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傾世の暗殺者異世界に物申す  作者: 伊賀良太郎
第1章〜魔王暗殺〜
98/107

98バキン!

スミマセン!

手順ミスで少し遅れました!!

後短いです!

m(__)m


――――イテナ視点――――――――


「君達には用は無いんだが……。そこを退いてくれ」


俺の前に立ち塞がった2人に声を掛ける。俺が用が有るのはそっちの魔王であってその部下ではない。


「断る!!天使を殺したことによる一瞬の油断……。陛下……申し訳御座いませんっ!」

「嫌だよ。僕が退けば君は魔王様を殺しに行くんでしょ?なら退く訳には行かないかな」


口で言っても分からないか。


「分からない奴らだな。何度でも言おう。其処に居る魔王とはただの死体だ。今は生きているかも知れないが直ぐに死ぬ。高が数十秒の違いに過ぎん。俺が止めを差さねば苦しみは続くぞ?」


これも仕事だ。これからやるべきことが渋滞している。なるべく手早く終らせたい。


「貴様っ!!」


激昂する銀髪の青年ハウンドを隣の翠色の髪と瞳をした青年テセトがそれを制した。


「まぁ、待ってハウンド。奴のペースに乗ったらそれまでだよ。

死ぬまでの時間が限られているのはどんな生物でも一緒さ。だからこそ、意地を張って生き急ぐんだ。だって死にたく無いのはみんな一緒でしょ?

僕には夢が有ったんだ。誰にも不幸が訪れない、そんな平和な場所を見付けること。その実現の可能性のある場所が“此処”だけだと僕は確信している。僕の知る未来が、そうなると教えてくれる。

それとは別に魔王様は善い人だ。僕を“人間”だと知って受け入れてくれた。魔人と変わらずに扱ってくれた。僕を、ヨウスケ様を殺した“勇者”の子孫だと知っても受け入れてくれた。

魔王様は尊く、偉大な人だ。大切な人が一瞬でも長生きして欲しいと思うのは当然のことだと思うのだけれど?」


成る程、大切な人か。“それならば覚えがある”。分からなくもない。が、仕事だ。金に変えられる物でもない。さっさと潰して、それで終わりだ。


「言い分は理解した。納得もした。が、遺体を持ち帰ることも依頼の一部でな。押し通る」


「二歩右!」


瞬間移動でさっさとケリを着けようと銀髪の青年の右隣に転移し、手持ちの小刀で斬りつけ様とするが、即座に反応した青年が受け止めた。

読まれただと?この俺が?


「真後ろ!」


ならばこれでどうだ……。チッ、先読みされたか。またハウンドに受け止められた。


「左斜め前!右隣!左下!顎下!上!右斜め下!右上!」


ならば連続で……。


ガキキキキキキン!!


良くもまぁ、これだけ素早く反応出来る物だ。俺の体の動きを繋げた最速の連撃を受け止められたことに素直に称賛の気持ちが湧く。これもまた魔王の“危険予知”と同じく特殊な力か?しかしその予言に即座に従うとはとんでもない胆力だな。

翠の青年テセトの方に向き直ると瞬間移動で一瞬で近くに飛んだ。


ガキン!!


「随分と可笑しな力を持っているのだな」


淡々と小刀を受け止められ、鍔迫り合いとなると顔が良く見える様に顔を突き出し、翠の青年を深々と覗き込んだ。


「通さないって言ったでしょ?僕はこんな血筋がもたらす力なんて要らなかったけど、魔王様はこの力を認めてくれた。だったらこの勇者の力、存分に使わせて貰うよ」


ズオオ……。テセトから翠のオーラが噴出し、辺りを一体を脈打つ様なオーラが覆う。成る程、効果範囲か。かなり広いな。面倒だ。


「僕にとって、魔王様はフォルダ様一人だ。不敬だなんて知らない。僕には親は居なかったけど、おじさんもおばさんも魔王様も居て、僕は幸せだった。君はその幸せを奪ったんだ。覚悟は出来てるよね?」


ガキン!!


鍔迫り合いと均衡だった力はいつの間にかテセトに傾き、俺を力で吹き飛ばした。

力が上がっている?どういうことだ?


「奪われる、覚悟ってやつがさ」


ビュオ!!


空気を切り裂く音と共にテセトが追撃してくる。


「クッ!」


ガキキキキキキン!!


チッ!受けづらい!こっちの動きが読まれているせいかテセトの動きは素早く、迷いがなく、重い。力が上がっていると感じたのはこのせいか。予備動作が無くなった分一撃一撃が重くなっている。武器が折れてしまいそうだ。しかも攻撃方向にも不意を突かれる。これが行動を読まれたことの弊害か。


「唯でさえ呪いだかで力が制限されて居ると言うのに……!」


そう、今俺はこの武器のお陰で筋力だけは通常と変わらないが、体力、敏捷力、防御力は大きく減衰している。このまま攻められる状況が続けばまぐれ当たり1つで死んでしまう。

……ん?死ぬ?

