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第12話 狼の独戦場

こんにちは( ´ ▽ ` )

なんか外で風がビュービュー言ってますが、今日も何とか生きてます……。

暇つぶしにぜひみて頂けたら嬉しいです!

 

 「ユキトさん。

あの……どこへ向かってるんですか?」


 ユキトは先程からずっと無言で歩き続けている。


 おかしい。

私は先程、暴走したユキトをなだめるつもりで追いかけてきたはずなのに。

 いつの間にか黙ってついて来いと言わんばかりに先を歩くユキトのペースに巻き込まれてしまっている。


 「あぁ、もう!!!」


 マオは頭を抱えながらただ何も言わないユキトについて行くしかなかった。


 しばらく歩いているとユキトは突然歩みを止めた。

この先は管理センター室だ。


 その時、今まで黙っていたユキトが突然口を開いた。


 「おまえって、金魚のフンみてぇなやつだな」


 マオはまるでゴーンと頭に鉄球を食らったかのように唖然とした。


 全く、この男は本当に……っ!!!

 振り回してるのはお前だろうがっ!!!!


 怒りのイの字がすぐ喉元まで出かかっている。


 私は科学者、冷静になれ。


すぐさまこの言葉を脳内で何度か再生しマオはかろうじて冷静さを保つ。


 「あのねぇ、私はあなたに振り回されてるんです。


ヤヨイさんがいなくなって気が立ってるのはわかりますけど、何も私に当たらなくたっていいじゃないですか!


 私だってユキトさんと同じ気持ちなんですよ!?


 だいたい朝から私のこと疑ったり、今も無言でこんなところまで来たと思ったら開口一番が金魚のフンだぁ?


 振り回すのも大概にして下さい!!」


 ダメだ、冷静さを保てなかったようだ。


 「まぁ、落ち着けよ。

話はまずこっちを先に片付けてからだ」


 「落ち着けって……」

 落ち着かなくさせてるのはお前だろうがっ!!!


 そう言いたかったが、マオはグッと堪える。

そう、こっちが大人になればいいのだ。


 私は科学者、私は科学者、私は科学者……。

 科学者は冷静でないと務まらない。


 起きている事柄に対して冷静かつ客観的に観測することが大切だからだ。


 マオは大きく深呼吸をする。


 「分かりました。

では先にどうしてここへ来たのか説明してください」


 あり得ないほど引きつった笑顔でなんとか冷静にユキトへ質問した。


 「管理センターのAIオート監視システムを手動に切り替える」


 ユキトはそう言い放ち管理センター室へ入って行こうとするのでマオは慌てて引き止める。


 「ちょっと待って下さい。

一応聞きますけど……所長の許可は?」


 「大丈夫だ、ちゃんと取ってある。

おまえは俺が不正を働いていないかそばで見ていろ」


 「システムを手動に切り替えるって……。

どうするつもりですか?」


 「この部屋は管理センターと言うくらいだから消えたデータも完全に無くなったわけじゃない。


 必ずどこかに管理されているはずだ。

ちょうどPCのゴミ箱に捨てたデータもゴミ箱を空にするまでは消えないようにな」


 「なるほど。

その管理されている場所を突き止めて全てのデータを復元するつもりなんですね」


 「口で説明するより実際にやった方が早い。

おい、ついて来い」


 「分かりました。

じゃあユキトさんが変なことしてないかしっかり見張らせていただきます」

 

 正直、意外だった。

普段から勝手なことばかりやるユキトが所長に許可を取っている事はもちろん、所長に見て来いと言われて来たわけでもなく自分から来たということにマオは驚く。


 この男も世の為、人の為と自分から動くことがある人だったとは。

きっとデータが消えても我関せずな人だろうと思っていたので少しだけユキトを見直す。


 ユキトが管理センター室の扉を開けると異様な光景がそこに広がっていた。


 ここへ来て数年は経つが、この部屋の中へ入ったのは初めてだ。


 大きな球体が部屋の中央で回転している。


 「こいつが情報を管理しているAI本体だ」


 冷静にユキトが言う。

 鋭い目つき、堂々とした立ち姿と風貌からまるで狼のようだ、とマオは思った。


 ユキトがAI本体と呼ぶそれを取り囲むように四面にモニターがあり、こちらへ向けられている。


 ちょうどモニターには監視カメラのようにPCの画面がいくつも表示されていた。


 おそらく、ここに表示されているPCの画面は今ラボで使われている誰かのPCで見ている画面なのだろう。

 誰もいない無機質な部屋で何百台もあるPCをこの球体一つが管理しているというのは感慨深い。


 部屋の奥には3台の稼働していないデスクトップ型PCが置いてあった。

 ユキトは迷わずそこまで進みPCの前にある椅子へと腰をかける。


 「これを使ってAIに直接アクセスして手動にする。面倒臭いから早く終わらせるぞ」


 PCを立ち上げた途端、目にも止まらない速さでユキトの細い指がカチャカチャとキーボードを打つ。


 画面にはマオが見たこともない羅列の文字やら数字やらがどんどん表示されていった。

 

 『コードを確認しました。

手動監視モードに切り替わります』


 大きな球体のAIから音声が聞こえてくるとユキトの手はしばらく止まる。


 「さて、ここからが本番だ。

消えたデータがどこに管理されているか手動で調べて見つけ出さなければならない。

 見つけ次第、復元して全データを元のPCへ戻す」


 「あの……さっきからやってる事がさっぱり分からないんですけどたぶん連れて来る人、間違えてませんか?


 私よりも他にもっと適任者がいたと思うんですが」


 「静かにしろ。

作業に集中できん」


 「あ、すいません」 


 うん、さすがはユキトさん。非常に扱いづらい。


そう思いながら黙って見守っているマオを尻目にユキトの超高速タイピングがまた始まった。

 

 食いいるように画面を見つめた後、目当てのものではないと判断するや否や文字や数字を打ち直す。そしてまた画面を見つめる。

 その繰り返しが数分続きマオもその作業がやっと見慣れてきた頃、ユキトは呟いた。


 「よし、あった」


 「早い。もう見つかったんですか?」


 「あぁ。

ラボで消えたデータは全てこのファイルの中に転送されていた。

 何らかのセキュリティが働いたのかもしれないな。

 とりあえず後はデータを復元して元のPCへ転送し返すだけだな」


 数分後。ユキトがPCを立ち上げてから僅か十数分で完全にデータの復元が完了した。

 きっと今頃、事務所では消えたと思っていたデータが元に戻り歓声があがっているところだろう。


 「こんなものか。

今見た限りではウイルスも特に見当たらんし正常だ。となると、やはりセキュリティが厳しすぎて誰かの起こした動作に過剰反応したのかもしれないな」


 ユキトはふう、息を吐き出して今までの緊張感から一気に解き放たれた。


いつも読んで頂きありがとうございます( ´ ▽ ` )

また明日も更新したいと思いますのでよろしくお願いします。


ではまた明日!

おやすみなさい!!


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