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何すりゃいいの?

「で俺ら、どうすればいいと思います?」


 一郎がそう言ったとたん、しばらく通信が途切れた。


<あー、テステステス。ラスプーチン……じゃなくてイブーシギン、聞こえますかぁ?>


「あ、淡島さん、俺です。申し遅れましたが佐藤一郎です」


<ああ佐藤さんて言うんですか。すみません、いろいろ調べていたもので>


「はあ(いきなり切るなよ、捨てられたかと思った……)」


<それで、さっきの件なんですけど。方法はあるにはあります>


「どんな?」


<予定通り、宇宙船に核弾頭を乗せて小惑星の”ある一点”に突っ込むんです。今日中にやれば、破片はだいぶ地球に落ちちゃいますが、小惑星のコースは逸れて、人類の滅亡だけはなんとか防げそうです>


「はあ、だとして俺らは何をすればいいんですか?」


<まず、格納庫に行って核弾頭と宇宙船の数を確認して来てください。あ、間違ってもそれで地上に降りようなんて思わないでくださいね、燃え尽きちゃいますから。宇宙船は機体の横に書かれている番号もメモしてください。格納庫では放射線を防ぐために必ず宇宙服を着てくださいね。ちなみに宇宙服は……>


 一郎と田中山は普通は5分で着られるという宇宙服を15分近くかかって着ると、よたよたとした足取りで格納庫に向かった。


「うっへー、なんかすげー」


 格納庫には大量のコンテナがあったが、爆発の影響か、それともさっき一度重力が抜けたせいか、酷くとっ散らかっていた。


「放射線は漏れてないらしい」


 宇宙服についた線量計を見て田中山が言う。一郎は目の前の惨状をただ茫然と見ていただけなのに、やはりモテる男は違う。


「使えるコンテナはいくつあるかな」


 一郎が言うと田中山が答えた。


「ああ、まずドアが開くコンテナだけ数えてみよう、開かなきゃどうしようもないからな」


 二人で手分けして数えると、全体の三分の二ほどは開きそうだった。


「次は宇宙船だけど……」


 そう言った一郎はうーんと唸って考え込んでしまった。淡島から3機あると聞いていた宇宙船だったが、とりあえずまともに立っているのは1機だけ、もう1機はコンテナの下敷きになってあちこち潰れていて、残り1機はでんぐり返ってガラスにクモの巣のようなヒビが入っている。


「使えるのは一機だけか」


 一郎たちはコンテナのラベルを見て、弾頭の数をメモすると、コントロールルームに戻って、無線で淡島を呼び出した。

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