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反勇者連合軍  作者: 日本うさぎ
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変貌の予感

私の名前はリゲルグ。

今、巷を賑わせている『勇者アステラ』の幼なじみだ。


彼が旅立ってから二ヶ月がすぎた。

王国軍が定期的にアステラの活躍を知らせる立て札を定期的に

立てており、それを見て「さすがは予言の勇者様だ。笑」とほくそ笑んでいた。


何やら魔法使いを仲間にして魔王軍の将軍を倒したらしい。

たった二ヶ月で魔王軍の将軍を倒せたのなら近いうちに

魔王を倒すのも夢ではないな。

この町は魔王城に近いこともあり日々

魔物達の猛攻を受けて村の人々が疲弊していくのが目に見えてわかる。


あと、もう少しの辛抱だ。

きっとアステラがたくさんの仲間を率いて

魔王を倒してこの世界に平和をもたらしてくれる。

そう信じて村人は奮起した。



ある日、村に武器や防具、薬などを売ってくれる商人のバイヤさんが

きていた。

バイヤさんはこの危険な世界の中で色んな村を

まわっている。だからこそ色んな情報を持っている。

私はバイヤさんにアステラのことを聞いてみた。

「なあ、アステラはかなりの活躍みたいだが他の村ではやっぱり英雄なのかい?」


バイヤさんは少し苦い顔をして話してくれた。

「ああ、確かに英雄ではある。アステラ様によって助かった村も

 たくさんある。しかし噂なんだがどうも強盗まがいのことをしているみたいなんだ。

 人の家のツボを割ってみたり、クローゼットから防具を盗むなんて噂もある。

 信じ難い話ではあるが隠していた金を盗まれて自殺した人までいるって話だ。」


俺は半信半疑だった。

あいつがそんなことをするわけがない。

自分のことよりも世界のことを考えて己を犠牲にすることも

いとわない男だ。本当でもきっとわけがあるはずだ。


バイヤさんは続けて「あくまで噂だからな。お前が信じてあげろ」と言って

防具の補修用の皮とおまけのリンゴをくれた。

胸のモヤモヤを消すようにニッと笑って礼を言った。



また二ヶ月が経ち王国軍の立て札がたった。

『勇者アステラ、魔法使いと戦士を連れて乗っ取られていた城を取り返し魔王軍四天王補佐を撃破。』

町には歓喜の声が響いた。

やはりすごいやつだ。またこの短い期間で新たな仲間と魔王軍の

階級持ちを倒したんだからな。この調子だと

あと一年もしないうちにこの村も助けてくれるんじゃないか。

そう思い村の門の警備を交代しにいくとまたバイヤさんがきていた。


「お、バイヤさん。元気そうだな。

 今日もアステラの話を聞かせてくれよ。」

私がそう言うとバイヤさんは

「アステラ様は今やその辺のサイクロプスくらいなら

 一撃で倒せるくらいには強くなっているみたいだぞ。

 後少しで世界は助けられるから彼女と結婚でも

 考えた方がいいんじゃないか?この指輪、中古だが綺麗に手入れしてあって

 婚約指輪にはもってこいだ。1万ゴールドでどうだ?」

たしかに気品と美しさを兼ね備えたいい指輪だ。

無理を言って半額の五千ゴールドで売ってもらった。




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