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傾世の暗殺者異世界に物申す  作者: 伊賀良太郎
第1章〜魔王暗殺〜
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52 メルト外伝紅の墓標33 逃がさない

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


メルトの慟哭が響く。

メルトの悲しみはトルダを救えなかっただけではない。

いつまでも変わらない無力な自分が堪らなく憎かった。

そしてトルダに瓦礫が落ちる寸前、彼女の呟きが聞こえたことでメルトは更なる無力さを痛感させられた。

縛り首でも良かったと呟いた後のことだ。

目を瞑って小さく囁いたような涙で掠れた声をメルトは聞き逃すことが出来なかった。



「ごめんね……エリオ……。約束守れなくて……。あぁあ……もっと生きたかったなぁ……」


もっと生きていたかった。

たった……たったそれだけのことが叶わないのが世の中なのだろうか。

この時ほどメルトは自らの力不足を感じたことはない。

この時ほどメルトは世界を恨んだことはない。

そしてメルトは胸から込み上げる熱いものを我慢できず目元に涙を滲ませるが歯を食い縛って何とか堪えた。

しかし、その食い縛る歯は愚痴まで飲み込んでしまうほど都合の良い物ではなかった。


「また守れなかった……ッ!!畜生!!」


メルトという男は悔やんでばかりだった。

向上心がある、と言えば聞こえは良いがその分メルトは数多くの失敗を重ねて来た。

村の皆を救えなかったことに始まり、旅の途中で幾度となく傷をこさえ目元を潤した。

そしてその思い出した傷の数々は、騙し騙し使ってきた磨耗しきったメルトの心を完全に壊してしまった。

メルトは何もかもがどうでも良くなってしまったのである。

そしてメルトは涙を必死で堪えながら城の崩壊を待つ。

勿論、オメガの能力を使えないメルトに助かる術はない。

単純に言えば自殺であった。

向こうにいるテセトに無性に聞いてみたくなったのだ。

はたして自分の行いは合っていたのか、と。

そして死刑宣告を待つように体を折り曲げていたメルトに影の差したのは突然だった。


「邪魔だ、どけ。入り口に居座るな」


鋭い、まるで神のような不遜な物言いで自らをゴミのように見下す声。

その声はメルトにとって自らに興味の欠片もない世界そのもののように聞こえた。


「あ……」


メルトが惚けた顔で見上げた先には青年が居た。

魔人特有の浅黒い肌を持ちながらその決意を込めた翠の瞳は睨み付けるように光っていた。

その姿は所々妙な機器を着けているものの、全体的に高貴さを醸し出す服装をしておりその位の高さを感じさせた。

それもその筈、彼の名はフォルダ。

大陸最大版図を誇る魔人国の皇帝であり、人間からは魔王の名で恐れられている。

見れば少し汚れており、先程の城を崩した衝撃はどうやら彼の仕業のようであった。


「ウスノロが、さっさと退け!」


彼はその魅力的な瞳でメルトを見下すように見ると次の瞬間躊躇なく右足を振り抜いた。


ズドン!!


蹴りとは思えないような音が出たかと思うとメルトが有り得ない速度で横にぶっ飛んで行く。


ドガン!


「ガハッ!!」


メルトは為す術なく、そのまま壁に叩き付けられると呻き声を漏らした。

どこか不味い所に入ってしまったのか、そのままゴホゴホと咳き込んだ。

その咳によって無様な姿を感情なく眺めていたフォルダは眉をピクリと上げる。

先程のは部下に何らかの危害を与えたであろう輩に苛立ち紛れに蹴りを入れたような物だが、メルトが咳をし、顔に注目した所でその顔が自らのデータベースに引っ掛かったからだ。

