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傾世の暗殺者異世界に物申す  作者: 伊賀良太郎
第1章〜魔王暗殺〜
80/107

80愛と恋

遅くなってすみません!!!!!!!!!!

課題やってて……。


――――正也視点――――――――


昼食中。この猫の日向ぼっこ亭の出す料理を食べる。ジャガイモを茹でて、バターで味付けして、パセリ振って、とかそんな感じだ、多分。異世界だから各々の名称は違うだろうがそんな感じ。

お袋の味って奴だろうか。いや、外国だからマザーの味?

何にせよ米が食いたい。ジャガイモじゃなくて。米とかおにぎりとかライスボールとか。

いや、旅中の塩っ辛いジャーキーの固い版みたいのに比べたら大分マシだけどね。それにしてもハッシュさんが作ったパンケーキ旨かったなぁ……。こう……小麦粉とかだけなのが信じられない深み?コク?とかがあって感動した。一瞬で胃袋ガイーンって掴まれたわ。また作ってくれないかな……。ありゃ良いお嫁さん……じゃなかった主夫になれるわ。

とろっとろのシチューを飲みながら考える。一応昼だけあって人が多く喧騒も大きい。昼食だけ食べに来るお客さんも多いのだろう。俺達――俺、優人、イグマの三人――が残ったシチューに固いパンで掬いながら喋っていると横からフミカというらしいこの宿の一人娘が新しい料理――見た目的にはグラタンっぽい――を運んで来た。

店の看板娘っていう範囲からは年齢的に外れるけど十分看板娘の宣伝効果はあるらしい。今もお手伝いかい?とか言われて皆から猫可愛がりされてる。看板娘ってよりは皆の娘って感じだ。

顔も可愛らしいというよりは愛嬌があるもんだからありがとう、と笑う姿が良く似合う。そんなフミカが俺達のテーブルに料理を持ってくるとどうぞ、と置いた。


「お、ありがとフミカちゃん。で、最近どう?」


イグマさんがフミカちゃんに向かって聞く。多分イグマさんは社交辞令的な物だったろう。だけどフミカちゃんの受け取り方は違った様だ。頬を染めながらえ〜、と言いつつ満更でも無さそうに言った。


「さっきバレインお兄ちゃんと買い出し行ってきたんだー」


何とも嬉しそうに顔いっぱいな笑顔で言うフミカちゃんにイグマさんはひきつり顔だ。


「そ、そう。そりゃあ良かった」


イグマさんの社交辞令にフミカちゃんはそれはもう嬉しそうに破顔する。


「にひっ。……ねぇ、愛と恋の違いって何だと思う?」


そこで終われば良かったのにフミカちゃんが議題を追加してくる。何この面倒臭い自意識高い系女がするような質問。アレか。もう私は子供じゃないの……。本物の愛を知っているのよ……。ってか?それにしても難しい問題だな。


「えっ!?さ、さぁ……。何だろ。違いなんてあるの?全部一緒じゃない?」


アタフタしつつも答えるイグマさん。一見どうでも良いと同種のダメ回答に見えて相手の答えを引き出すナイス回答だ。さっさと終わらそうという魂胆だろう。事実それを聞いたフミカちゃんは見るからに機嫌が良くなった。


「え〜、じゃあマサヤさんは?」


俺に回って来たー!

フミカちゃんはニコニコと笑って居るが俺にはそれが悪魔の笑みにしか見えない。因みに名前を知ってるのは単に自己紹介したからである。いや、自己紹介した後の最初の質問が愛と恋の違いってどうよ。ほぼ初対面相手にする質問じゃねぇだろ。


「漢字」


俺が言った途端、周囲は優人を除いてえ?というような表情に変わる。

シマッタ!スベッたか!このシラけた空気のままでは学校一のお調子者と謳われるこの俺のイメージが崩壊する!それだけはなんとしても阻止せねば!

こんなちんけな質問でこちとら大ヤケドだよ畜生ッ!


