黒いテディーベア
これは、夢から夢へのお話……。
眠いから、幻を見た。
お気に入りのテディーベアが、突然ひょこっと立ってお辞儀をしてタップダンスを踊ってくれた。
タタンタンタン、ズン、タタタタ、タン、タン!
そのリズムが忘れられなくて、一緒に踊りたくなった。
気付くと、私も黒いテディーベアと同じ身長になっていた。
きらきらなタップダンスの靴を見下ろして、私もリズムをとる。
タタン、タン!
トントン、と肩を叩かれて振り返ると、黒いテディーベアがニッコリ笑って手招きをしていた。
「一緒に踊ろうよ」
私も笑って頷く。
一緒にタップダンス。
リズムよく、タタンタ、タタタタン、とタップを踏めば。
黒いテディーベアも同じ様にタップを踏む。
仲良くタップダンス。
ああ、楽しいな!
うとうと、私の居眠りの夢。
黒いテディーベアとタップダンスの夢。
微笑みながら眠る私の横に、黒いテディーベアがちょこんと寄りかかっている。
束の間の夢。
そして、私の将来の夢が決まった。
皆を楽しませる、タップダンサーになりたいなぁ……。
黒のテディーベア、私の耳にそっと囁く。
「なれるよ、君の夢は叶うから」
昼間の空に、見えない流れ星が、一筋流れていった……。
実際に家に居る、黒のテディーベアを見て書き上げました。
タップダンスって、一回やってみたいですね♪
お読み下さり、ありがとうございました。




