新時代の幕開け編 第四話 業火の中の意識
気がつくと俺は病室のベットの上だった。腹部には包帯が巻かれており、あれが夢では無かったことの説明がつく。俺の手から炎が出たのは気のせいなのかはまだ分からないが、いつもより何かおかしい事は分かる。俺がそんなことを考えていると病室の扉が開き、そこには心配そうな目で見る姉がいた。
「煉!!意識が戻ったんだ。よかった。このまま目が覚めてなかったら私は弟までも失うかと思って心配していたけど、意識が戻ってよかった!」姉が潤んだ目でこちらを見ているが何故か何も感情を抱かなかった。「なあ姉ちゃん。今何日?」俺がそう聞くと姉は「貴方、一週間も寝たきりだったんだよ。」俺はそんなに寝ていたのかと思ったが、今考えてみると妥当なのが分かった。あの時、確かに俺は腹部を貫かれた。それで生きているのが奇跡なんだと気づいた。
「煉、あの時町で何が起こっていたの?なんで貴方は重傷を負っていたの?わかる範囲で教えてくれないかしら?」っと姉が言うので俺は口を開いてこう言った。「あの時、黒装束の男が変な球体を男性の体内に入れたんだ。そしたら男性は雷のようなオーラで周囲を巻き込んで次の瞬間俺は腹部を貫かれていたんだ。だけどその時変な感覚があったんだ。あれは痛覚じゃ無いなにかがあったんだ。」そう言うと姉は不思議な顔をしていた。何か思い詰めたような顔をしていたが突然笑顔に戻った。「ともかく貴方が無事出良かった。下で飲み物買ってくるわね。」俺は静かに頷いた。