「えっ、え〜と、ほら漢字で書くと恋は下に心が付くから下心から、愛は真ん中に心が入るから真心から……。なんてねハハ」


よ、良し何とか繋がったぞ……。これで何とかスベッた奴から頭の良い奴に格上げだ。正直頭の良い奴扱いは屈辱だがスベるよかマシだ。このまま俺のイメージを固めて……。


「えっと……。何言ってるんですか?」


俺は死んだ。

本気で訳の分からない奴を見る目で見られて俺は目の前のグラタン的なサムシングを猛烈に掻き込んで自殺したくなった。

恥ずかしさで唇噛んで震えるが、その震動で思い出した。あ、そういやここ異世界だ、と。

そう、冒険者ギルドで体感したが、文字体系が違うのだ。そんな半分異星人みたいな奴らに漢字がどうのこうの言った所で通じる筈がない。いかに何らかの力が自動翻訳してくれるとは言え完全に別知識を植え付けることは不可能だろう。さっきの料理名も分かんなかったし。固有名詞は通じることはないと見てまず間違いない。

いや、言う前に気付けよって話ではあるんだが……。言い訳だけさせて?愛とか恋とか持ち出された時点でこやつ日本語出来るな、ってなった訳よ。英語じゃ統一でLOVEだし。

そこを引っ掛けるのは無いわー。マジで。鬼畜過ぎる。上げた所で落とすっていうね。何だこのデストラップは。初見殺しにも程があるだろ。


「何でもねッス……」


消え入る様な声で囁いた後何処かのボクサーの様に真っ白に燃え尽きる俺。

あ〜、もう絶対頭おかしな奴って思われた〜!!

これだけでもう軽く死ねるね。


「そ、そう……。ユウトさんは?」


俺のことは触れずに優人に移るフミカちゃん。その優しさが痛い……。


「恋は特定の異性に強く惹かれること。また、切ないまでに深く思いを寄せること。恋愛。愛は男女間の愛情。恋愛。キリストなどでは神は愛と度々表現される」


優人は淀みなくスラスラと答える。それでいて口調はあまり興味無さ気だ。


「おー!スゲー。どっかの辞書みたいだな。そういうのってどう調べてんの?暗記?」


落ち込んでた俺だが元々立ち直りは早い。基本都合の悪いことは忘れる派だ。どうせフミカちゃんとイグマさんの好感度的な奴はもう底値だろうし。下がり様が無いのだ。もう上がるしか無い。ヤケっぱちだ。

まぁ優人の受け答えに感動したのもあるんだけどな。


「いや、この間読んだ少女漫画に書いてあった」


ピシッ。その瞬間空気が凍った。

会話のキャッチボール中に突然出現した俺と優人の友情を壊しかねない特大の地雷に今踏み込むべきかどうか迷ってる。


「え〜と、そ、その漫画はどったの?」


声を震わしながらでも言葉を紡いだ俺の口に拍手してやりたい。優人の答え次第じゃ親友止める覚悟である……。いや、もっと酷ければ親友として自首を勧めよう。


「咲良にこれ面白いよって渡されたから読破して感想聞かれた時の為に感想文書いておいた」


さ、流石優人。取り組む姿勢が完璧だ。という感想しか俺の凡庸な頭では思い浮かばない。


「以後その話題が一切出なかったから不要品を体よく押し付けられたっぽい……」


咲良――!!!!!!!!!!

テメェ良くも俺達の間に亀裂入るような爆弾仕掛けてトンズラしやがったな!?今日のことは忘れねぇからな!?


「もぅ、みんな違うよ。恋は人に何かをして欲しいって願うの。ああしてほしいこうして欲しいって。でも愛は違うの。愛は無償なの。人のために何かをしてあげたいって思うんだよ?だから私はバレインお兄ちゃんに何でもしてあげたいって思うんだよ」


フミカちゃん名言ありがとう。でもごめん。俺今その名言を受け取る心の準備が調ってない……。今優人への安堵と咲良への怒りとこの世への脱力感で感情が迷子だよ。


「フミカ〜お客さんお願い!」


「はーい!今行くー」


フミカちゃんはマーガレットさんに呼ばれてとてとてと俺達に爆弾を投げるだけ投げて帰ってく。爆弾魔も良いとこだ全く。エライ目に遭ったぜ。

皆はもう食事はし終わったのか片付ける。俺も残りのパンは持ち帰ることにする。グラタンみたいな奴?量が少なかったからかイグマさんが話してる間に食べてたぜ?正確には俺が傷付いてる間に。

片付けてる間にふと思い付く。今なら勝てんじゃねぇかなって。少女マンガ読んでるなよなよした奴には負けねぇぜ。


「そうだ優人、この後ポーカーしね?」


「良いよ?」


この後むちゃくちゃ負けた。


もちろんこの話はモブと戦う前の話です

ええ、入れるのを忘れてました。m(__)m

前にやった女子会よりキャッキャッうふふしてますね。不思議です。


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