第14話 .zy 〜ズィファイル〜
おはようございます(*´꒳`*)
本日もまた宜しくお願いします!
なんと、ありがたいことに感想をいただきました!
さらに頑張りたいと思います。
ユキトは胸ポケットのタバコに手を伸ばし瞬く間に火をつけ吸い始めた。
すぐに管理センター室の空調がグォングォンと音を立て始める。
普通に考えて禁煙の場所だと思うのだがユキトは気にも留めない。
この人、ちゃんと灰皿持っているんだろうか?
マオの頭に疑問が浮かぶが、今はそれどころではないので今回だけ、見逃す事にしよう。
マオは頭の疑問を振り払ってユキトに尋ねた。
「あの、分かった事って?」
ユキトは大きく息を吐いて煙と共に喋りだす。
「ヤヨイの無断欠勤、いや失踪に関わっている者がこのラボの中にいるかもしれない」
「それはどういう事ですか?」
一体誰が、何がどう関わっているというのだろうか?
もし誰かが関わっているとすればヤヨイは誰かに連れ去られたのか、それとも敢えて自分からいなくなったのか……。
少なくともヤヨイはただの無断欠勤ではなく失踪したとユキトは思っているようだが、考えても謎はますます深まるばかりだ。
「おまえはさっきyakata-003.zyって何かのパスワードみたいだと言ったな。何のパスワードだと思う?」
一応想定していた質問ではあったが、マオは戸惑っていた。
「私もずっとそれを考えていたんです。
ラボのPCのパスワードかとも思いましたがそれはおかしい気がして……。
ラボのPCは正直、パスワードを知らなくても管理センターさえ使う事ができれば他人がログインできる仕組みになっています。
だからヤヨイさんがいない状況でも申請をきちんとして許可が降りればパスワードを知らない人がヤヨイさんのPCに入る事ができますよね?
現にアズマさんがさっき申請していましたし」
もし管理センターを使わない場合、ログインはパスワードだけでは不可能になる。
IDも必要になるからだ。
このラボでは研究員証についているバーコードを読み取ってPC画面にIDを表示し、パスワードを入力して初めてログインができる。
しかし今日アズマが申請したようにパスワードを知らない者が他人のPCにログインできる方法がある時点であのメールを送ってくる必要がない。
パスワードが意味を成さなくなる。
もちろん、ヤヨイには自分のファイル閲覧申請が出ている事や後で何を閲覧されたかの通知が届く。
それが分かれば何かしらの対処は自分でもできるだろう。
何より他人は申請した情報しか閲覧できない。
少しでも他のファイルを閲覧したり、ましてや不正アクセスなんてしようものならすぐ管理センターのセキュリティが働いて周りが気付くのだから。
さすが、ユキトが考えただけの事はある。
開発者に似たのかシステムも相当捻くれているようだ。
つまり閲覧申請を出していない第三者はパスワードだけを分かっていてもヤヨイのPCには入れない。IDであるヤヨイ本人の研究員証がなければログインできないのだ。
「ダメだ。私にはお手上げです。
で、結局これは何のパスワードなんですか?」
マオの『お手上げ』を聞いてかユキトは微笑を浮かべて淡々と言い放つ。
「だろうな。
これは開発者の俺と、ヤヨイしか知らない。
お前が知らなくて当然の事だ」
ピクっとマオの眉が動いた。
なんっっっかその言い方、腹立つなぁ。
人をバカにしている気がする。
再び湧き出てきた怒りをマオはなんとか沈める。
「このシステムを作る時、俺はある仕掛けを施した」
「仕掛け?」
「そうだな。誰にも知られたくないデータを誰にも見つけられないファイルに保管できる仕掛けさ」
ユキトはポケットから筒状の携帯灰皿を取り出して吸い殻をしまった。
意外とそういうところはしっかりしてるんだよなぁ、ほんと。
「俺はそれをズィファイルと呼んでいる。
.zyと末尾につくパスワードでPCにログインした時、デスクトップ上に現れるファイルだ。
パスワードの初期設定や変更をする時によくあるだろ?
確認の為にパスワードを再入力する欄が。
そこに改めて設定したパスワードを打ち込んだ後、その末尾に.zyをつけて登録するとズィファイルの完成だ。
後はそのパスワードでログインすると自分のPCでしか開くことのできない秘密のファイルがデスクトップ上に現れるってわけだ」
はぁ……と、マオはため息をついてユキトに尋ねる。
「そんな突拍子もない話、今まで考えた事もなかった。
あのー、これってもちろん所長には?」
「言うわけないだろう。開発者の特権だぞ」
ほら、またユキトの独壇場だ。
思わず呆れ顔になってしまう。
「全くユキトさんは!!
所長をなんだと思ってるんですか。
なんだかあまりにも不憫で……可哀想に思えてきますよ」
日々、研究員の事を考えあくせく働いている所長が目に浮かんでくる。
こうも自分勝手に動く研究員がいる事で所長は随分と手を焼いているのだろうな。
「さぁ、ここでもう一仕事だ。
ラボのPCへ普通にログインするにはヤヨイのIDが必要だ。それはズィファイルも同様、パスワードだけでは意味がない。
だから今は普通にログインをしない」
ユキトのその一言でマオには何となく察しがついた。
「まさか、ユキトさん……」
ユキトは一応、この管理システムの開発者だ。そう、一応は。
という事は今、手元にヤヨイのIDがなかったとしてもこのパスワードだけで簡単にズィファイルへ入れてしまうのではないだろうか?
ユキトは鼻でフッと笑う。
「そうだ。管理システムからこのパスワードを使ってログインした履歴を辿りヤヨイのIDを引っ張り出す。
当然、ズィファイルは管理システムの履歴にも残らないだろうからyakata-003だけを使う。
ほら。ここまで言えばおまえでも出来るだろ?
ちょっとやってみろ」
「えっ!?
ちょっ、なんで私が!?」
明らかにこんなハッキングまがいな事まで所長が許可するはずがない。たとえユキトがこのシステムの開発者であってもだ。
というかズィファイル自体、所長は知らないのだ。
それにユキトがわざわざ伝えるわけもないだろう。
オロオロしているマオを見たユキトは今度はニヤッと笑った。
まずい、これは悪い笑みだ。
「何事も勉強、だろ?」
これにマオはすかさず反論をする。
「だからってこんな悪事の片棒を担がせないで下さいよ!!
第一、人が秘密にしているファイルを暗号が送られてきたユキトさんならまだしも私が勝手に暴いたりしたら……。
ヤヨイさんがラボへ戻って来た時になんて言ったらいいか……ヤヨイさんの顔、真っ直ぐ見られませんよ!?」
一瞬、ユキトは考えたようだったがすぐに思いとどまる。
いつも読んでいただきありがとうございます(*´꒳`*)
今日の夢は自分の中では定番な夢でした。
なぜかわたしは夢の中で白人の銃を持ったマフィアになって黒人スキンヘッドを追いかけてるんですwwww
そしてシンガポール?的な外国の高層ビルの屋上から黒人スキンヘッドを落とすんですが黒人スキンヘッドをどついた時に視点が変わって何故か自分が落ちていき目が覚めるという不思議な夢をたまに見ます笑
需要があればそんなお話も書きたいなぁと思う今日この頃でした!
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それではおやすみなさい!




