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帝国の栄華  作者: ロンメル
第二次世界大戦
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お久しぶりです!今年最後の投稿です。

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キーンと甲高いエンジン音を響かせて六式艦戦が発艦した。小沢治三郎司令が見守る中攻撃隊が発艦していった攻撃隊は米艦隊を叩いた。台湾の栗林隊も一時間後に総攻撃を企図しており、第一空挺軍も輸送機への乗り込みが完了していた。その中行われる航空攻撃は台湾の行く末を決定する航空攻撃だった。

「総攻撃!」

膠着していた前線の米軍陣地に小は歩兵の擲弾筒から大は155mm榴弾砲までありとあらゆる種類の砲弾が叩き込まれた。装甲とエンジンがついている車輌という車輌を掻き集めて作られた第一兵団が臨時で組織されて突撃した。台湾南部の米軍航空隊は日本海軍機動部隊と交戦しているため制空権は日本軍が抑えた。突撃している日本軍の上空支援は万全であった。ただ日本軍の誤算としては戦闘海域を迂回していた空挺部隊が敵戦闘機に補足され出撃した四個空挺師団のうち実際に台湾にて作戦行動に移れたのは先遣強襲隊の僅か三個連隊でいずれも軽歩兵であり重火器は迫撃砲しかない有様であった。米軍司令部は日本軍の大規模反攻作戦に対して前線の第四歩兵連隊に対し迎撃命令を下して予備戦力として台南にいた部隊を結集させてアイケルバーガー中将の指揮の下で陸軍と海兵隊の緊急合同部隊の第一戦闘団を編成して向かわせた。シャーマンとパーシングが主力の戦車部隊は日本軍の重戦車に簡単に蹴散らされた。遠距離から重砲が、中距離からは噴進弾と自走砲が支援を行い前線は戦車と歩兵が担当するという基本に忠実な戦法であった。第四歩兵連隊は塹壕に立てこもったが上空からの攻撃と鉄の洪水によってあえなく突破された。師団砲の105mm榴弾砲が阻止射撃を行い東側の山脈に沿って前進してきた満州国第十七歩兵旅団の動きは停滞した。米軍の東側砲兵陣地が日本軍の中に突出した形となり、日本軍は新たに中華民国第二旅団を砲兵陣地の側面に回り込ませた。そこを反撃の起点にしたい米軍はモンスター重戦車からなる戦車大隊を派遣した。更にそこへ敗走してきた第四歩兵連隊の残存が合流、ガランビを落として補給中であった第九海兵師団も応援に向かった。日本軍は突出した部隊を包囲すべくモンゴル第一戦車連隊を送ったがアイケルバーガー戦闘団がその進出を食い止めた。痛み分けに終わった台湾沖航空戦の結果を受けて栗林は増援部隊を大本営に依頼すると共に一気にたたみかけた。突出陣地は頼みのアイケルバーガー戦闘団が空挺兵を側面から回り込んだ部隊と勘違いして台南まで下がったので完全に包囲された。さらに虎の子の155mm自走榴弾砲全門がこの突出陣地に対して投入された。塹壕と土嚢を積み上げた砲座からなる簡易陣地しか持たない突出陣地は簡単に突破されそうに見えたがかなりしぶとく粘っていた。なんといってもH1モンスター重戦車が突入地点のど真ん中に居座っていることが日本軍にとって攻めあぐねている原因であった。対戦車陣地から128mm対戦車砲をトラクターで牽引してきてモンスター重戦車を撃つことも計画されたがその動きがアメリカ軍にバレていたため128mm対戦車砲は破壊された。歩兵が接近して対戦車無反動砲を撃ち込んだが追加装甲を施してはからずも空間装甲となっているモンスターに効き目はなく逆に米歩兵に駆逐された。このままではアイケルバーク戦闘団が体勢を立て直して突出陣地の救援にやってくると思われる。早めに決着をつけたいと考えた日本軍は第一山岳歩兵大隊を送り込んだ。山脈を背にしていた米軍に対し逆に山脈から山岳歩兵による奇襲を企てた。戦車は伴えないのでトラックに分乗しての移動となる。戦闘車輌は機関砲を搭載した偵察車輌のみである。

「総員下車!」

森林の中でトラックから兵士が展開する。

「汎用機関銃と分隊支援火器はこっちへ。」

藪の近くで田中少尉が自身の小隊に指示を出す。

「小隊選抜射手はそこの木に登って待機。擲弾筒及び無反動砲はそこの木の根っこに隠れろ。残った奴は俺に続いてそこの小道を敵陣に向かって進み、突撃発起地点を設定する。」

突撃銃を構えて静かに前進する。今夜仕掛ける夜襲の突撃発起地点に適した場所を見つける為だ。理想としては敵陣から見えにくくかつ敵陣を観測しやすい場所がいい。そして簡単なタコツボが掘れればなおよし。

「小隊止まれ。この地点に簡易掩体壕を掘れ。突撃開始時刻までここで待機する。」

すぐに後方で待機していた兵士たちもやってきて突撃準備をした。各小隊ごとに散らばって山岳歩兵大隊は夜襲の準備を終えた。夜になると大規模砲撃が行われて敵の正面の満州軍からは歩兵火器の射撃も始まった。

