84薬草採取!
ちょっと短いですけど切りが良かったのでここで切りました。
話が全然進まなくて困る。漸く第一部開幕位かな?
後前回のPVが有り得ない位低かったので応急措置としてガルシアの短編を急いで書きました。
後書きが後日埋まってたら察して下さい。
結構自信は有ったんですけどね……。
感想が来ないと独り善がりになりがちです。
――――正也視点――――――――
夜もまだ明けきらない内に俺達はこそこそっと『猫の日向ぼっこ』を多数の荷物を抱えて出る。どうして俺達がこんな夜逃げみたいなことをやって居るかと言うと優人が拷問用ナイフを買ってくれたせいで路銀が尽きたから……という訳では全然なく、あの詐欺師のスーザンの魔の手から逃れる為である。
知らない人の為に説明しとくと、スーザンとはこの間会った新手の詐欺師であり、その手口は主神教の司祭見習いを名乗って近付くと言葉巧みに取り入り、俺達の貴重な時間をロスさせる、というガンジーですら助走つけて殴るレベルの諸行である。恐らく本性は魔王の手下とかだろう。俺は神とか云う奴を完全に敵視していると言うのにその横でピーチクパーチク神の御告げがどうのこうの言われ続けるなんざ堪ったもんじゃない。精神が壊れること請け合いだわ!
という訳で俺達はそのスーザンに見つからない様にこうしてこそこそっと城壁の門が開く時間ギリギリに行こうとしているのだ。
幸い、あの時スーザンの話術に絡み取られながらも何とか行く時間と泊まってる宿の名前だけは死守したので、バレることは無い筈である。あのどうにもならない状況からこれだけは守ったんだ。全力で誉められても良いと思う。
門に着く。辺りを見回して見てもスーザンは見当たらない。ホッ、と一息ついて公務を開始し始めたばかりの門番さんに外へ出る手続きをする。手続きに一番時間が掛かるのは俺だ。何せMrs.Bを連れてるからな。このMrs.Bは『人間ばっかり恐いのー』と言いながら宿屋の中でニート生活をして居た。良いご身分だなとは思わないでも無かったが、一緒に居る内に情の様な物が芽生えてきたので許容範囲と思っておくことにしよう。猫に自分のベットを占領された時と同じ感じの気分だ。プルプルした滑らか触感とか、手が沈み込む不思議な感覚とかナメクジみたいにジメッとしてないのも相まって中々に愛い奴である。正しくペット感覚か。まぁ、実力的には俺はMrs.Bに大きく負けてるんだがそこは気にしないでおこう。ワンミスであの世行きとか未だに夢に見ることすらある。泣きたくなるからそこは触れない方向で。人間を恐がって部屋に籠るっていうのも分からなくないし、何ならトラブルが無いのでその方が好都合だったりするしな。
という訳でMrs.Bは魔物である為に面倒臭い手続きが色々と必要なのだ。別に他の街に移動する時なら何の手続きもなく出るだけで済むのだが、また戻ってくるとなると冒険者カードの控えだとか魔物の種別の控えだとか拠点認定証だとか色々大変なのだ。これをしないと帰って来た時にまた2、3時間の入街審査をやり直すことになる。だから門番さんが朝イチに面倒臭い物持ってきやがったな、なんて顔しててもやって貰うしか無いのだ。諦めて公僕君。まぁ、ギルド長がこの街をシメてるんだから冒険者を無下にすることは出来ないだろうしね。
小一時間程掛かって漸く手続きを終わらせると。門の外に出る。視界が一気に開け、見れば東の空が段々と白んで来た。どうやらそろそろ朝日が昇るらしい。何となく清々しい気分になりながら、う〜ん、と伸びをする。スーザンに見付からず移動するってミッションが達成されたことへの達成感も有るのだろう。肩の荷が降りた気分だ。
「逃げ切ってやったぜ!イエーイ!」
頭の悪いリア充みたいな鳴き声を上げながらラオ○のポーズをしていると脇の下からピョコンと一つの顔が飛び出てくる。
「誰かに追われて居るのですか?勇者様。逃げるのを手伝いましょうか?困った人を助けるのも神の御導きの一つですから」
「!?!?!?!?!?!?!?」
ビックリし過ぎて心臓止まるかと思った!これが伝説のしかし回り込まれてしまった、という奴か。理不尽な。お陰でお前からだよ!というツッコミのタイミング逃しただろうが!
「何でっ!?」
顔を出したのはスーザンだ。幻だと思いたいがこの遠慮とパーソナルスペースの無さは間違いなくスーザンだろう。
俺の大声にスーザンは意味を図りかねたのか首を小さく傾げる。普段の俺ならその可愛らしい仕草にドキッとしてしまっただろうが今はただ単にイラッと来るだけだ。勝利を確信でもしたかのような余裕の態度が美少女だとか関係なくただただイラッとする。
「なんで此処に居るのっ!?」
その言葉を聞いた瞬間スーザンは更に分からないと言うように不思議そうな顔をしやがった。
「一緒に薬草採取に行きましょうって約束したじゃ有りませんか?もしかして忘れました?」
おバカさんなんですか?とでも言いたげなスーザンの同情的な表情に無償にイラッと来る。というか約束してねぇ!させられただけだ!!
