表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/100

EP 3

ドワーフ王、ロボットを持って殴り込み

 地下遊楽施設『天魔窟』のB2階、マグナギア闘技場。

 普段は手のひらサイズのロボットで遊ぶ場所だが、キュルリンの悪ふざけ(技術力)により、人間が乗り込める実物大の機体で戦える「スペシャル・リング」も併設されていた。

 そのリングに、怒号が響き渡った。

「なんじゃこりゃあぁぁぁッ!! ワシらの技術がパクられとるぞぉぉッ!!」

 入り口に仁王立ちしていたのは、身長140センチほどの筋骨隆々とした老人だった。

 立派な白髭を三つ編みにし、頭にはゴーグル、腰には巨大なスパナを下げている。

 ドワーフ族の王にして、世界最高のマイスター、ガンテツだ。

「誰じゃ! 神聖な『マグナギア』を、こんなチャラチャラした娯楽にしおって!」

 彼の背後には、全高3メートルほどの鋼鉄の巨人が立っていた。

 重厚な装甲、背中に背負ったキャノン砲、右腕には巨大なドリル。

 ドワーフの技術の結晶、最新鋭機『アイアン・カイザー』である。

「あーっ! おじいちゃん、ダメだよ土足で入っちゃ!」

 管理人の妖精キュルリンが飛んできた。

「なんだこの虫ケラは! ワシはドワーフ王ガンテツじゃ! この施設を作ったのはお前か!?」

「そうだよ! ボクが作ったの! すごいでしょ!」

「凄くないわ! この関節の処理! 魔力回路の配置! ワシらが百年かけて開発した特許技術を、なんで丸パクリしとるんじゃ!」

 ガンテツは職人としてのプライドを傷つけられ、顔を真っ赤にして怒っていた。

 天魔窟のマグナギアは、キュルリンが地上の流行を見て「あ、これ面白そう」と見様見真似(完コピ以上)で作ったものだ。

「えー? だって構造簡単だったし……」

「簡単じゃと!? ワシの技術を愚弄するか!」

 ブチッ。ガンテツの血管が切れた。

「ええい、許さん! こんな違法建築、ワシの『アイアン・カイザー』で更地にしてやるわ!」

 ガンテツが乗り込もうとした、その時だった。

「うおおおおっ! かっこいいーーっ!!」

 キラキラした目を向けながら、一人の青年が駆け寄ってきた。

 カイトだ。

「すごい! すごいよこれ! ドリルだ! キャタピラだ! 男のロマンの塊だ!」

 カイトはガンテツの怒りなどお構いなしに、アイアン・カイザーを撫で回した。

「このリベットの打ち方! 無骨な塗装! もしかして、工業用ロボットですか!? このドリルでトンネルとか掘るんですか!?」

「ぬ、ぬぅ?」

 ガンテツは毒気を抜かれた。

 敵意を向けてくると思いきや、純粋な憧れの眼差しを向けられている。

 職人として、自分の作品を褒められて悪い気はしない。

「ふ、ふん。見る目があるのう若造。これはトンネルどころか、要塞の城壁も貫く最強の戦闘用……」

「なるほど! 『超・重機』ってことですね!」

 カイトは勝手に納得した。

「ようこそお越しくださいました! もしかして、今日は『ロボット相撲大会』のエキシビションマッチに来てくれたんですか?」

「ろ、ろぼっと……すもう……?」

「はい! 僕も機械いじりが好きで、農作業用のゴーレムを作ってるんです! ぜひ、お手合わせ願えませんか?」

 カイトはワクワクしながら提案した。

 ガンテツは少し考え込み、ニヤリと笑った。

(ほう……。この若造、ワシに技術勝負を挑むと言うか。面白い)

 ドワーフにとって、技術への挑戦は受けて立つのが礼儀だ。

「よかろう! その勝負、受けたわ!」

 ガンテツはスパナを突きつけた。

「ただし! ワシが勝ったら、この施設は解体させてもらう! そしてお前らは、ワシの工房で一生タダ働きじゃ!」

「わかりました! 僕が勝ったら……そうだなあ、このロボットの整備技術を教えてください!」

「生意気な! 後悔させてやるわ!」

 こうして、成り行きで「マグナギア・トーナメント」の開催が決定した。

 参加者は、ドワーフ王ガンテツ、カイト、そして面白がって参加表明した神々たち。

 カイトは急いでバックヤードへ走った。

「大変だ! 急いで僕の『耕運丸こううんまる』を調整しないと!」

 彼が取り出したのは、どう見てもただの「二足歩行型トラクター」だったが、その装甲にはダンジョン産の超硬金属が使われ、エンジンにはポチの魔力が供給される予定だった。

 技術の粋を集めたドワーフの最終兵器か。

 それとも、農夫の狂気が産んだ魔改造トラクターか。

 史上最悪(最高)のロボット大戦が幕を開ける!

 次回、予選開始!

 「マグナギア・トーナメント(予選)」へ続く!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