白宮姉妹の自己主張
白宮真央にとって双子の妹の白宮美央は限りなくイコールに近い存在だ。
クローンみたいにそっくりな、親ですら見間違える顔。
趣味も大多数、特にゲーム好きがかぶり、学力、そこそこいい運動神経も同じ。
面白がって同じ服を着て髪型も揃え、同じ学校の同じ学部に通う。
そして何より、楽しければなにをしてもいいという享楽至上主義が共通していた。
「人の不幸は蜜の味」を座右の銘にして小中高、さらには大学まで引きずってきた。
周りからは
「生きた天災、事件製造装置」
「人の皮を被った鬼畜悪魔」
「修羅場の半径5メートル以内には双子がいる」
「何?酷い目に合わされた?あいつらだからしょうがない、諦めろ」
などなど、酷く風評被害だ。
ちょっと見ていて楽しくなるようにちょっかいをかけるだけなのに。
噂話、ゴシップ、イタズラは女の子はたいてい好きでしょう?
私たちもマザーグースの少女像のごとく、お砂糖、スパイス、素敵な色々な物で、できているというのに。
スパイスが8割を占めているけども。
制服のスカートめくり。
プールを覗き込んでいるやつの背中を押して落とす。
同じくプールでイチャイチャしているリア充が乗っている浮き輪にこっそり穴をあける。それで、
「私泳げないの、助けてよ!」
「一人で泳げよ、しがみつくな!荷物抱えて泳げるかよ!」
「はあ?水泳部のエースだったとか云ってたじゃない!」
なんていう修羅場を、揃ってプールサイドからニヤニヤして眺める。
皆も一回はやったことあるよね?
え。そんなことやったことないって?
マジかよ。
…………なに?性格悪い?
よく言われます。