第20話 それぞれの思惑
おはようございます(*´꒳`*)
すっかり寝過ごしてしまいました笑
本当は夜中に投稿するのが好きなのですが……汗
そんな感じで今日もまたよろしくお願いします。
『ワタシが調査している内容を知っただけでも2人はたちまち危ない目に遭うかも知れない。
受け入れてしまえばもう、それまでの生活には戻れなくなる』
現にこの状況では危険な綱渡りだ。
何をしているのか、得体の知れないものにこれ以上首を突っ込んでしまっては無事で済まないとヤヨイから忠告があった。
職を失うことで済めばまだ良い方なのかも知れない。
そもそもそうやって葛藤をすること自体が、ユキトのようにすぐ『ひとりでも行く』と言えないあたりが、自分で思うよりも自分は薄情な人間なのだと思い知らされる。
マオの頭の中はぐちゃぐちゃに混乱していた。
しばらく黙りこんでいたが、やがて口を開きひとり言のようにか細い声でユキトに問いかける。
「……所長にPCに入ったこと、感づかれましたかね?」
「ありえない!
所長がどこぞの凄腕ハッカーでもない限り分からないよう痕跡は全て消した。
誰に言ってる、俺だぞ!」
マオの問いかけにユキトは眉を釣り上げて答えた。
「それなら今のところ問題ナシですね。
出かける前に気づかれて〈クリオネ〉と落ち合うことが出来なくなるのは避けたいですから」
そしてほんの少しの間があったものの、マオは意を決したようにユキトを見て続けたのだった。
「やっぱりユキトさんひとりだと無茶しそうで心配です。
お目付役として私も行きます!」
ユキトはその返事に目を丸くした。
意外だと言いたそうな顔をしている。
「いいのか。
きっともう後には引けないぞ?」
「いいんです。
もう覚悟、決めましたから」
今度は先程とは別人のようにキッパリと言い放った。
マオは自分がいくら薄情な人間だったとしてもやっぱりヤヨイやユキトをこのまま放ってはおけない。
自分で考えて最終的にそう決断したのだ。
ユキトはそんなマオを見てフッと鼻で笑う。
「おまえ、もう二度と俺のこと信じてついて来ないんじゃなかったのか?」
「今はそんなこと言ってる場合じゃありません!
あくまでユキトさんが勝手なことをして所長やヤヨイさんに迷惑をかけないか見張る為についていくだけです!!」
それを聞いたユキトはニヤッとしていた。
とてもイヤミったらしいくらいに。
「そうか。なら見張りに感謝しなくちゃぁな。
仕事が終わった後ラボの前で待っていろ。
第4埠頭までドライブだ」
そう言い残してユキトはその場を離れた。
――――――同じ頃。
コンコンと扉のノック音が社長室に響く。
「勝手に入って来てくれ」
中から男の声が聞こえたのを確認してからウシオはドアノブを静かに回した。
「失礼します」
見ずっとTV本社 社長室 と金色のプレートが貼られてある扉を潜るとコーヒーの香りが漂う。
「待っていたよ、ウシオくん!
さぁ、ここに座りなさい。お客様がお見えだ」
その部屋にいた社長が、ぽんぽんと軽く自分の座っているソファの隣を叩いて着席を促した。
部屋の中央には高そうな2人がけのソファや凝ったガラスのテーブルが置かれ、お洒落なティーカップに入ったコーヒーが2人分、そのテーブルの上で優雅に湯気を立てている。
社長の座っているソファの迎え側にはお客様と呼ばれた50代くらいの中肉中背の男が座っていた。
ウシオは社長とその男に軽く会釈をしながら恐縮そうに社長の隣へ座る。
スーッと沈んでゆく体を背もたれが優しく受け止めた。
なんて座り心地の良いソファなんだ。
ウシオはすっかりソファに身を任せていた。
「喜美くん、今じゃあコレがすっかりウチの稼ぎ頭!」
ウシオを指差し、ニコニコと笑いながら社長は得意気に語る。
「気に入ってもらえたようで良かったよ。
何か問題はなかったか?」
喜美くんと呼ばれたその男はコーヒーを飲みながら不敵な笑みを浮かべた。
「ないよ、本当によくやってくれているからねぇ。
ほら前に言ったじゃない?
昔ウチの会社ですごい人気だったリポーターのカンちゃん!!
アレが辞めちゃったから代わりになればいいなと思って頼んだけど期待以上だったよ!
これはいい商売になりそうだ。
でも本当にコレ、タダでいいのかい?」
「構わないさ。
どうせまだ試作段階だからね。
また新しいのが出来上がったら持ってくる」
「はははっ!
それは楽しみにしているよ。
今度はウシオくんよりもっと人気が出そうなやつ、頼みますよ。なんつって!!」
ケタケタと笑う社長にウシオは嫌気がさした。
こいつは、こいつらはボクの事をただの金儲けの為の道具としてしか接していない。
ボクは客寄せのパンダだ。
代わりならいくらでもいる。
客が寄り付かなくなったらまた奴ら好みに仕立て上げられた道具を作ればいい。
この人たちが見ているのはボクではない。
ボクの先にある自分たちの利益なのだ。
「それで篝社長。
本日は折り入ってご相談があるのですが……」
「どうしたの、喜美くん。
急に改まって……」
「実はウシオをしばらくこちらへ返していただきたかったんです。
こいつは最低でも年に一度、メンテナンスが必要なのでね。
まぁ、言ってしまえば健康診断のようなものです」
社長の顔が僅かに曇った。
「しばらくって……どのくらい?」
「………1ヶ月」
社長の顔がまた一段と曇った。
「1ヶ月!?
それは流石に困るよぉ。
ウチの視聴率はウシオくんで持ってるようなものなんだから」
喜美はふぅ。と息をついた後、目を閉じて人差し指でコツコツと自分のこめかみを突く。
「じゃあ………2週間」
「2週間かぁ……。
1週間じゃダメなの?」
「いや、最低でも2週間は必要だ。
あまりメンテナンスを怠っているとすぐダメになる」
「壊れたらまた新しいの作ればいいじゃない!!」
「その新しいものを作る為にも必要な時間なんです。ウシオは数少ない貴重なサンプルですから」
社長はしばらく考え込んでから慎重に答えた。
「そうかぁ……。
わかった、喜美くんがそこまで言うのなら。
なんたって今、話題のU-zenさんに懇意にして頂いてるんだ。
ウシオくんをよろしく頼みますよ、喜美所長!」
「いつもご理解頂きありがとうございます、篝社長。この事はくれぐれもご内密に。
ではまた改めてウシオを迎えに来ます」
ペコリと頭を下げて喜美は部屋を出る。
テーブルの上には、あまり手のつけられてない飲みかけのコーヒーが2人分残されていたのだった。
いつも読んで頂きありがとうございます。
まだ寝ボケてるかもしれません笑
おやすみなさい。
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※やっぱり寝ぼけるかもしれません、ごめんなさい!




