計を身につけている。

おそらくこの人が支配人だろうという事は見た瞬間にすぐ分かった。


 まるで自分とは次元が違う世界から来たようだとマオは思う。


 「お久しぶりです、ユキト様。

つい先程まであなたのお父様とお会いしており、すぐにこちらへ伺うことができず申し訳ありませんでした」


 ペコリと頭を下げる支配人。

その所作も上品さがあって美しい。


 「親父と会ってたって?

何のために?」


 目つきが鋭くなるユキトに支配人は淡々と答えた。


 「お父様からご相談を頂きまして……。

息子の、つまりユキト様とミコト様のご結婚式をぜひこのホテルで行いたいというご相談でした」


 支配人の言葉にユキトの眉がピクリと動く。


 「はぁ!? 結婚式だと!?

俺は結婚するなんてまだ一言も言ってないぞ!!」


 「おや、そうでしたか?

お父様は両家共に既に了承済みだと言っておられましたよ。近々、顔合わせをしたいから準備を始めているとも……」


 「……ったく。親父だけで勝手に話を進めてやがったな!!」


 苛々して頭をぐしゃぐしゃに掻くユキトを見たマオはヤヨイに聞いた話を思い出していた。


 『婚約者がいるみたいよ。ユキト』


 これが噂の婚約者か。

どうやらユキトはこの結婚を前向きに考えていないようだが、話がかなり進んでいるみたいだ。


 相手はミコトという名前らしい。

 

 ヤヨイがいたら興味津々で聞きそうな話の内容だなとマオは苦笑する。


 「とにかく! 

天才ピアニストだか何だか知らんが俺はそいつと結婚する気もないし、親父の研究を継ぐ気もさらさらない!!

 今度親父にそう伝えておいてくれ」


 明らかにユキトが不満そうな顔をしている。

その顔を見た支配人もやれやれと言わんばかりに肩をすくめた。


 「承知しました……。

その……機会がありましたらお伝えしておきます」


 それにしてもお相手は天才ピアニストかぁ……。

天才ピアニスト……。ミコト……。

 えっ……ミコト……!?


 マオの脳裏に衝撃が走った。


 天才ピアニストのミコトと言えば前にテレビで見たことがある。有名なコンクールで何度も賞を取り、コンサートのチケットはいつも完売、満席。

 おまけにとてつもなく美人で賢く根っからのお嬢様!


 そんな人がユキトの婚約者だなんて考えられない!!

 きっと別人だろう。


 でももし、本当にあのミコトだったとしたらーーーー。

 

 好奇心がくすぐられる。


 ユキト本人に聞いてみたかったが、それはまたの機会にしよう。

 おそらく今聞いてしまうと確実に話がこじれる。


 今はヤヨイさんを助ける手がかりを見つけることが先決だと、マオは自分に言い聞かせ口をつぐんだ。

 

 

いつも読んでいただきありがとうございます。


そういえば晩飯のパスタに使ったミートソースが余ったので何かに使いたいのですが、どう料理してくれようか思いつきません!


どなたかいいアイディアがあればお待ちしています笑


評価•感想(ミートソースでも可)•ブックマークなどありましたら励みになります。


何卒よろしくお願いします。

ではおやすみなさい。

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