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幼女、第7話だ。

とある人からの依頼でぶち込みました、今回のストーリー。

見応えがあったらいいなぁ、そんなこと。

となってほしい次第です。


タツミ「さて、取り敢えずここから真っ直ぐに歩けば問題ないかな。」


オレはそう呟き、目の前の、、道?取り敢えず周りより草が短くなっている部分に沿って歩き出した。

ま、歩き出したって言っても足なんてないんだけど。


ーーーーーーーーーーー


「ミラ〜!あまり遠い所に行っちゃダメよ〜!」


お母さんのそんな注意の台詞を聞き流しつつ扉を開けて外に出る。


今日は近くにある森にでも散歩に行こうかな?

怖い魔物が出たって最近は聞いてないし、大丈夫。

つい前回にも行った時に見つけたお花畑でお花を取ってきて家に飾ったりしたらお母さんは喜ぶかな?

お父さんは今日もその森で狩りをしているから迷っても探しにきてくれるはず。


私はそんな事を思いつつ、村のすぐ横にある森の中へと歩いて行った。



ーーーーーーーーーー


ミラ「う〜んっ!」


森に入った途端に香る独特の空気。

私はこれが大好き。

だってこの空気を吸っていると落ち着くんだもの。


この道に沿って歩けば動物達は近づいてこない。

人がそこをよく通る事を知っているから。

自分達より強い私のお父さんや、狩人さんに倒されないためにも、この道には近づかない。

いつもは少し道から外れて小鳥さんやちっちゃな動物さん達と遊ぶんだけど、、、


ミラ「このままだと、日が暮れちゃうなあ〜。」


上を見上げればお日様がもうそろそろで真上に着こうとしていた所だった。


ーーー少し危ないけど、近道をしよう。


そんな考えがふと頭をよぎる。


危ないって行っても魔物は出ないし、言うほど危なくないんじゃないか?


そこまで考えて、私は道から外れて、生い茂る木々の中へと入って行った。


ーーーーーーー


チュッ!チュチュッ!


カツッ、、、コツッ、、、


チリリリリ、、、チリリリリ、、、


私の上を小鳥さん達が楽しそうに話している。木々の上で大きな尻尾が特徴のヒノネズミさんが木の種を木に打ち付けて中身を取り出している。そして直ぐ横の草むらには大きな虫さんが羽を擦り合わせて綺麗な音を奏でている。


道を外れただけで直ぐに観れる光景。なのにどうしてみんなはこの光景を見にこないのだろう?

どうして怖がるんだろうか。


そんないつも考える事をまた考え始める。

その間も足は止まらない。

ただ奥へ、奥へと、

幼い娘は誘われるように入って行った。


ーーーーーーーーーーー


タツミ「うーん。そろそろ出口が見えないかなぁ。。」


さっきまで歩いていた道が途中で切れていたため、致し方なしに暗い森の中を飛び回っております。

一応真っ直ぐは進んでいるはずなんだけどなぁ、、、


そんな事を能天気に考えていた時だった。


??「キャァアアアア!!」


もっと奥ーーーオレが来た方向ーーーから子供の声のような叫び声が聞こえて来たのは、、、



ーーーーーーーー


怖い!恐い!助けて!誰か!!


「ヒヒッ嬢ちゃん。どこから来たんだい?」


「俺たちに何か用でもあったのかな?」


顔に沢山の傷をつけた恐いおじさん達がだんだんと近づいてくる。

どうして?

私はただお花畑に来ただけなのに。


目的地に着いたと思ったら話し声が聞こえきて、それが気になったから、近くでこっそりと聴くつもりだったけど、その内容に思わず声を上げてしまったのだ。


内容は、私の居る村を襲う事だったのだ。


ついこの間から魔物が急にいなくなったため、何故そんな事が起きたのかなど考えずに、これを好機と見た盗賊団が近くにある村を襲う算段を立てていたようだ。


そこに偶然通りかかった私に話を聞かれたから、、、


その先の事を考えて寒気が走る。


「この娘、なかなか上物に育ちそうじゃないか?」


恐いおじさんが私をジロジロと見てそう言いました。


「ボスがそう言うのでしたら、どうしましょうか、、奴隷商にでも売ります?」


大きなおじさんの横に居る小柄でボロボロのローブを着たお兄さんがそう言いました。


ーー奴隷!?嫌だ!嫌だ!そんなの嫌だ!


脳裏に浮かぶのは村にも来たことのある、奴隷商人の馬車に乗っていた虚ろな目をしたボロボロの人たち。


私がそれになるの?

そんなの嫌だ!

そこまで思って、だんだん近づいてくるおじさん達に背を向ける形で走りだす。


「チッ!おい!ガキが逃げたぞ!追え!」


「さっさと捕まえないから逃げられるんですよ、、、」


「あ''ぁ''!?」


「いいえ、、なんでもないです。」


そんな声が聞こえてくる。けどそんなことも構ってられないほど必死に走る。

着ていたお気に入りの緑色の可愛いワンピースに跳ねた泥が付くのも気にしてられない。


しかし、悲しきかな。幼子の体力と敏捷値は圧倒的に低かった。


「捕まえたぜ!」


ガシッと腰を捕まえられる。

ジタバタと暴れておじさんに叩いたり蹴ったりするけど、


「大人しくしろ!」


そんな声と同時に着ていたワンピースを引き裂かれる。


ミラ「キャァアアアア!!」


お気に入りのワンピースを破られた事と、恐怖と、混乱に思わず叫び声をあげる。


「チッ!静かにしろ!」


露骨に嫌そうな顔をして大きなおじさんは低い声でそう言って、私の口に手を当ててきました。


ミラ「んーー!ふゔーー!」


紫の長い髪を振り乱しながら抵抗しますが、なんとも無いようです。

しばらくして、逃げることを諦めました。


「相変わらずボスも好き者ですよね〜。あ、そんなに睨まなくても、周囲は警戒して起きますよ。」


大きなおじさんが片手で私を掴みながらごそごそと何かをし始めた。


「ヒヒッ、嬢ちゃんの初めて、この俺様がいただいてやろう。」


とても劣情に満ちた顔で、そう言ってくる。

なに?なにかされるの?と半分諦めた心でそう考える。


ポロポロと涙が私の頬を伝う中、


『ねぇ。僕と契約して、魔法少女になって見ないかい?』


ふとそんな声が頭の中に響く、そして、それに答えるように私の心に一筋の光が差し込む。

そして、それを歓迎するかのように、掴んで自分のものにするかのように


ミラ「たふえへ!」


口を塞がれていながらもはっきりと聞こえる大きな声で叫んだ。


それと同時に、私の体が急に光り始めました。

それと同時にすぐそばで、


タツミ「やあ、君の守護精霊っていうのになった精霊だ。タツミって呼んでね。」


と聞こえる、慌てて視線を横に向けると、何かが浮いていた。それは赤より鮮やかな赤色をしたボールに半透明な羽がついたような見た目だった。


「「……………」」


おじさん達も呆然としたまま立ち尽くして居る中、タツミと言ったそれが、


タツミ「じゃっ、ちゃっちゃと終わらせましょうか。」


と言って凄い速さで飛んで行った。





僕と契約して、魔法少女になってよ!


by ルナ・アルス・マグナ



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