初回迷宮の核アップデート
前の投稿から1ヶ月近く間があいてしまい、申し訳ございません。
受験が取り敢えず一段落致しましたので、区切りのいいところまで書きました。
3月中旬にはペースを戻し、週一で投稿できるように執筆スピードを上げます。
今後もよろしくお願いします。
《再設定を開始します》
その音声を合図に、水晶玉が光り輝く。
《所有者の変更に伴い、ダンジョン状態を初期化します。
ダンジョンに所属する魔物・全消去。
トラップ・全撤去。
オブジェクト・全撤去。
初期化・消去・撤去によって生じた魔力を還元します。
生息している植物・魔物をダンジョンに組み込みます。
ダンジョン内の魔力を均一化。
湿度・温度を最適化。 》
ずらずらと細かい文字が水晶内に表示されては流れていく。
それが続くこと数分。
今度は別の文字が浮かび上がる。
いかにも緊急!という感じの派手な蛍光色で、少しだけ大きめの文字だ。
《割り込みプログラムを確認。
迷宮の核のアップデートと思われます。
アップデートを開始しますか? 》
YesとNoが表示されたので、Yesをタップする。
するとドロリと粘度を持った光が溢れ出てきた。
指にくっつきそうになり、慌てて離す。
数歩下がろうとした。スニーカーの紐がほどけていたことに気づかず、紐をガッツリ踏んだまま足を動かした結果、当然ながらバランスを崩してスッ転ぶ。
うわやっべまた濡れると思ったが、手をついた床はカラリと乾燥していた。手で撫でても水滴ひとつ付かない。
「どうした?真央」
「床乾いてる」
「マジか」
これも初期化とやらの影響なのかな?
溢れ出た光は水晶玉……いや、迷宮の核の表面を覆い尽くし、粘土のように固まった。
これで終わりかな?結構地味だったな、と思った数秒後。
ドクン………
と音を立てて迷宮の核が脈動した。
表面を覆っていた、光だった物体がひび割れて、隙間からまた新たな光が漏れる。
ドクン、ドクン、ドクン………
脈動はまだまだ続く。隙間から漏れる光も緋、碧、黒と次々に色を変える。ひび割れ落ちた、光だったモノの欠片は、床に着く前に粒子に分解されて空気に溶けた。
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン………
え、ちょっと待って。なんか大きくなってない?
水晶玉サイズだったよね?雪ダルマサイズになってるんだけど。
このままどんどん大きくなって圧死、なんて冗談じゃない。
大丈夫だよね……?
しかし、それは杞憂だったようだ。
こびりついた最後の光の欠片が剥がれ落ちると同時に、脈動は徐々に小さくなっていき、やがて止まった。
それにしても随分と大きくなったな。
小学校の運動会で使う、大玉転がしの玉くらいにまでなっている。
なのに小さかった時と同じく、ふわふわと宙に浮いている。
迷宮の核が触れろと言わんばかりに、一回明滅した。
手を再び押し当てる。
すると、《チュートリアルを開始しますか?》と表示された。
………どこまでもゲームっぽいな。
当然、yesを選択する。
球体なのでどうにも使い勝手が悪い。操作が難しい。
何回か頑張ってみて、ようやく選択できた。
《チュートリアルを開始します》
新たに表示されたのは、《ダンジョン情報》《ダンジョン改造》の文字、そして《オプション》と下に小さく書かれた歯車のマーク。
《プレゼントボックス》と小さく書かれたリボン付きの箱のマーク。
《ダンジョン情報》が光っていたので、タップを試みる。
ダンジョン名:なし
所有者:白宮真央
白宮美央
階層数:3
フロア数:3
階層数、3!?とんでもなく狭い!
ここをワンフロアとして考えたら、あと二つしかないの!?
あ、けど階は増やせるのかも。どうなんだろう。
ピロン
ん?なにこのLINEの着信音みたいな音。
「真央!右上になんか色々でてる」
え?あ、これか。どれどれ………?
強欲//やあ、迷宮の核のアップデートはうまくいったみたいだね
嫉妬//ここからは、私たちがリアルタイムで基礎知識を教えていくわよぉ
悪食//映像は迷宮の核から、こちらに送られてくるので、何でも質問してほしいのです
怠惰//………チュートリアル、始めるよ?
…………は? ええぇ!?