フォルダの結論はとにかく早い。

拙速を尊ぶタイプの人間であり、その思考の速さには崇拝する者も数多く居る。

そしてその異常な速度の思考から導き出された答えは目の前の男は敵だということだ。


「そうか、“貴様”か……運が良かったな。今の私に貴様にかかずらっている暇はない。そこで野垂れ死んでいろ!次に会うことが在れば容赦しない」


エネミーネーム「メルト」。

魔人国の将兵20人余りを殺害した優先的排除目標。

フォルダにとって許そうにも許せない相手であった。

フォルダはそれだけ言うとフンッ、と鼻を鳴らしコツコツと朽ちかけた城の中を歩いていった。


ガラガラと音がする。

また何処かで天井が崩れたのだろうか。

それともメルトの心が壊れたのだろうか。

その答えはなく、ただ城は崩れゆくばかり。

その様はまさに人の、トルダの死を連想させる。


メルトの心は折れた。

自らの力は借り物。

他力本願の仲間頼り。

その力が無くなり、頼れる仲間も居ない今の自分はオメガに倒すと『約束』した魔王には敵とすら認識されはしない。

無力だった。

何も為せない不甲斐ない自分は。

浅ましかった。

それでも尚無知厚顔に力を欲する自分が。

歯痒かった。

死にゆく者の最後の望みを叶えることの出来ない自分が。

複雑に絡んだ抑えきれない気持ちが膨れ上がり、しかしその気持ちを何処へぶつけるか分からないメルトは酷く気持ち悪かった。

肺腑をジリジリと焼くような焦燥感が身を焦がし、胃の奥から酸っぱい物が競り上がってくる。


「うぇ……うぇ……ごぷっ……」


バシャッ……。


辺りにツンとした匂いが漂い、黄色い液が城の絨毯を汚す。

元昼飯だった固形物のような物を胃の中から全て引き摺り出し、更に喉を鳴らすが、メルトの気分は良くならなかった。

それどころか絶望的な気分の悪さに加え、口の中に僅かに残る吐瀉物が気持ち悪さをメルトの脳に伝えた。

このまま死ぬのも良いかも知れない。

ひび割れる壁を見ながらメルトはそんなことを思った。

生きている限り自分の物じゃない力を求め続けるならその因果を断ち切るのにこの場所は丁度良いのかもしれない。

そう思ったのだ。

メルトは脱出するのを諦め吐瀉物を避け仰向けに寝っ転がるとただ死を待った。

ひいては自らの上に瓦礫が落ちてきやしないかと期待していた。


「何をしている?」


しかし、寝転ぶメルトを頭の上から覗き込む一人の男が居た。

悪魔族最後の皇帝オメガ。

そしてメルトの契約者でもある。

相変わらずムカつく程の美形で、顔の造形は悪魔というよりは天使の方が近い。

それは逆さまになっていても変わらない。

やはりその口調は自分の心の中に出てくるオメガとは全く違うものだった。

自分の心を通して見ているからだとか難しいことを沢山言われたがメルトの頭では百分の一も理解できているか怪しい。


「早く脱出するぞ」


何も答えないメルトに焦れたのか更に言葉を重ねるオメガ。

隣の匂いの元を突っ込んで来ないのは素直に有り難かった。


「なぁ、俺はどうやったら強くなれる?」


しかし、メルトはオメガに答えることはなく、新しい質問をぶつける。

オメガはピクリと眉を動かしただけでメルトの態度に特に怒ることはなく、静かに言った。

100を越える年の差から来る余裕だろう。


「成る程、確かにお前はバレイン程強くもなく、ガルシア程権力もなく、イグマ程優しさもなく、ハッシュ程のタフさもなければ、リタ程の才能もない」


それはまるで子供をあやすような深い、静かな声だった。


「はっきり言うなよ……」


メルトはオメガの突然の痛烈な批評をすんなり受け入れる。

それはメルトが普段から感じていたことであり、今更言われるまでもないことだからだ。


「だが、お前は楔だ。

見たところお前のパーティはお前が居なければ即座に分裂するだろう」


オメガの言いたいことが分かり、メルトはバレインとガルシアを思い浮かべながらまぁな、と答える。

ひょっとしたら今ごろいつものじゃれ合い(殺し合い)をしているのかも知れない。

いや、それはないなとメルトは自らの意見を即座に棄却する。

