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傾世の暗殺者異世界に物申す  作者: 伊賀良太郎
第1章〜魔王暗殺〜
21/107

21 逆鱗4

すみませんマジ遅れましたm(__)m

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


もう20歳を過ぎるのに17歳から全く姿の変わらない少年に向かってプリシラは頭を下げる。


「申し訳ありません。ご迷惑をお掛けしました」


場所は暗部事務所であり、その名に似合わず貴族の書斎のような机と本だけの部屋で、普段は事務所とは名ばかりの埃を被った部屋でしかないが、貴族や王族からの接触の際使われる部屋だ。


「なに、気にするな。お前こそ仕事を失っただろう」


謝られたイテナは肩を竦めプリシラの方が被害が大きい事を指摘する。

実際プリシラが騎士団を首になったことで貴族社会を生きるにしても縁談も遠退くだろうし、一度沈んだ事は大きなマイナスになるだろう。


「はい……」


それを自覚してかプリシラは幾分沈んだ声で答える。

それを聞いたイテナは一瞬顔をしかめボリボリと頭を掻く。

言いにくそうに口ごもった後にプリシラに対して言葉を発する。


「あー……なんだ。その、気にするな。仕事なんざいくらでも見付かるさ」


大分不器用であったが慰めの言葉。


失言をしてしまった為かイテナには珍しく歯切れの悪い言い方だ。

プライベートならではの顔であり仕事関係ではまず見られないだろう。


その顔をプリシラに見せているという事は一緒にいた時間自体は少ないものの身内として認めている証左だ。


「お気になさらず」


プリシラは一切感情を表さないような能面でもう一度イテナに対し頭を下げる。

動作自体も感情や温かみが欠けるような一種機械染みた完成された動きだ。


対応の仕方に対しかなりの温度差を受けるような気もするが彼女としてはこの対応の仕方が普通であり、イテナには常にこの調子なのである。

恐らくその行動について一切の情動を挟んでいないのであろう。


「何なら俺の方で仕事を用意してやろうか?」


その一切を拒絶するようなプリシラの返答にイテナは普段の彼であれば有り得ないような提案をする。


「いえ……そのような事はなさらずとも……」


それでもプリシラは頭を下げ遠慮する。

全ては今までの借りを思って故だ。


「遠慮するな。軋轢まではどうしょうもないが騎士団に戻す事だって出来るし、楽な仕事だって幾つか心当たりがある。大貴族、王族への仕官だろうがなんだろうが意のままだ。どんな職業だろうが斡旋してやる」


