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安寧女子高校
穂原睦瀬に呼び出されて彼女以外には誰もいない昼休みの図書室で私こと角倉百合紗はある打診を受けていた。
「ねぇ、百合ハーレムに興味はある?」
そんなことをソファーに寝転がって私を抱きしめながら甘い声でささやく睦瀬の声に軽くめまいがした。
「どうして?」
「礼姫ちゃんから百合紗を百合ハーレムに身を置かせるとどういう日常になるのか試してみたいんだって」
どうやら、宮崎礼姫からのお誘いらしい。
「私は実験道具じゃないよ!」
「わかってる。でも、悪い話じゃないでしょ? 私との付き合い方も進展はないわけだし」
「それはそうだけど・・・」
私は睦瀬と両思いではないけれど、体を密着させてハグをする関係ではある。
先日、私に付き合い意思がないのか睦瀬に聞かれたので、今の時点では考えられないときっぱり返事をした。
それから数日後の本日になって、突然、睦瀬に百合ハーレム願望があるか質問を受けたのだ。
私は軽い気持ちでこう言った。
「いろんな人と親密になる方が恋愛のことよくわかるかもね」
「これから百合紗の周り騒がしくなると思うよ」
睦瀬は胸元に顔を埋める私の頭の上で、ぽんぽんという擬音語がふさわしい手の感触を何度か感じさせて期待と笑みを含んだ声でわからせるように言った。




