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第118話 割のいいアルバイト

おはようございます!

早起き投稿失礼しますっ!!


また暇な時に読んで頂けたら嬉しいです。

よろしくお願いします♪




 「あんたは……っ、誰だ!?」


 心当たりがないと言わんばかりにユキトは首を傾げた。


 「おいおい、忘れちまったのか? リョウイチ•ペインティング株式会社、覚えといてくれよって言ったじゃねーか。あんちゃんとは公園のベンチで話し込んだ仲だろうよ」


 「リョウイチ……? あのイベントの参加者か!」


 「あっ……!!」


 ユキトとマオが驚いた声をあげる。


 そうだった。リョウイチはマーライオンのヘソのイベントに参加していた。外見は20代後半くらいなのに中身は42歳、車の塗装屋。サカキがトレースバースを使ったことにより、違う身体に脳情報を上書きさせられてしまったのだ。


 マオはとてつもなくダサい格好をしたユキトとリョウイチとの間に起こった出来事を知っている。


 「思い出してくれて何よりだ。だいぶこの身体にも慣れてきて、お陰さんでもう好き勝手やらせてもらってる」


 「どうしてあんたがここに?」


 ユキトがそう訊ねると、リョウイチは照れくさそうに笑う。


 「いやぁ、なんかチャラチャラした若いのにバイトしないかって声かけられてさ。車に人を乗せるだけだってのに結構良い金払ってくれるんでOKしたんだよ」


 「ユキトさん、それってまさか……」


 ユキトはゆっくり頷いてリョウイチに言った。


 「あぁ。きっとその車に乗るのは俺たち、だな」

 

 「えぇ!? あんちゃんたちだったのか。ってかあんた、結婚してたんだな。抱っこしてんの、あんちゃんの子供だろ。で、後ろにいる美人な人が奥さん?」


 リョウイチはヤヨイの方を見ると、ユキトにニヤニヤと笑いかける。


 「ちっ……、違うっ!! そんなんじゃ……」


 あたふたして顔を赤らめるユキト。


 それにマオが思わず吹き出してしまう。

 こんなユキトを見るのは珍しい。


 「うんうん、そうか……って違うの? いやぁ、でも若いってやっぱいいね。ま、乗りなよ。()()()()()、行ってきた帰りなんだろ」


 ガハハと豪快に笑ったリョウイチは、運転席側のドアに付いているopenボタンを押した。


 赤いワゴン車のドアが自動で開かれる。

 一同を快く迎えてくれているようだ。

 

 助手席にはユキト、運転席側の後部座席にはヤヨイが座る。

 少女はというと、今度はヤヨイの腕にしっかりと抱かれて眠っていた。


 ユキトが助手席に座るなら子供は奥さんに任せた方がいいとリョウイチが言い、こうなったわけだが……。


 ヤヨイは隣にマオが座った途端、リョウイチには聞こえないようにこっそりと訊ねてくる。


 「ねぇ、あの人誰? まだワタシのこと、奥さんだと思ってるみたい」


 マオは苦笑して答えた。


 「エヴァンディール計画を調べているうちに知り合った人なんですけど、こういう感じの人で……。もう奥さんってことにしておいた方がいいと思いますよ」


 困ったような、嬉しいような。

 ヤヨイはどちらとも取れる顔でマオを見つめる。


 なんだかいつも通りの日常が戻ってきたみたいだ。

 マオは口元を緩ませ席を詰めると、ドアの前に立つアズマへ声をかける。


 「アズマさんも早く乗ってください!」


 しかしアズマは一向に乗ろうとしない。

 迷っているのだ。


 「僕は……、結果的に皆さんを危ない目に遭わせてしまった。たくさん傷つけて……そのくせ何ひとつ守ることもできないで……。今さら僕がキーラボに戻る資格なんて……」


 静かに俯くアズマの手をマオはそっと握った。


 「もういいの。一緒に帰りましょう、キーラボに……!」


 マオの言葉にアズマが顔を上げ目を丸くする。

 夜風のせいで冷たくなってしまった彼の手が、小さなマオの手をギュッと握り返したのだ。


 アズマはそのまま無言で助手席側の後部座席に座った。


 「いいのか?」


 「あぁ、出してくれ」


 「あいよ!」


 ユキトのゴーサインでワゴン車のドアが閉められる。

 軽く返事をしたリョウイチが車を発進させようとした瞬間、耳をつんざくようなサイレン音がユーゼンの建物内から聞こえてきた。


 ガシャンと大きな音を立て、出入り口を突き破って出てきた鉄の塊が4つ、目の前に現れる。それらから流れる不気味な音声。

 