「ど、どうやって!?」
大体門の中じゃ見掛けなかったぞ!白のだぼってした神官服なんざ幾らでも見分け付くだろうに。
「お恥ずかしいことに行く時間を聞き忘れてしまって……。仕方なく門の外で待ってました」
成る程、筋は通っては居る。だが、明らかに一つ大きな矛盾がある。
「今日、俺達より先なんて不可能だろ!」
そう、俺達は“朝一番に”此処へ来たのだ。ましてや開門の時間まで待ちさえしたのだから俺達より先に街の外へ出るなんて不可能である。
「今日、じゃなくて昨日の夜からですよ?野宿しました」
狂気。
ただの薬草採取の約束にそこまでするか普通!?辺りを見回してみると、一応時間外に街に到着した場合に備えテント等は張ってあるものの、明らかにうら若き乙女が泊まる様な場所ではない。
「おまっ!!それ今日俺達が来なかったらどうすんだよ!」
「別に来るまで野宿しますけど?」
狂気(2回目)。
重ッ!!付き合ってもないのに分かるわ!重ッ!!
何か重力が体感で10倍位になったんだけど……。○王星かな?
俺の表情の変化を詳細に嗅ぎ取ったのか、スーザンは近所のオバチャンみたいな典型的なやぁねぇ、の動きをする。
「嫌ですねぇ。神の御導きですよ?間違う訳が無いじゃないですか〜」
ホントかよ。ってかコイツの神様万能過ぎないか?本当にそんな導きあったんだろうな?頭の中の幻聴とかだったら本気で逃げるぞ。イカれた狂信者なんぞと一緒に居られるか!
「俺はその神とやらに幾度も殺され掛けた覚えがあるけどな!」
死に掛けた経験は人より多い自信がある。嫌な自信だけどな!
「むぅー、それだけ多くのご寵愛を受けながら良く言いますねぇ〜。縁切りされても文句は言えませんよ?」
スーザンは頬をフグの様に膨らましながら腰に手を当てて私怒ってます、と全身で表す。胸を張るポーズをしたせいでかなり余裕のある筈のシスター服がピンと張ってしまい目のやり場に困ったが、聞き逃せない単語が有ったので放っておく。
「ご寵愛?」
「ええ、御加護のことです。見たところマサヤさんは主神と冥界神と娯楽神の加護を受けてますね」
へー。としか言い様が無いな。別に神の名前とか知らんし。大した興味もない。
「主神と冥界神は何となく分かるが娯楽神って何だ?」
主神と冥界神はゼウスやハデスみたいなギリシャの神に当て嵌められるけど娯楽神って何だ?
「その名の通り娯楽を司る神ですね。私は良く知りませんがギャンブラー達から熱く信仰されて居る様ですよ?何でも面白がる性格で気に入った者にはもっと面白くする為にワザと苦境に陥れたり、運命を弄くったりとちょっかいを出したがる傾向に有りますね」
「今すぐ縁を切ってくれそんな神!!!!!!!!!!」
お・ま・え・か!!
通りで可笑しいと思ったんだ!!皆成長して行くのに俺だけレベル1のまんまなんだもん!それで敵だけ強くなるとか何だその鬼畜ゲームオイ!!お前が弄ってたのかよ!!ゲームの神様じゃねぇのかよ!!パッチ当てろパッチ!!
大体からしてんだその頭パッパラパーな享楽主義者は!!ふざけんな!力持ってる分下手な敵より質悪いわ!!
「不可能ですね。頑張って嫌われて下さい!」
スーザンは応援してますとでも言う様にグッと顔の前で拳を握り締めた。
「役に立たねえええええぇぇぇえええええっ!!」
俺は絶叫した。
「大体私みたいな一司祭に神の力がどうにかなる訳ないじゃ無いですか。バカですねぇ」
ライフが0と化した俺へのスーザンの煽りと言う名の死体蹴りに俺は最早ツッコむ気力もなく、Mrs.Bが何も言うことなく肩に乗って来て無言で頬擦りをし始めたのが酷く印象的だった……。
ううっ……。俺の味方は君だけだよMrs.B……。
そんなこんなで何事もなく俺達5人(+1匹)はノルドス林を目指して歩き出したのだった……。
因みに他の人の加護はこんな感じ
イテナ
主神(特大)、冥界神(微)
正也
主神、冥界神、二流神娯楽神(特大)
咲良
主神、冥界神、二流神災厄神(特大)
優人
冥界神(微)
キース=バレンタイン(バレイン)
無し。
イグマ
二流神死神(大)
ガルシア(但し人に頭を下げるのが嫌いなので一切を拒否)
二流神疫病の神ゲヘナ(超特大)、二流神太陽神アクトゥラ(超特大)、二流神戦神アルトス(超特大)、二流神川神ニラフ(超特大)、二流神眠神ヒュプノ(超特大)
他色々
ハッシュ
二流神娯楽神(特大)六大神炎神(大)
リタ
無し。
メルト
無し。




