第18話 小さな嘘
おはようございます(*´꒳`*)
今日も投稿させていただきました。
また暇な時に読んで頂けたら嬉しいです。
よろしくお願いします!
ややあって管理センター室を出た2人は何も喋らず黙って廊下を歩いていた。
何も知らないふりをする。
先程の動画は見なかったことにしてごく自然に振る舞う。
心臓がドッドッと張り裂けそうなくらい主張していた。まるで悪いことをして見つからないか不安になっている子供のようだ。
マオは震える手で髪をかき分けながら黙ってユキトの後をついていく。
「おい、普通にしてろよ」
ユキトが呆れ顔でこちらを見てくる。
「だってあんなズィファイルだとか、調査していた情報が漏れたから失踪したとかまるでスパイ映画みたいなこと……」
小声でマオが耳打ちする。
一度に大量のことが起こりすぎて頭の処理が追いついていないのだ。
管理センター室を出てからいざ、落ち着いて考えてみると急に事態が重くなったような気がしてざわざわと胸騒ぎがした。
「あぁ、探したよ!
ユキトくん!!
どこへ行っていた?」
不意に誰かが声をかけてくる。
カイ所長だ。
マオはビクッとしたがすぐに冷静さを保った。
「カイ所長、遅くなり申し訳ありません。
データのリカバリーに手間取りましたが、どこも異常が無かったようで……。
いやぁ。良かった、良かった!
たぶんセキュリティの過剰反応でデータがPCから抜けてしまったみたいです」
うんうんと3回笑顔で頷きユキトはカイ所長の元へと歩み寄る。
「そうか。それは良かった。
データが消えたと皆、慌てていたがちょっと前に突然復旧したからもしかすると……と思ったがやはりか」
表情を変えずにカイ所長が淡々と喋るのを見てユキトの顔からは次第に笑顔が消えていった。
「あれ、俺所長に言ってなかったでしたっけ?」
マオの目から見ても明らかにまずい、やっちまった!!と今にも言い出しそうな顔をしている。
「いや、私は何も聞いてないが。
ユキトくん、また勝手に管理センター室へ入って何か弄ったな」
はぁ…。とカイ所長はため息をつく。
マオはそれを見て理解した。
この男、管理センター室に入ることもカイ所長には伝えていなかったのか!!と。
やっぱり勝手な人だ。
世の為、人の為と奮闘する姿に少しだけ見直していたあの時間を返してくれ!!
マオは目を細めてユキトを見つめていた。
「いえ、所長!
これは仕事に支障が出ないよう皆の為にとやむを得なかったことでして……」
「君は以前もそう言って管理センター室に入ったな。そうしたらどうだ、一台何十万とするPCを5台もダメにするハメになった」
「うっ………」
ユキトは完全にぐぅの音も出なくなっていた。
それでもあろうことかマオを巻き込んで反論に出る。
「しかし……今回はこいつを連れて行きました!
俺が変なことをしないよう見張のためです。
それはもちろん、しっかり見張っててくれましたよ」
「ほぅ……。マオくんも一緒だったのか。」
カイ所長の視線がユキトからマオの方へと移った。
自分に話を振られてマオはしどろもどろになってしまう。
「えぇと……いましたねぇ。………一緒に」
「ユキトくんは何をやっていたんだ?
まさか人のPCを勝手に覗いたりなんて事はしていないだろうな?」
カイ所長はマオのことをジィッと見つめた。
冷静になるよう務めていたが、本当はかなりドキッとした。
はい。してましたよ。
カイ所長のPCとヤヨイさんのファイル。
しかもユキトさん、実は管理システムの開発者でズィファイルなんていう秘密のファイルまで作っていますよ。
このラボがユキトさんに乗っ取られるのも時間の問題ですね!
なんて言えない。そんな事、口が裂けても絶対に言えるわけがない。
「所長!
俺がそんな事するわけないじゃないですか!!
いくらPCに詳しいからと言っても節度はきちんとわきまえているつもりです」
わきまえていないから今、大変なことになっているのだ。
あぁ、ユキトがきちんと所長に話していれば……っ!
「私はマオくんに聞いている。
ユキトは何をしていた?」
その時、いつもと少し違った鋭い声で改めて問いかけてくるカイ所長にマオは動揺した。
ユキトを呼び捨てにしているところは初めて聞いたと思う。
決して怒鳴ったり、声を荒げているわけではない。
なのに真剣さというか……怖さが伝わってくる。
なんだかいつものカイ所長ではないみたいだ。
「ユキトさんは、PC……データを、みんなの為に復旧してくれていました。
その後……異常がないこともちゃんと調べて……それで、それが終わって今、戻ったところです」
上手く誤魔化せただろうか?
もしかするとカイ所長はもうユキトが自分のPCを勝手に覗いたことをわかっているのではないか?
ユキトはカイ所長を見つめているだけで何も言わない。ただ、その場に静かに立っていた。
「……そうか、分かった。
マオくんがそう言うのならそうなんだろうな。
結果として勝手な行動はしたもののユキトはこのラボに貢献したわけだ!」
カイ所長はユキトの肩をポンと優しく一度だけ叩いた。
「マオくんに免じて今回はお咎めなしとしよう。
次、勝手を働いたら残念だが君にはここから出て行ってもらわなくてはならなくなる。
見張りのマオくんに感謝することだな」
カイ所長はそう言い残して立ち去ろうとするが何かを思い出したようにあぁ、そうだ。とマオたちの方へと向き直り立ち止まった。
「ヤヨイくんのことについてなんだが、近くの病院にあちこち電話をしてみた。
ここらには運び込まれてきたという情報はなさそうだ。
だが、君たちは何も心配しなくて良い。
明日まで待ってみよう。そして警察へ届ける。
私たちにできる事はそれくらいしかない。
頼むから勝手な行動はくれぐれも謹んでくれ」
今度こそカイ所長は冷たい表情をしてもと来た道へと戻っていく。
カイ所長が何を考えているのか。
マオは正確には分からない。
自分を信用してくれているカイ所長に嘘をついてしまったという罪悪感だけがマオの胸の中に残った。
いつも読んでいただきありがとうございます(*´꒳`*)
アイスのスーパーカップのフタ開けたらペリって剥がす所に書いてある揚げアイスのレシピって美味しそうですよね。
久しぶりにスーパーカップ食べたんですが、あのペリって剥がすフィルム?前からあったかなぁ……なんて思って食べてました笑
評価•感想•ブックマーク等ありましたらぜひお待ちしております!
ではお休みなさい。