それは本来なら有り得ないような言葉だ。

絵空事と言われても反論の余地がない。

しかしイテナは不可能を可能にする。

文字どおり全ての職種に就けるだろう。


しかしプリシラは感謝の為にもその悪魔の言葉には頷かない心積もりだった……。

次の言葉を聞くまでは……。


「まぁ、絶対有り得ないが、全部にっちもさっちも行かなくなって全ての職業を断られたら俺の助手でもやるといい。面倒見てやるよ」


イテナにとってプリシラの思わしくない顔つきを見た話題を終わらす為のお愛想のような物であったが、その効果は抜群だった。


プリシラはイテナの最後の言葉を聞くや否やその能面のような表情から目をカッと見開くと口を酸素不足の金魚のようにパクパクと動かす。


「どうした?」


そのイテナの訝しげな言葉を得て衝撃を受けた後の虚脱状態から脱すると訂正されては困るとでも言うようにプリシラは即座に返答をする。


「最後のがいいです」


その必死さを感じさせるプリシラの言葉にイテナは首を傾げる。

イテナにとってその答えは想像の埒外であり、未知との遭遇だ。


イテナにとって自分の助手という職業の待遇は自らの職業リストの中でワースト10に入る程の劣悪な環境だ。

そんな物に進んでなろうとする奴の気が全く推測出来ない。


イテナは聞き間違えたのだろうかとプリシラに確認を取る。


「あ?俺は金にがめついから給金あんまりだせないぞ」


「最後のがいいです」


即答だった。


打てば響くとでも言うように即座に答えを返すプリシラにイテナは困惑を隠せない。


「一月銀貨8枚「最後のがいいです」」


食いぎみだった。


何かよくわからないがイテナにして断ることが出来ない何らかの圧力めいた物を感じ、諦めて許容する事にする。


「あー……まぁ、お前がそう言うなら良いんだが……」


そう言った瞬間イテナはよし、というような声が聞こえてきた気がしたが、気のせいという事にして努めて無視をする。


何か返答を間違えただろうかと先程の会話を反芻するイテナにプリシラから言葉が投げ掛けられる。


「あのう……少し質問を宜しいでしょうか……」


イテナは自らの思考に没頭しつつあったがその程度で聞き逃す程耳は悪くない。


「何だ?」


イテナは質問を促すとプリシラからの言葉を待つように背もたれに寄りかかる。


「私は貴方を金にがめついとは思えませんが?」


どこか迷った末の質問のようで何かの意思を秘めるかの如く揺るぎない目でイテナを見上げる。


「そんな事はない。お前は何を見てたんだ?」


柳に風とでも言うように何ら痛癢を感じさせない様子で答えるイテナに対しプリシラは更に迷う様子を見せる。


「金にがめつい人は自分でがめついとは言わないのでは?」


「そんな物人それぞれだろう」


イテナの言葉を聞いて更に迷う様子を見せるプリシラにイテナは明らかにイラついたようでプリシラの更なる言葉を求める。


「何が言いたい。様子見は良いが相手を怒らせつつある事を忘れるなよ」


プリシラは少し怒気が混ざったイテナの言葉に押されるように核心を突く言葉を紡ぐ。


「金貨2000万枚で何を買うつもりなんですか?」


金貨2000万枚。

とんでもない大金だ。

日本円にするならば2兆円を越える。

そんな大金をどうする積もりなのか。

プリシラはそう聞きたいのだ。


「……。」


イテナ無言で背もたれに寄りかかっていた背を起こし机越しに話していたプリシラの顔に自らの顔を近づける。

プリシラは一切退こうとせず、むしろ張り合うようにイテナの目を見返す。


10センチ程まで近づくとイテナはフッと笑い、言葉を紡ぐ。


「知ってるか?金で買えない物はこの世に存在しねぇんだぜ?」


体温が急上昇しているプリシラの目には、金の亡者のような台詞を言ってる割には大いなる哀しみを湛えたイテナの顔が映し出されていた……。


――――優人 視点――――――――


その半生を見終わった瞬間だった――。


世界が闇に沈没した。


呼吸が、上手くできない。


重い。暗い。


何が起こったかは分からない。


違う。そうじゃない。


現状はそんな生易しい物じゃない。


今、何がどうなってるか分からない。


形容、できない。


今の状態を無理矢理言葉にするならこうだ。

周りが真っ暗になりました、今首を絞められていますまる。


別に目隠しされた訳じゃない。

別に絞殺されそうな訳じゃない。


怒りだ。


ドス黒い怒り。


誰に向けられたとも分からない只一つの感情だけでこの威力だ。


そして更にドリームキャッチャーを通してイテナの感情が――。

――激情が俺に流れ込んで来る。

(よくも……よくも俺にリンを殺させたなッ!


許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない。




許さない。




絶対にィィィィィ!!


許すものかァァァァァアアア!!)


人の半生という膨大な情報量に圧倒されていた。

しかしこの激情はそれすら凌駕する。 イテナの感情の爆発と共にこの世界が次第に壊れて行く。


この長い長い闇の中停止していた脳が死の絶望を前にして瞬間的に活性化する。


不味い。


この繋がりが奴に知れたら……。


死ぬ。


落ち着け。

ここでいきなり目覚めたら気付かれる。

先ずはカモフラージュが先だ。


確実にコレを覗いてるだろう貴族共をバレないように魔力を使って探す。


ここ(夢)は魔力の塊みたいな物だから少しは探す魔力も見付かりにくいだろう。


≪サーチを発動しました≫


……イタ。

全身が総毛立つ。


見付かるじゃねぇか。

不味い不味い不味い不味い不味い不味い。


俺でさえ見付けられるんだ。

奴なら簡単に見付けるだろう。

奴の半生を見た今はそれが痛い程分かる。

今から痕跡を消しても遅いかも知れない。


それでもやらないよりはマシだ。

ドリームキャッチャーから繋がる自らの魔力を貴族の物と寄り合わせる。


≪魔力操作を発動しました≫


恐らく魔力の感じからすると取り巻きAだ。

そしてそのまま夢から覚醒していく。

頼む。

こっちに気付いてくれるなよ……。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


段々と意識が覚醒してくる。

このまま悪夢からも覚めてくれよ。

俺が死ぬのは構わないがそうすると二人に死が一歩近づく。

そんなものはお断りだ。

二、三日居て漸く見慣れてきた天井を見てそう思う。

脳を即座に戦闘モードに移行させ魔力を探知する網を拡げる。


≪ゾーンを発動しました≫

≪余剰経験値を発見しました≫

≪レベル4になりました≫


≪サーチを発動しました≫

魔力反応を城の中から調べて行ってある事を見付ける。


死んでるな。


先程濡れ衣を着せた取り巻きAが部屋らしき場所で倒れている。

窓に向かって手を伸ばしており、何かから逃げるような位置取りだ。

奴の半生を見て断言出来るが生かすような事はない。

確実に殺されているだろう。


早すぎる。

一体どうやったんだ?