 『マシタ。ケンゲンシャニヨリ、ハッポウガキョカサレマシタ。カノウナケンナイ、キョリ……。コレヨリチンアツモードニイコウシマス』


 「まさかこれ警備ロボット!? 大きさはさっきと同じみたいだけど……こんなの、見たことないっ!」


 ヤヨイの声に反応した鉄の塊が横一列になり、ワゴン車目掛けてゆっくりと移動してきた。


 『だよね、オレも知らなかった。商品開発室に警備ロボットの設計図があってさ、詳しく調べてみたら秘密の機能が隠されてたんだよ。気になって試してみたらイカつい形になっちゃったってワケ。テロや暴動を鎮圧するのに使うんだって。確かにこれはショッキングだ。こんなの刺激が強過ぎてテレビでは放送できないよねぇ?』


 警備ロボットから発せられる人間の声を聞き、車内にいた殆どが誰の仕出かしたことかを理解する。


 「またお前か、しつこいぞっ!!」


 『チッ……うるさいなぁ』


 鉄の塊……いや、鎮圧型警備ロボットがユキトに舌打ちをすると列を崩さずに方向転換を始めた。


 ロボットが粉々になって散らばった出入り口のガラスを踏み潰そうが、ユーゼンの建物にぶつかって外壁を砕こうが、彼はそんなことを一切気にしていない。


 「もうやめろ、クリオネ!」


 『いいや、やめないよ』


 車の窓から顔を出し、怒鳴るユキトにクリオネは淡々と答える。


 建物の外壁を削りながら鎮圧型警備ロボットたちが向かった先には、一台のバイクが停まっていた。あれはユキトがヤヨイのマンションからユーゼンまで乗ってきたものだ。


 そこでやっとクリオネが何をしようとしているのか、気がついたユキトは


 「あっ……、待てっ、それはダメだっ、やめろっ!」


 と叫ぶが虚しく……。


 ロボットたちは無情にも進み続ける。


 ガシャガシャガシャという嫌な音を最期にユキトのバイクはロボットたちの行進の末、ぺしゃんこに潰されてしまったのだった。


 「……っこのクソ野郎!!」

 

 『あっははははは! キミたちもこうやって欲望のままに生きてみるといい、なぁんにも考えないでさ! その方が楽しいに決まってる』


 ユキトは鎮圧型警備ロボットを鬼のような形相で睨みつけた。


 「生憎、こっちは考えるのが仕事だっ! お前みたいなクズは間違いなくいつか悲惨な目にあうぞ!!」


 悲惨な目にあうだなんて、もうそんなの昔からずっとだ。


 そう答える代わりに、クリオネはユキトに告げる。


 『へぇ、まだ懲りてないね? じゃあ次はキミたちが潰れる番かな』


 再びロボットから不気味な音声が流れ出した。

 

 『ケンゲンシャニヨリ、サイダイジソクガ80キロメートル二ヘンコウサレマシタ』


 「おいおいおい、なんかこれヤバいぞ!?」


 車と同じくらいのスピードでピカピカの赤いワゴン車へ向かってくるロボット。


 ユキトの愛車の末路を見たリョウイチは慌ててチェンジレバーをドライブに入れアクセルを踏んだ。


 「よし、しっかり掴まってな!」



 車通りの少ない夜の公道をワゴン車はひたすら走り続ける。

 ワゴン車を取り囲むようにして、4体のロボットは一定の距離を保ちながら追行した。


 「こいつら、ずっと追っかけてきやがるな。おい、あんちゃん。何とかならねぇのか?」


 「それをずっと考えてる。さっきは位置情報を登録されたせいで追いかけられる羽目になった。こいつらも追いかけてくるってことはまた何か、俺たちの情報が使われてるはずだ」

 

 「すげぇな、まるで密着警察隊トゥエンティーフォーだ!」


 「あのドキュメンタリー番組とはワケが違う。俺たちは追われる側になってるんだぞ!」


 リョウイチとユキトの話が聞こえているのか、クリオネは楽しそうに笑っている。


 『ふふっ、ドキドキするでしょ。オレも今まではだいたい追われる側だったから、追う側って超新鮮なんだよね♪ とりあえずコレでも行っちゃう?』


 後ろから追いかけてくるロボットはその声をマオたちに届けた後、腕のようなパーツをリョウイチのワゴン車へ向けて突き出した。


 『コレヨリハッポウヲカイシ、シマス』


 

いつも読んで頂き、そして応援頂きありがとうございます!!


お昼に投稿しようと思ってましたがメンテナンスがっ!!!!(;´Д`A

起きたらガラッと様変わりしていたので、使いこなすのにまた時間がかかるかもしれません笑

(機械音痴wwww)


最近iPhoneも15デビューしたんですが7と違い過ぎて未だに使いこなせず……。

フェイスIDに苦戦して色んな顔で試してる最中ですwwww


ではまた続きを書きたいと思います!!


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