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外伝・ある貴族の御令嬢に転生した少女の物語~側室問題について~


メイラに側室を進めたらこんなになったよという話。

ネタは妹です。そしてギャクが満載です。









幼いイリスに反対する者は半数以上いた。


ただ単純に【幼いから】と言う者。

あからさまに反対し、相応しい者をと自分の娘を進める者。

人道に反する為せめて後10年は待てと言う者。

反応は様々だ。


「ですから、せめて側室だけはお持ちに」


「無理ですね」


重役達の言葉を遮りメイラは言い放った。

無駄な事を言わせるなとばかりにため息すらついて。


「そもそも複数の女性と関係を持つなどと、イリスに申し訳が立ちません。どうしてもと言うのであれば兄上か、ギゼルトに進めなさい」


「寧ろイリスは進めるんじゃねぇか側室」


瞬時、エイリックの急所にアイリーンの蹴りが炸裂した。

声も出ずその場に蹲るエイリックに同情する者は多数。

特に男性は自らの急所を抑えるかのように前かがみになった。

顔色も悪く、青白い。


「一言でもイリスに余計な事を言った者にはもれなくこれの3倍の蹴りを差し上げます」


「おまっ!!潰す気か!?俺の大事なの潰す気なの!?」


「勿論、急所にです」


煩く喚くエイリックを地に沈めニッコリと微笑むは悪魔の落とし子。


(((潰される・・・!!)))


メイラは本気だと目で語った。


エイリックがかろうじて無事だったのはアイリーンが手加減したからに他ならない。

アイリーンとて、馬鹿ではない。

いくら潰したくとも相手は『一応王族』

どんなにウザくともアイリーンは最後の最後で手を抜いてしまう。

そう体にインプットされてしまっているからだ。


しかし、それ以外の貴族に手加減をする気などない。

それを証明するかのようにアイリーンは美しく微笑んでチラリと生足を覗かせた。

スラリと鍛え抜かれた美しい生足。

深い愛情を持った聖女の様な微笑み。


通常であればごくりと生唾を飲みたくなるような光景だがそれを見て喜ぶ者などこの場にはいなかった。

そう。

彼らはアイリーンの微笑みに隠された残虐な一面を知っているからだ。


彼女の容姿はとても美しい。

アーモンド形の大きな瞳にそれを縁取る長い睫毛。

ふっくらとした形良い唇にスラリとした鼻筋。

胸は服から零れそうなほど大きく形よく、そこからえがかれる脚線美は完璧というに相応しい。


故に初めてアイリーンに会った男性はほぼ100%の確率でアイリーンに恋をするがその日のうちに後悔する羽目になる。


それもそのはず。

アイリーンの恋愛対象は12歳未満の少年少女。

見た目などには拘らない。

とにかく、若ければ若い程良いとアイリーンは語る。

そして、それ以外の男性が告白などすればどうなるか。


まず再起不能になるか、ケツ毛まで抜かれて路頭に迷うか。

この2つしか未来はない。

(ちなみに余談だがエイリックの場合は4/5殺しで済んだという)


そんな悪魔のような女性が微笑んだ所で喜ぶ者などこの場には・・・否!!

この国には存在しないのだ。


『この鬼畜!!』と叫んだのは誰だろうか。


「・・・少し、宜しいですかな?」


プルプルと子犬のように恐怖で震え上がる重役達の中でコホンと咳をして起ちあがる勇者が1人いた。


二メートルもの巨体でぎっちりと鍛え上げられた体に黒い鎧を着た男性。

黒い鎧を着ているせいで貴族というよりも黒騎士と言われた方がしっくりくるこの男性は今年で60になる。


レナンド・エルド子爵。


元平民からの成り上がりである。

故に地位や爵位などにはさほど執着も無く、そこがまた王に気に入られ王宮内での発言も強く持つ市民の英雄。


普段であれば重役連中にとってはやっかいな目の上のタンコブであるがこういった場合では強い味方でもある。

なんたって、暴走した王族を唯一止められるストッパーなのだ。

ここで泣きながら震える者達は心の中でこっそりとエールを送った。


イケイケやれやれ!!頑張れ頑張れ!!


「殿下のお気持ちも分からなくはありません。ですが、あまりにもイリス様は幼すぎやしませんか。それに、我々とて意味も無く側室を進めているわけではないのですよ」


「それは分かっています。勿論、イリスが育つまで待つつもりです」


「イリス様が育ちきるまで最低でも7年は掛るのですぞ。それまで性欲を抑えられると?」


「入れなければ代わりの事をすれば良いのです。やり方はいくらでもあります。手とか手とか手とか口とか使えば」


ブハッと、誰かが飲んでいた紅茶を吐きだした。

いや、寧ろ吐いた者はまだ良い方だろう。

中にはあまりの衝撃により固まり過ぎてそのまま床にダイブした者さえいた。

王族付きの一流侍女さえポットをガシャーンと割ってしまっている。


その場で平然としているのはやはり当事者であるメイラとその忠実なる僕であるアイリーンのみ。

血の繋がった実の従兄であるエイリックでさえ目を見開いて固まっているのだからこの発言がいかに不味いものなのか、メイラは理解しているのだろうか。

否、理解していてもわざとだろう。


「お、お前・・・」


「どうしましたエイリック・・・レナンド、なにか言いたそうですね」


「・・・・・・・・・・・・・・メイラ様、まさかとは思いますが・・・・イリス様に手をお出しになったという事は・・・」


「手を使って奉仕をさせるという意味では出しました」


「あなたという人はなにを考えているのですか!?イリス様はまだ幼くていらっしゃるのですぞ!!そんな子供になにをさせようと」


「ですから、入れない代わりにご奉仕をさせていますと言ったのです。イリスは本当に可愛らしいですよ。入らないサイズの物を一生懸命小さな口で」


続く卑猥な言葉のオンパレード。

それを羨ましそうに見つめるアイリーンを見て、レナンドは頭を抱えた。

そして思う。


そういえばこの方は『あの王』の血を確かに引き継いでいるのだと。

あぁ、かつての愛らしさと素朴さはどこに消えたのやら・・・


「・・・・・・・・・・・・すまんが、私は退室させて貰う・・・・あぁ、そうだ。側室の件についてはお前達で話を進めてくれ。私はこの件から手を引こう」


「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」


フッと、遠い目をしたレナンドを見て黙って席を立つ者がいた。

というか、全員が立ち上がった。

中には自分の娘、あるいは孫をと望んでいた者もいたのだが・・・さすがに悪魔の生贄にはしたくなかったらしい。


(((ギゼルド様に進めよう・・・)))


その後、王宮内で壮大な鬼ごっこが始まったのは言うまでもないだろう。








メイラさん、半分本気で半分計算。

その後、イリスはやけにレナンドさんに同情のまなざしを貰うようになるという。

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