俺が起きてから大して時間は立っていなかったはずだ。


いや、現状は考察よりも情報収集を優先させるべきか。


少し時間を掛けながら城からさらに察知範囲を拡げて行く。

王都の中心街に到達した辺りだろうか。


一人の女性が倒れている。

ケガを多少していたがわざわざ大勢居た人の中から彼女をピックアップしたのは別の理由だ。


何らかの魔法が掛けられていたようでその残り香のような物がこびりついていたのだ。

これだけを見ても関係者である事はまず間違いない。

そしてもう一つの理由は彼女に送られたと思われるメッセージを伝える魔法だ。

伝言形式の物だろう。

まぁ、伝言というか伝心というか。


恐らく関係者だと思われるので先に見させてもらおう。


多少離れてはいるがそれを元々考慮されている魔法のようなので問題なく読み取る事が出来た。


……読んでみて内容としてはしょうもない。


言うつもりは無かったけど愛してるだかと新しいパートナーを探してくれとか意味の無い業務連絡みたいな内容だ。


重要なのはその次。

いや、背景か。


どうやら殺されつつメッセージを残したようでイテナとの会話等がそのまま後ろに残っていた。

といっても一瞬の間にメッセージが作られたようで聞こえたのは意識が遠退いて行った男に囁いた一言だけだ。


「貴様に死など生ぬるい。永遠の苦しみと共に自らの行いを悔いろ」


意味が分からない。


どこかで苦しみ続けてるって事か?

どこで?


こんな思考が不安定でやたら強い奴に監視されなきゃならんのか。

狂いそうだな。


だがまぁ、一つ綻びは見付けた。


フフフ。

まさかあんなに幼稚な事を本気でやる積もりとはね。


さっきまで見えていたような過去はイテナにとって些事でしかない。

彼にとって一番の核になっているのは一人の少女だ。

彼女の笑う姿、怒る姿、泣く姿、イタズラをする姿、死に際の姿。

全てが彼を形成する一つ一つの欠片だ。

彼女の放った一言一句でさえも。


おれは貴様と同じ徹は踏まない。


俺が死ぬ事は二人の敗北だ。

それは絶対に許されない。

神に唾を吐くに等しい行為だ。


時間が立ったが自分の体に死の予兆はない。


見逃されたかバレずに済んだか。


此方の勝利条件は二人の生存。

敗北条件は二人の内どちらかでも死亡。

一世一代の勝負だイテナ。


必ず俺が勝つ。


見逃した事を後悔させてやるよ。


貴様と同じ思いを抱く事なく完遂する。


精々想い出に浸ってな。

やっと

イテナの過去終わったぁー!!

ついでに

没ネタ集

実は優人裏でこんな事やってたよ編

草むらからやせいの暗殺者が飛び出してきた

〜♪

暗殺者のめざましグサグサ!

しかし暗殺者のこうげきは外れた

優人のフィンガーブレイク!

効果は抜群だ!

暗殺者は強情だ

優人のフィンガーブレイク!

効果は抜群だ!

暗殺者は強情だ

優人のフィンガーブレイク!

効果は抜群だ!

暗殺者はようすを伺っている

優人のフィンガーブレイク!

効果は抜群だ!

暗殺者は喋ろうとしている

優人のフィンガーブレイク!

効果は抜群だ!

暗殺者は喋ろうとしている

優人のフィンガーブレイク!

効果は抜群だ!

暗殺者は混乱した

優人のフィンガーブレイク!

効果は抜群だ!

暗殺者は混乱している

優人のフィンガーブレイク!

効果は抜群だ!

暗殺者は降参した

優人のフィンガーブレイク!

効果は抜群だ!

暗殺者は懇願した

優人のフィンガーブレイク!

効果は抜群だ!

暗殺者は手の指を全て失った

優人のフィンガーブレイク(足)!

効果は抜群だ!

暗殺者は答えを必死に乞う

優人のフィンガーブレイク(足)!

効果は抜群だ!

暗殺者は答えを必死に乞う

優人の呪文

「早く言えばいいのに」

効果は抜群だ!

暗殺者は必死に歌いだした

優人の窓から地球投げ!

効果は抜群だ!

やせいの暗殺者は逃げ出した


オマケ

正也の夢魔の夢

「宮崎さーん、何で俺の事なんかを好きなんて……なに?咲良も!?」

こんな幸せがあるなんて〜

分かったぞ!!向こうの方が悪夢でコッチが現実なんだな?

ってそんな訳ねぇわ

さっさと出よ

多分優人が何とかするよな?


この人さらりと遅めのプロローグの時脱出してるけど絶対おかしい


咲良の夢魔の夢

「あっ、優人ったら。もうせっかちなんだから。えっ、正也も!?えー困るー。じゃあ三人で……」


※内容は自主規制


プロローグん時は一人グースカ寝てました

あっ、そんな目で見ないであげて!

ポンコツじゃないからぁ!!

一般人だから!!

後の二人が逸般人なだけだから!


遅れた上に詰まんなくてすみませんm(__)m

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