何時から俺はそんなに弱気になってしまっていたんだ。そうじゃないだろう。違う。

俺は、死なない。まぐれ当たりなどない。勝つのは常に俺だ。


「行動が読めると言うならば、読めた所で関係ない攻撃をすれば良いだけだ。『威力最大強化魔法矢』!」


一番初級の魔法。単に魔力で固めた魔法の矢を放つという物だが、それを威力強化し、上級魔法と然して変わらない威力で放った。10本の魔法の弓矢がテセトへと殺到する。


「こんなんで止めを差せるとでも思ってるの?甘いよ」


ドクンッ!


オーラが一際強く脈動した。テセトは何の構えもせず、弓矢の群れに自ら突っ込む。

1本目の弓矢を避けると、2、3本目を切り払い、4、5本目を小魔法で撃ち落とす。残りを華麗なステップで避けると、追尾して翻る弓矢に向かって魔法を放った。


「≪ロックブロスト≫!」


空中に作り上げた無数の岩を魔法の矢に向かって射出すると、魔法の矢は呆気なく破壊され、残骸が部屋に落ちる。


「勿論、思って居ない。本命は此方だ」


行動を乱せば十分瞬間移動で移動できる。テセトの胸の中心に手を起き、準備する。


「その動きは“未来で視た”よ。だけどそんな程度じゃ人間は殺せな……カハッ!」


ズドン。俺がその胸の中心を絶妙な強さで叩くと、テセトは肺の中の空気を全て吐き出し崩れ落ちる。


「何……が……」


混乱したのか口をパクパクさせるテセト。俺は序でに説明してやる


「心臓が脈動を止めたのさ」


心臓はその重要な役割の割に脆い。故に肋骨の様な自然の鎧に守られて居る訳だが、若い内はその肋骨は十分成長し切っていない。故に時々強烈な外力によって心臓の機能が停止することがある。

つまり俺がやったのはソレだ。これが起きるには脈動の間隙を縫う絶妙なタイミング、肋骨のしなりを利用した強すぎず弱すぎない絶妙な強さの全てが揃う必要がある。

だが、俺にとっては他に気を取られた程度の一瞬の隙があれば十分だ。胸に手をあて、鼓動、電気信号を感知し、最高のタイミング、最高の力加減で叩くことで、その状況いつでも再現が出来る。若くなくとも関係無い。俺の自然死に見せ掛けるテクニックの1つだ。


「そうか……。それ……だけ……分かれば……十分!」


テセトはそう言うと、自分の剣の刃を握り、自分の胸に突き立てた。


「グゥ!」


痛みに呻きながら傷口を手でこじ開けるとその傷口に腕を突っ込む。


「自分の手で心臓を動かそうと言うのか。助かる前に失血で死ぬぞ」


呆れて居るとテセトは本当に心臓を自分で動かし始めた。


「構わない……よ。死ぬことは許容出来ても、今戦えないことは許容出来ない……。今ここで戦えなかったら、魔王様が死んでしまう……。僕は魔王様に少しでも長生きして欲しいんだ……!」


テセトは心臓が再び動き始めたことを確認するとバシャバシャと胸に空いた穴から血を落としながら立ち上がる。


「大した忠誠心だな。大人しく地面臥して居れば良いものを」


「“親”を見殺しにする子供が何処に居るのさ……!」


死ぬまで戦い続けそうだな。仕方ない。殺して押し通るとしよう。どうせ死に損ないだ。大した手間でも無いだろう。俺は拳を振り上げると、テセトに叩き付け――。


パシン!


「テセト様、御忠勇、陛下もきっと御喜びになることでしょう。後はお任せ下さい」


ようとした所で銀髪の青年ハウンドに阻まれた。そうか、コイツも居たな。すっかり忘れていた。


「僕は……陛下の幸せを、誇りを、守れたかな」


「ええ、十分に。しかし、陛下の民を護るには未だ未だ貴方の力が必要です。必ず、生きて下さい」


「ハハ……。手厳しいな。分かった……。後は任した」


それだけ言うとテセトは気絶した。失血量は多いからな。生きるかどうかは五分五分だろう。


「勝てると思って居るのか?」


「いいえ、しかし陛下の御命が尽きるその瞬間まで御守りするのが近衛隊の仕事!命を賭けて最期の数瞬を稼ぎます!≪ウインドプロテクト≫!」


ハウンドは自らに風の保護魔法を掛け、空気抵抗をグンと減らすと先程より更に速いスピードで走り回る。


「鈍い」


しかしその動きは単調。動きが直線的で余程読み易い。


「ぐあっ!……未だ未だ!」


小刀で斬りつけるが、そのスピードを落とすことはない。

何度斬りつけても、スピードは落ちない。


「ええい、ハエか鬱陶しい」


「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!!!!!!」


そして、“数瞬”が立った頃、魔王の死体の側から怒りの破裂音が聞こえてきた。

直後、危機感を感じて小刀でガードする。


バキン!!


俺の愛刀は砕き割れ、代わりに目の前には“復讐者”が居た……。


「殺ス!!!!!!!!!!」


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