流石に今の状況くらい幾らあの二人でも分かっているだろう。


「そしてその仲間の全ての力を頼れるのなら夕碧の騎士団の最強は間違いなくお前だ」


頼ることしか出来ないのではなく頼ることが出来る。

その差は如何にバカのメルトでも分かった。

恐らく自分の唯一の取り柄がそれなのだろう。

そう思えば何時しかあんなに憎かった自分の無力さがなんだか愛しく見えてきた。

全く、オメガには敵わない。

メルトは、はぁ、と息を吐くと寝転んだまま手をオメガへと伸ばした。

オメガに助け起こして貰おうと思ったからだ。


「甘ったれるな」


しかしオメガはその手を取らず、それどころかメルトを叱責した。


「ひでぇな……優しくすんなら最後まで優しくしてくれよ……」


メルトが苦笑しながら抗議するとオメガはフンッ、と鼻を鳴らした。


「そんな調子では契約が果たされるのは何時だ?部下を待たせるのは一分一秒も惜しい。つい先程も奴を殺す理由が一つ増えた所だ。お前にはしっかりして貰うぞ」


先程とは打って変わってどす黒いものを隠さない声だ。

オメガの怒りが推し量れようというもの。


「厳しい取立てだな……」


メルトは苦笑しながら愚痴を漏らすがオメガはそれを一切取り合おうとはしなかった。


「当然だろう。悪魔に魂を売ったのだ。それ相応の代償があるという位最初から承知していたはずだろう?」


オメガはそれだけ言うとニヤリと笑う。

これで慣用句を引用してジョークを言ったつもりなのだ。

センスの合わないジョークは気疲れすると思いながらメルトはそれでも嫌にならずに返してやった。


「違ぇねぇ……よっと、」


体を起こすと先程蹴られた腹が少し痛んだが、それを何とか無視して立ち上がった。

メルトがよろけるとオメガは歩くのに肩を貸し、メルトは何も言わずそれに寄り掛かった。

そしてメルトは肩を貸してくれたオメガの囁きを耳にすることになる。


「次に会った時にはもう逃しはしない……。我らが怒りを知れ……魔王フォルダ!」


ああ、そうだな。

奴はまだこの近くに居る。

テセトから引き継いだ夢の為にはフォルダ、お前は邪魔だ。

それと俺を侮ったこと、必ず後悔させてやる。

メルトはそう、決意を新たにしたのだった……。

こうして二人の初めての邂逅は小手調べとなる。

この邂逅により互いが互いを深く認識しその余波に当てられたように更に周りが小波立つ。

そして互いが互いに導かれるようにして対峙し、次に会うときは近い。

その時二人は衝突することになる。


結城さんが……((T_T))

11人の子供をどうするんだ……。

野垂れ死ぬぞ。

後途中でランニングマン踊ってた気がするけど気のせいだった。

ええ、全て必殺の話です。

リアルタイムでガッツリ見ました。

かぶり付きで見ました。

カッコいい……。


今回はメルトをボコボコに出来たのでスッキリしました。

八つ当たりが少しでも出来たので良かったです。

ええ、俺の話です。


後私事ですが友達に心理テストをされました。

赤いバラと白いバラを使って10本の花束を作ります。

どちらを何本づつ使って花束を作りますか?

とのこと。


皆さんはどうでしょうか?


情報ソースは友達なので正しくないかもですが、この出来た花束は赤がM白がSで自分の中の比率的な奴を示してるそうです。


因みにどーーっでも良いことですが。

超どーーっでも良い話ですが俺は白10本と答えました。

友達にはもの凄い変な顔された……。


違うからねっ!?

絶対に違うからねっ!!

こんなのインチキだぁ〜!!

断固抗議する!

赤と白が半分づつなのが普通って!!

そんなウルトラマンみたいなのが正解であってたまるかいっ!!

そんなら全部白の方が綺麗だろっ!!

とかく俺が普通の感性であること切に伝えたい次第。





後友達から失った信頼をどうにかしたい……。


今日から毎日バカみたいに信じるから何とかしてくれないかなぁ……。

ねぇ、サンタさん……。


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