第24話 結託
こんにちは(*´꒳`*)
また今日もお昼に投稿してみました。
たくさんの方に読んでいただけたら嬉しいです!
「なるほどな」
「いや、ちょっと待ってください!!」
ユキトと〈クリオネ〉の会話についていけない。
マオがひと通り聞いて会話を途中で止めるとふたりはマオの方を向いて、どうした? とでも言いたげな表情を浮かべる。
「何の話をしているかさっぱりなんですけど……。
せめてもっと分かりやすく説明してもらえませんか?」
「ったく、これだから機械音痴は……」
「そっかぁ。マオちゃんはこういうことにはあんまり詳しくないんだね」
いや、もはや機械音痴とか詳しいとか云々のレベルの話ではない!!
側に物腰が堅いユキトと柔らかいユキト。なんだかユキトがふたりに増えたような状況だ。
「ま、ようするにユキトくんと連絡を取る為にハッキングにハッキングを重ねてキミたちのこと、色々知ってしまったって感じかな?」
「全く悪趣味だな。
知ろうとしたの間違いだろう?
これじゃあまるで俺たちと会って話をする前の事前調査だ!
おそらくこいつはこの短時間で俺たちの勤め先から人物像、さらにはキーラボのPCシステムに隠しファイルまで調べ上げたんだ。
下手をするとキーラボそのものまで調べ尽くされているかもしれん。
たいしたものだ!!」
隠しファイルというのはズィファイルのことだ。
「なるほど。ってこれ、私たちがかなり不利な状況に陥ってませんか!?」
ユキトが頷く。
理解が追いついたところでマオは自分の置かれている状況を悟った。
相手は情報屋だ。
短時間でこれだけの情報を揃えたというのならこれから先、もし私たちの情報を買いたいという者が現れれば〈クリオネ〉はそれを売ることができる。
「俺たちの情報が誰かに渡る可能性があるな。
これから危ない調査を引き継がなければならないって時に!」
切羽詰まった顔をしているマオとユキトに〈クリオネ〉は優しく話しかける。
「へぇ。やっぱりあれは隠しファイルだったのか。
でも安心して。
クライアントとその協力者の情報は守るから。
でも一応商売だから君たち以外にお金を積まれれば状況も変わってくるけどね!」
「お前なぁ!?」
カッとなり〈クリオネ〉に掴みかかろうとするユキト。それを制止している間に、マオはある考えを思いついて耳打ちをした。
「落ち着いてください、ユキトさん!
彼はヤヨイさんをクライアントだと言ってました。
まだ私たちの情報が欲しいという人物が現れない限りは〈クリオネ〉は味方です。
信用させて彼から私たちが欲しい情報を集められるだけ集めるんです。
もしそれで彼が裏切った場合はネットで世界中に〈クリオネ〉という人物の危険性を伝え、信頼を落として仕事にならなくさせてやりましょう!!」
「おまえ、なかなか恐ろしいことを考えつくな。後が怖いって意味で、だ。
果たしてそう上手くいくとも思えんが……」
マオの少々過激な提案に多少ユキトが顔を引き攣らせる。
「あくまでも倫理とか道徳とかを抜きにしたらって話ですよ!
目には目を、情報には情報をってやつです」
得意げに話すマオを見て、わかったとユキトは小声で呟く。
『わかった。信頼させて情報を集めるという手にはな』
おそらくそう言った意味合いでの同意なのだろう。
その後、〈クリオネ〉の方へ向き直りこう言い放った。
「よし、とりあえずはお前と手を組もう。
ヤヨイのためだ、仕方がない。
ただ少しでも俺たちを売るようなマネをしたらタダでは済まないからな!!」
睨みつけるユキトを見て、〈クリオネ〉はヒューと軽く口笛を吹く。
「カッコいいねぇ!
その言葉、肝に銘じておくよ。
改めてよろしく、ユキトくん?」
〈クリオネ〉はクスッと笑って手を差し出す。
ユキトはしかめっ面で渋々その手をとったのであった。
「あの、ところで何故あなたは〈クリオネ〉って呼ばれてるんでしょうか?」
ユキトと〈クリオネ〉の間に漂う一触即発の雰囲気を変えようとマオが質問する。
「あぁ、やっぱり?
そこ、気になるよね!?」
ずいっとマオの方へ身を乗り出して〈クリオネ〉はやや興奮気味に答えた。
「この『アクアリウム』ってさ、ずっと前からオレの秘密基地みたいな場所だったの。
海好きだし、熱帯魚とかも好きだからいつもここに人を呼んで仕事の話とかしてたらさぁ、いつの間にかクライアント達から〈クリオネ〉って呼ばれるようになっちゃって。
それが段々と広まっていったからアングラな世界では〈クリオネ〉で名が通ってる。
オレの仕事柄、クライアントに本名知れちゃうとマズイっしょ? 個人情報的に。
だからそこのところ、お互い詮索はナシって事でやってるのさ」
「今までどんな人生送ってきたんだ、お前は!」
ユキトから驚きの声が上がる。
「あはははは! よく言われる」
そう笑って〈クリオネ〉は近くの机……いや、机の代わりに使っているであろう段ボールに手を伸ばした。
彼の狙いはその上に無造作に置かれているスナック菓子だ。
「食べる? 別に薬とか盛ったりしてないけど」
〈クリオネ〉はマオとユキトの前でスナック菓子の袋をひらひら動かしてみせた。
「いや、結構だ」
ユキトが若干食い気味に断る。
「あっ、そう。美味しいのに……」
「悪いが添加物たっぷりのスナック菓子ってのが俺はどうも苦手でな。
こんなの食うくらいなら青酸カリ舐めてた方がまだ体に良さそうだ!」
いや、そっちの方が大問題だよ!
と、マオは思う。
昼間、カップ麺ばかり食べていそうな男がよくぞ言った!!
まぁ、あくまでもイメージだが。
顔をしかめているユキトを見て、〈クリオネ〉は出会ってから初めて苦笑を浮かべた。
「気難しいなぁ。
キミとは打ち解けるのにもう少し時間がかかりそうだよ。
マオちゃんはいる?」
マオにスナック菓子の袋が向けられる。
「あ、いえ。
好きですけど今はいらないです」
「そう。
欲しくなったら言ってね」
おそらく誰も食べないだろうと思った〈クリオネ〉は袋を雑に開けて手掴みで、ムシャムシャとすごい勢いで、美味そうにスナック菓子を頬張った。
彼のこういう仕草や顔立ちを見る限り、たぶん20代後半から30代くらいだろうとマオは推測する。
最初に見た時よりも話してみるとちょっぴり幼く感じるのは気のせいか。
しかし、まだそれなりに若いが彼は海千山千の強者だ。
いつも読んでくださりありがとうございます(*´꒳`*)
お昼休憩中に食べるスイーツって最高ですよね笑
言い知れぬ背徳感を味わっている今日のお昼休憩でした。
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