「敵陣はどうだ?」

田中が木の上で赤外線暗視装置を使っている小隊選抜射手の大野に尋ねた。

「敵は満州の奴等の方に向かってます。こちらには歩哨が残ってるのみです。」

「歩哨を殺れるか?」

「できます。」

「分かった。俺が合図したら殺れ。合図は右手を上げたらだ。暗視装置で見えるだろ。」

「わかりました。」

「よし。先程後方にて待機してたやつも俺達が突撃したら支援射撃を頼む。」

小声でそう指示すると小銃手達を引き連れて敵陣の目の前まで迫った。そこで田中が右手を上げると大野が待ってましたとばかりに歩哨を倒した。そのタイミングで残りの歩哨を倒すと敵陣に突入した。各分隊に一機ずつ赤外線照射装置がありそれを分隊長が持ち、分隊員は暗視メガネで赤外線によって浮かび上がった敵を見つけて撃つのだ。

「何事だ?」

第九海兵師団長のアレクサンダー少将は異変に気がついた。小さな民家を司令部てして利用していた米軍は炬燵の上に作戦地図をおいて作戦を練っていたのだが後方からも銃声が聞こえてきていた。司令部の前に置かれているM116榴弾砲の防盾に小銃弾が当たる音が聞こえた。一人の歩兵が肩の傷口を抑えながら司令部に入ってきた。

「師団長、退避してください。ジャップが襲ってきました。山脈の方からです。その数およそ二個師団です。」

実際は一個大隊なのだがここまで簡単に後方までこられると日本側戦力を過大に見積もってしまった。

「くそ、撤退する。全部隊に撤退を命じよ。」

アレクサンダー少将はジープに飛び乗った。

「おい、あれは将校じゃねえか?」

田中の声によって発見されことを悟ったアレクサンダーの顔が恐怖に引き攣った。その時アレクサンダーの目の前に黒い物体が投げ込まれた。爆発したそれはジープを横転させた。

「相川、よくやった!」

田中は部下を褒めながらジープに近づいた。足首の骨を折って這って出てきたアレクサンダーに近付いて腰に携帯している拳銃を抜くと田中は

「フリーズ、ホールドアップ」

と言った。アレクサンダーは大人しく手を挙げた。田中はアレクサンダーを山脈の自陣に連行した。結局アメリカ軍は背後からの奇襲によって瓦解し、日本を中心とした同盟軍は多くの捕虜を得、又火砲を大量に鹵獲した。アイケルバーガー中将は残像部隊も合流させた上で日本軍に攻撃を仕掛けようとしたが地下通路を通って元の防衛線に復帰した同盟軍を攻めるのはいたずらに被害を拡大するのみだとしてバックナー大将が台南までの撤退を命令した。バックナーは比島から米比軍が増援として来ることを期待したがそれは無理な話であった。既にアフリカ、ヨーロッパにて英独を相手に戦線を維持し、又ニューギニアではオーストラリアと密林での消耗戦を繰り広げているアメリカに台湾へすぐに差し向けられる兵力は無かった。それに兵力があったとしても輸送船が足りなかった。大西洋でUボート、地中海ではイギリス地中海艦隊、太平洋では同盟艦隊により輸送船が手当たり次第沈められていて輸送船も不足していたのだ。アメリカがその物量チートを発揮できるまでは後一年かかると言われていた。バックナーはニミッツ司令官、スタンプ参謀長と話し合った上で台湾からの撤退を決定した。スミスやターナーと比島で合流して合衆国が攻勢可能になるまで待機することに決定した。だが問題は如何にして台湾から撤退するかである。制空権は同盟の航空隊が握りつつあり地上部隊もそう長くは持ちこたえられないと思われる。沖縄や大陸から駆逐艦が出てくれば撤退する船団を撃滅されるであろう。かといって見捨てれば兵員の損失は甚大であり、又士気は著しく低下する。考えた挙句米比軍の航空隊が総力をあげて輸送機で夜間に兵士だけピストン輸送を行うことになった。c-46輸送機が200機も投入され毎夜毎夜各8000人の兵士がフィリピンへと戻った。撤退に際し米比軍の重装備は殆ど遺棄された。負傷兵等の搬送も含めて作戦は二週間にわたり台湾に残っていた兵士九万人弱が撤退に成功した。栗林はアメリカ軍が撤退を完了する二日前にこの動きに気がついて飛行場攻撃を開始したが攻撃部隊が飛行場に迫る前に撤退されてしまった。だが同盟は台湾撤退作戦でH1重戦車三七両、M4中戦車五三両、M26中戦車二四両、M24軽戦車一二両の合計一二六両の戦車、六両の偵察装甲車、一五八両のトラック及びハーフトラック、大小合わせて七三門の火砲、弾薬数万発、小銃及び機関銃二千丁、高射機関砲三一門、航空機一六機を鹵獲した。M4シャーマンは105mm砲を搭載して前線に出すため上海の工場へと送られた。モンスター重戦車やその他車両は部隊に配属されるか研究のため本土に回された。台湾から米比軍が撤退すると北太平洋戦線は一旦の膠着状態に入った。

ではでは、皆様よいお年を!来年も宜しくお願いいたします。

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